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私的読書(劣化復活版)

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個人的読書メモ、読書記録、読書感想です。 かつて、1997~2003年あたりに、『私的読書』というタイトル付けでけっこう力を入れて読書レビューを書いていました。その劣化復活版です。
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#つぶやき

読書:『ジニのパズル』崔実

書名:ジニのパズル
著者:崔実
出版社:講談社
発行日:2016/07
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062201520

 在日韓国人のジニ。中学から朝鮮学校に通うことになったのだが、朝鮮語はまったく話せない。しかし朝鮮学校では日本語は禁止されている。金日成と金正日の肖像画が正面から居丈高に見おろす教室で孤立していくジニ。
 一方

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読書:『吾輩ハ猫ニナル』横山悠太

書名:吾輩ハ猫ニナル
著者:横山悠太
出版社:講談社
発行日:2014/07
http://book-sp.kodansha.co.jp/topics/wagahaiwanekoninaru/

 日本と中国のハーフ(ダブル)の青年ということだけど、どちらかというと中国のほうに寄っているのかな。日本の記憶はあまりなさそう。飛行機の中ではなぜか韓国人と間違えられたりするけれど。
 そういう青年が中国

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又吉の『劇場』読んでます。好きか嫌いかというとあまり好きな小説ではないけど、しっかりした小説(やや硬い)。
又吉の小説はきちんとしすぎているので、又吉ブームで乗っかった人は(そして小説自体がすごく好きというわけではない人は)そのうち読まなくなるんじゃないのかなと少し思ったり。

『星の子』(今村夏子)読了。いまいち。いろんな展開が投げっぱなし。人物は紋切り型ばかり。ラストの章はなんだかとってつけたようで、それまでの章の流れからここだけ外れている。全体的にも9割がた退屈だったのだけど、いったいどうしてこれが芥川賞候補になってしまうのか(大丈夫か?)。

『ナポレオン狂』(阿刀田高)読了。面白いし巧いしゾッとするんだけど、今ひとつハマれないのは……読むのが遅すぎたのかな、年齢的に。昔、星新一は大好きで暗記するほど繰り返し読んでいたけど、阿刀田高は全然読んだことなかったのよね。
ところで表題作は直木賞受賞作。かなり短い作品だけど。

読了『ルビンの壺が割れた』宿野かほる
版元絶賛なんです。刊行前なのに無料で読めるキャンペーンなんてやっていて。
http://www.shinchosha.co.jp/rubin/
まあ無料だしと読んでみたら……いやあ気持悪い小説だった。アマゾンのみんなのレビュー、だいたいその通り。まだ無料で読めます。

読書:『わたしはこうして執事になった』ロジーナ・ハリソン

書名:わたしはこうして執事になった
著者:ロジーナ・ハリソン
訳者:新井雅代
監修:新井潤美
出版社:白水社
発行日:2016/11
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b251322.html

 ナンシー・アスターと著者ロジーナ・ハリソンの掛け合いがえらく面白かった『おだまり、ローズ』の続篇的な作品。
 今回は著者は一歩退いていて直接にはあまり顔を出さず、物語られ

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