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世界のディズニーパークの「メリーゴーランド」の話
どうも、東京ディズニーリゾート40周年始まりましたね。今年のアニバーサリーのテーマは「ドリームゴーラウンド」だそうで、これは色んな遊園地にあるメリーゴーランドとドリームを組み合わせた造語ですね。というわけで今日はディズニーパークのメリーゴーランドこと「カルーセル」を見ていこうと思います。え?メリーゴーランドなんてどこのパークも同じじゃないかって?いやいや、こういった要素にも面白い発見がいくつもあるんですよ。
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そもそもメリーゴーランド自体の歴史は凄く古く、今から150年以上前には既に蒸気機関を利用したメリーゴーランドがヨーロッパの方で楽しまれていたようです。一番最初のディズニーランドがカリフォルニアにオープンしたのは1955年のことであり、その以前からメリーゴーランドは数多くの遊園地で楽しまれてきた遊具の1つでした。
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https://mickeymousepark.com/disneyland-attraction.aspx?Page=3&Ident=476
そのためカリフォルニアのディズニーランドの開園時にも勿論メリーゴーランドが存在しました。「キングアーサー・カルーセル」と名付けられたこのメリーゴーランドは、イギリスの有名な王様「アーサー王」がイメージされ全ての座席が馬の形となっていました。ディズニーランドのメリーゴーランドとしては有名な光景ですが、この時はまだ白馬以外にも茶色や黒といった様々な色の馬がいました。
このキングアーサー・カルーセルは実は他の遊園地からのおさがりです。1922年頃から使用されていたカルーセルを買い取って設置されました。ただし買い取ったカルーセルには色んな動物の座席があったため、他の動物は全て馬に置き換え、馬も足の形を調節して跳躍しているように見えるよう調節されたそうです。
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この買い取った元のカルーセルから削除されてしまった座席の中で、なんと捨てずにディズニーランド内で再利用されているものがあります。それが同じファンタジーランドの「ケイシー・ジュニア・サーカス・トレイン」というアトラクションで、小さな列車のキャラクターの乗り物に乗るアトラクションなのですが、この乗り物の座席に元のカルーセルで使用されていたベンチ型の座席が流用されているようです。ベンチ型の座席を乗り物座席にしちゃおうっていう発想が凄いよね。
なおこのカルーセルが置かれているのはパークの眠れる美女の城の中央のトンネルの先。これはパークの開園当初から(微調整は何度も行われてきたものの)変わらない所で、お城のトンネルの向こうに数々の馬が跳躍しているこの景色はその後の世界のディズニーランドにも受け継がれています。
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キングアーサー・カルーセルの茶色や黒の馬が全て白色に変更されたのは1975年頃のようで、この頃にオープンしたウォルト・ディズニー・ワールドの「シンデレラのゴールデンカルーセル(現在の名前はプリンス・チャーミング・リーガル・カルーセル)」でも全て白い馬のメリーゴーランドが採用されました。東京ディズニーランドでも同様のメリーゴーランドが作られたことにより、「ディズニーのメリーゴーランド=全部白い馬」のイメージが今ではすっかり定着しています。
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しかし現在でも白以外の馬がいるディズニーのカルーセルが存在します。それがディズニーランド・パリの「ランスロットのカルーセル」です。アーサー王に仕える騎士であったランスロットの名前がつけられており、王ではなく騎士が乗る馬をイメージしているので様々な色の馬が採用されたのかもしれません。
ここまでリアルな馬に乗るスタンダードなメリーゴーランドを紹介していきましたが、ディズニーパークにはその他にもちょっと変わったメリーゴーランドが沢山あります。数が多いのでサクサク見ていきましょう。
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https://infantasycare.com/en/park/shanghai-disneyland-3/attraction/fantasia-carousel-2/
まずは2016年にオープンした最新の「上海ディズニーランド」メリーゴーランド。名前を「ファンタジア・カルーセル」と言い、他のディズニーランドとは異なりメリーゴーランドがお城の前の広場に設置されています。また名前の通りディズニー映画「ファンタジア」が元となっており、ファンタジアに登場した大人や子供のペガサスに乗れるカルーセルとなっています。
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ディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーには「ジェシーのクリッターカルーセル」があります。これはディズニー・ピクサー映画「トイ・ストーリー2」に登場する人形劇の「ウッディのラウンド・アップ」がテーマになっており、可愛らしい動物の形をした色んな座席に乗ることができます。なおこのアトラクションは以前は「キングトリトンのカルーセル」というもので、ラッコやイルカといった海の生き物に乗ることができるカルーセルとなっていました。
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そして東京ディズニーシーには「キャラバン・カルーセル」があります。これはディズニーパークだけでなく世界の遊園地を見ても珍しい2階建てのメリーゴーランドとなっており、アラビアの景色に溶け込む豪勢な宮殿の見た目をしています。座席はアラビアらしいラクダから伝説の生き物であるグリフォン、さらにはランプの魔神のジーニーなんかがいます。なお東京ディズニーランドのメリーゴーランドの名前は「キャッスル・カルーセル」でしたが、以前は「シンデレラのゴールデンカルーセル」という名前であり、キャラバン・カルーセルのオープンとほぼ同時期に現在の名前へ変更されました。
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そんなキャッスル・カルーセルに最近面白い要素が追加されました。それが入り口に設置された上の看板。こちらはアトラクションのスポンサーをお菓子会社の「ユーハイム」が務めることになってから新たに追加されたものです。この看板を見ると、実際のアトラクションと異なり白以外の黒や茶の馬も描かれています。もしかしたらディズニーの初代のメリーゴーランドであるキングアーサー・カルーセルのオマージュなのかも?(もしくはデザイナーが特に気にしないで描いただけなのかも……)
さて今日はここまで。東京ディズニーリゾート40周年はまだまだ始まったばかり、今後どんな楽しみを提供してくれるのか期待したいところです。ではでは。
〜note限定おまけ〜
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カルーセル繋がりで1つ。ディズニーパークにはメリゴーランドではないにも関わらず、名前に「カルーセル」と付くアトラクションが1つあります。それが「カルーセル・オブ・プログレス」です。これは席に座ってショーを見るシアタータイプのアトラクションなのですが、シアターが円形の部屋を複数に分割し内側がステージで外側が座席という形状になっており、外側の座席が回転することによって部屋ごとの異なるステージのショーを楽しめるという構造になっています。座席がカルーセルのように回転するためカルーセル・オブ・プログレスという名前なわけですね。またこのカルーセル・オブ・プログレスについても詳しくお話ししようと思います。
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