実は世界のディズニーランド全てに存在する唯一のアトラクション!?「空飛ぶダンボ」の歴史
日本の多くの遊園地においても、空を飛ぶ像の背中に子供達が乗っている光景を見ることがあります。
像が空を飛ぶなんてあり得ない状況が当たり前のように存在している理由は、きっとこのアトラクションの影響でしょう。
というわけで今回は一番最初のディズニーランドの開園当初から存在し、世界中で愛されているアトラクション「空飛ぶダンボ」の歴史について見てみましょう。
まず大前提として、実は空飛ぶダンボは世界のディズニーランド(アナハイム・の初代ディズニーランド、フロリダのマジック・キングダム、東京ディズニーランド、ディズニーランド・パリ、香港ディズニーランド、上海ディズニーランド)に存在します。
空飛ぶダンボはディズニーランドを代表するアトラクションでもあるため世界中に存在すると言われてもあまり驚かないかもしれませんが、実はディズニーランドがある国全てにに同時に存在したことあるアトラクションはこの「空飛ぶダンボ」と「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター(パークによって多少名称が異なる)」だけなのです!
そしてバズ・ライトイヤーのアストロブラスターは香港ディズニーランドのものが2017年にクローズしてしまった為、現在世界の全てのディズニーランドに存在するアトラクションは「空飛ぶダンボ」のみとなっています。
いかに空飛ぶダンボがディズニーランドに欠かせないアトラクションであるかということがお分かりいただけたと思います。
それでは本題である空飛ぶダンボの歴史の話を始めましょう。
時は1955年7月17日、アナハイムに初代ディズニーランドが開園した時、勿論空飛ぶダンボは開園と同時に存在したアトラクション……ではありませんでした!
でも元々開園後に後からオープンする予定だったわけではないんです、本当は開園と同時にオープンする予定でした。しかし、技術的な問題から空飛ぶダンボのオープンは1ヶ月後に見送りとなりました。
面白いのがその技術的な問題の話、問題があったのはダンボが空を飛ぶ上昇加工や周回といった仕組みではありませんでした。
実は最初、ダンボは空を飛ぶ時に耳がパタパタと動く予定でした。しかしこの仕組みに問題があり、空飛ぶダンボはオープンを見送りとなったのです。その後1ヶ月経っても耳の動きは上手く作動せず、結局8月にオープンした空飛ぶダンボは耳が動かないまま運営されました。
当時の勘の良いゲストは、ダンボの耳がまるで稼働できるように接続されているのに気づいていたようですよ。
さて、空飛ぶダンボに乗ったことあるゲストの中には「世にも珍しい空飛ぶ像であるはずのダンボがなんでこんなに沢山いるんだろう?」と疑問に思ったことがある方がいるかもれません。
本当にダンボが1匹だったら多くのゲストで取り合いになってしまうから……という理由もありますが、本当は空を飛ぶ像はダンボではなく劇中に登場した「ピンク色の像」になる予定だったという話があるのです。
実際、初期に描かれた空飛ぶダンボのポスターやコンセプトアートにはピンク色の像が空を飛ぶ様子が描かれています。
その後実際に空を飛んだのはダンボでしたが、ピンク色の像はダンボが酒を飲んで酔っぱらった時に見る厳格として登場する為、家族が来るディズニーランドには相応しくないと考えられたのかもしれません。
(↑筆者が想像で描いてみた「ピンクの像」に乗るアトラクション。これはこれで面白いかも?)
この頃の飛んでいるダンボの数は10匹。その後フロリダにオープンした「マジック・キングダム・パーク」にも、日本にオープンした「東京ディズニーランド」にも、ディズニーランドにオープンしたものと同じような(勿論耳が動くシステムは廃止された)10匹のダンボが作られました。
そして1990年頃、フランスに新しく作るディズニーランドのために新たに16匹のダンボが空を飛ぶ「空飛ぶダンボ」がアナハイムで作られました。
しかしその頃、ディズニーランドの空飛ぶダンボは短期間の内に2回も事故を起こしており、重傷者はいなかったものの早急に安全策を打つ必要がありました。
そこで、フランスに運ぶはずの16匹の空飛ぶダンボを急遽ディズニーランドに設置することになったのです。
フランスのディズニーランドのオープンは1992年の予定で余裕があった為、フランス用のものは後で新たに作れるという判断からでした。
その後16匹のダンボは当初の予定通りフランスのユーロ・ディズニーランド(現在のディズニーランド・パリ)に作られ、マジック・キングダム、香港ディズニーランド、上海ディズニーランドにも作られました。
……はい、実は東京ディズニーランドだけ未だに10匹の空飛ぶダンボが運営されているのです。海外のDヲタの方々は東京ディズニーランドの空飛ぶダンボを見て懐かしむ方も多いんだとか。
ここまで一般的な空飛ぶダンボを紹介してきましたが、最後に最新の空飛ぶダンボについてお話ししましょう。
2012年、マジック・キングダムのファンタジーランドでは「ニュー・ファンタジーランド」という大型リニューアルが行われました。
そのリニューアルではファンタジーランド内に「ストーリーブック・サーカス」というミニエリアが作られ、それに合わせて空飛ぶダンボもリニューアルされました。
まず16匹のダンボがもう1セット追加され、右回りと左回りで合計32匹のダンボが空を飛ぶようになりました。
さらにダンボのサーカスをイメージしたアスレチックが作られ、アトラクションに乗るまでの間このアスレチックで遊べるようになりました。
(↑アスレチックには、ダンボが空を飛んだシーンで有名なあのビルで火災が起きているサーカスの演目が再現されている。)
65年の歴史を持ち、ディズニーを代表するアトラクションとして世界中で運営されている「空飛ぶダンボ」。
シンプルながらも様々な今時にあの想いが込められたこのアトラクションは、今もゲストに空を飛ぶ喜びを伝えていることでしょう。
参考資料
Up and Up and Up: 65 Years of Twirling with Dumbo the Flying Elephant - D23
Five Incredible Early Visions for Disneyland - D23
Dumbo the Flying Elephant - D23
The Original Dumbo Flying Elephants at Yesterland