LAST MONTH Episode11
<今回の主人公について>
2023年入社。理工学部 理工学科卒業。
入社後、デジタルイノベーション開発部に配属。
5月に新オフィスに移転した為、現在は大崎で勤務中。
インテリジェンスを感じさせる素敵なメガネがトレードマークの彼は、ITに関する様々な情報を共有してくれたり、サービス開発のために勉強を続けるなど、博学で好奇心旺盛。周囲の人々へのきめ細かな気遣いも出来、親しみやすい人柄です。
学生からの脱皮。そして自立へ・・・
私は23年の春に大学を卒業し、エンジニア職として入社した。
それまでの人生で最も大きな転機といっても過言ではない、新社会人生活を直前に控えた私の日々をお伝えしていきたいと思う。
3月1日
遂に社会人としてのスタートを切るまで残り1か月となった。桜の季節か・・・入社のころに満開になっているといいなと思いながらこれまでの学生生活に気持ちを馳せていた。年が明けてからというもののなぜかこれまでとは違って時間の流れをかなり早く感じていた。これからは、アルバイトをすることや学割を使う機会も残り少ない。とにかく「学生最後」という言葉が哀しい。
そのような中、地元の友人と平日の昼間から飲み会を開いた。社会人になったら気軽に出来ないことの1つだと思っている。自由な時間がある今のうちにできる限りのことはしておきたい。大学中に稼いだお金は時間がある「今」に使うべきだと私は思って散財していた。
3月7日
今日から二泊三日の北海道旅行。平日に気兼ねなく旅行に行くことは、社会人になったら簡単には出来ないかもしれない、とその時に考えていた(実際、当社に入社後は、周りの人としっかりコミュニケーションをとって時間を捻出し、可能なのだが・・・まあそれはこの時には知らず後々の ことで)。
何はともあれ、いろいろな美味しいものを食べて、温泉も入ってなどなど、全力で北海道を満喫した。本当に来て良かったと思う。みんなで思い出を作れて良かった。
北海道から帰ってきた後は、一日中自宅でゴロゴロしていた。これも幸せなことであり、学生だから出来ることであると感じた。
3月13日
今日は最後のアルバイトであった。
もうこの人たちと一緒に働くことがないと思うと寂しかったが、「社会人頑張ってね、きっと活躍できるよ」と明るく送り出してくれた。
「ああ・・・このアルバイト先で働けたこと、本当にありがたかったなあ。よし、頑張ろう!」 新社会人に向けて改めて決意を強めた。
社会人まで残り約二週間となった。
まだまだ遊ぶ予定を立てたいと、友人にしきりに掛け合っていった。時には4時間も電話するなど、無意識に名残を惜しんでいたようだ。実際、その電話していた友人とは、学生時代は二か月に一度程度しか会っていなかったのだが、その時は「この先会えるのは遠い未来になってしまうのではないか」 と、切ない想いがしていたのだった。
3月18日
今日は大学の卒業式であった。大学の友人とは久しぶりに会うことができた。彼らは新社会人、大学院に進学する人など進路は様々である。
さらに地方へ働きに行く人もいるので、会うことすら最後の人もいるかもしれないと思い、たくさん写真を撮って思い出を残した。
3月22日
新社会人になるにあたって、名刺入れだったり、ネクタイなど社会人にとって必要なものを買いに行った。
学割を使えるところもあり、お得に買えたのだが、社会人のものを学割で購入することに妙な感じがした。また、入社手続きに必要な書類を取得する為、市役所へ行ったのだが、親の扶養からも外れることを改めて認識したときに、これが自立というものかと肌で感じた。その夜、中学時代からの仲間と学生最後の飲み会を開き、22年間を振り返りながらお酒を飲んだ。
今までの学生生活の思い出とこれから経験したことのない新社会人生活の気持ちを酒の肴に、夜が明けていったのであった。
3月31日
本当に本当の学生最後の日である。明日からは社会人として生きてくことになる。自由でもあるが、責任もついてくる。これからは良くも悪くも自分次第。覚悟を持って新生活を迎えたい。
4月上旬
無事入社し一週間が終わった。まだ研修は続くが、現場配属となれば、同期とは離れ離れになってしまう。部署が違っても、絆を大事にしていきたいと感じた。
社会人はまだスタートしたばかりである。失敗と成功を繰り返し、時には怒られ、時には褒められ、これから大きく成長していきたい。これから新しいことをたくさん覚えてくことだろう。そのなかで、この時感じたことを忘れてしまうかもしれない。だが、学生生活最後自らに誓った「覚悟」だけは忘れずに生きていこう。