【不定期連載「都市のこと」①】東京のみどり(マクロ視点) 前編
こんにちは
元公務員のみっちゃんです
公務員時代は都市計画方面の部署が長かったので、都市計画界隈のことには比較的造詣が深いことを自負しております
普段あたまの中で考えていることとか、たまに吐き出さないと新しいアウトプットができませんので、ちょっと始めてみようかと思います
不定期連載「都市のこと」①
東京のみどり(マクロ視点) 前編
日本の中での「東京」
東京都、というのは、日本に47ある広域自治体の一つです
先日、全国知事会が国への要望を整理しようとした際に、東京への一極集中の是正、という文言を入れるか入れないか、小池東京都知事と丸山島根県知事を中心に、喧々諤々、議論していましたね
東京以外の広域自治体にとって、自然に東京に住む人が集まることは、当然是正すべき状況です
そりゃそうです
特定のエリアが人口減少したときに、わりと早晩困るのは、住民税や人の経済活動によって収入を得ている自治体です
多くの人が知りませんが、国、広域自治体、基礎自治体という構造、小泉改革を経て(三位一体の、てやつです)、実は法的に上下関係なくなったのですが、税金を誰がどう徴収するか、という構造的な問題は本質的には改革されなかった経緯があります。
なので、どの主体が財布を握っているか、という点も地方創生的な議論の中心的話題にすべきだと思っていますが、この辺あんまり興味ある人いないと思うので、それはまたの機会に。
「東京」の住まいと都市
そんな、東京に人口が流入し続けている日本社会
では、地方から東京に来た人はどこに住んでいるのか
「東京に出てきたけど、住む場所がない!」
なんて聞きませんよね?
1960年代には東京の住宅難、なんて時代もあり、京王電鉄がガス会社まで立ち上げて開発した、僕が住んでいる多摩市桜ヶ丘の住宅開発(当時の政策上は民間によるスプロール扱い)を最後の引き金に、多摩ニュータウンが作られたりした時代もありますが、その話しはまた今度
僕は、都民感覚では東京の西の端にある八王子市という自治体に勤めておりました(日出町、奥多摩町、檜原村の方ごめんなさい)
なのでよく知っておりますが、だいたい2018年頃まで、八王子でも田畑や山を拓いて新築住宅がどしどし建っておりました
そういう場所に地方から流入してるのでは?
と疑ったこともありましたが、全然違います
八王子で戸建て住宅が建つと、そこを購入するお客さんの最大のパイは、多摩市や日野市、国分寺市、国立市の人たちです
東京の郊外の賃貸に住む人が、西に向かって家を買う
これ、簡単な理屈です
西に向かわないと家を買えないから=地価です
都心で高収入を得ている人たちはまた別のロジックですが、圧倒的に数が多い一般庶民は、皆そんな感じ
では、東京に流入してきた人たちは、どこに住むのか
よほど経済的に恵まれた人以外は、都心に出やすくて家賃もそれなりの、杉並区とか武蔵野市、三鷹市、北区、練馬区あたりに住むパターンが多いように思います
さて、八王子の話しに戻ると、今でも新築はある程度の勢いで建ってますが、感覚では、先ほども書きましたが、それまで住宅でなかった田畑や山、原野などを拓いて盛んに建っていたのは2018年頃までです
それ以降は、建て替えの方が多いのでは、と思います
※何度も書きますが感覚です
建て替えで居住者が変わらない場合は言わずもがな、変わる場合でも、住宅地自体は増えてないです
ただし、敷地をいくつかに分割して分譲される場合には、住宅地は増えませんが人口は増える可能性大です
八王子は、市街化区域の西の端ですから、住宅建設バイアスも都内最弱クラスなのを前提に、この感覚と組み合わせて仮説を立てると、
2018年頃以降は、東京郊外の住宅の開発バイアスは、低未利用地を拓くほど強くなくなった
=現在、東京郊外において、流入人口に対して、住宅(地)は循環する分だけで賄えているのでは?(バランス状態)
しちめんどくせえこと小難しく言ってんなあ!
と思った人、大丈夫です、これからもっと難しくなります🤪
住宅の需要と供給がバランス状態ということは、人口はそれ以上増えないですよね
はい、見てみましょう
参考に、八王子市の住基人口の推移↓
2016年頃から横ばいです
2016年頃から横ばい、ということは、マクロ目線では、新たに住宅地を作っても人は増えなかったわけです
僕の感覚で2018年頃まで新しい住宅地ができる勢いがあったというのも、供給が絞られるまでのタイムラグがあったと考えれば、あながち間違いではなさそう
さて、このままの流れで、東京都内での、23区様や武蔵野市様、三鷹市様あたりへの「一極集中」がこれから起きると思うよ!マジかよクソが!みたいな話しをしてもいいのですが
今回は、東京郊外では住宅地の対極になりえる、「みどり」について、分析してみたいと思います
でもごめんなさい、長くなったので後編に飛ばします
ではの!