さよならハリファイバー
7月の制限改訂が発表されてから早いもので2週間も経過しました。
時の流れというのは残酷なものです。受け入れがたい真実を容赦なく、波か壁かの如く迫らせてきますから。
私生活では言わずもがなですが、それは趣味の世界においても関わらず訪れるものです。
本当にいつになったら有言実行するんですかね、この男は。
毎月1曲宣言をしておきながら、結局曲を発表したのは4月のボカコレだけなんですから、やはり時の流れは怖い。
話がそれましたが、主題はもう一つの趣味である遊戯王に関連する話。
数々のデュエリストたちの支えとして愛され、そして憎まれてきたパワーカード《水晶機巧-ハリファイバー》が、5年の時を経て遂に禁止カードに指定されてしまいました。
Twitterではこれを機にOCG引退を表明する方も散見されました。自分も数多くのコンボ、デッキに影響を及ぼされており、デッキの改築を余儀なくされています。
構築に楽しさを見出している自分としては何でもできるハリファイバーは逆に目の上のたんこぶだったので、これから新しいコンボが開拓されると思うと楽しみでもありますね。
まあこれだけのカードプールなので、いくらでも替えは効くでしょう。一部を除いては。
貢献と過ち
先述した通り、ハリファイバーは数多くのデッキを救ってきました。
何か「こういうコンボをやりたいなぁ」と試行錯誤を重ねていく段階で、結局ハリファイバーがあればどうとでもなるみたいなパターンはかなり多かったと思います。
ハリファイバーを召喚するだけでできることは以下の通りです。
●墓地の罠カードの回収
●P召喚前のリンク先の確保
●チューナーに種族・属性の指定があるSモンスターの補助
●Sモンスターのチューナー及び相手ターンのS召喚サポート
●レベル2モンスターのリクルート
●フィニッシャー・制圧モンスターの用意
●破壊耐性持ちのモンスターの除去
●特定条件下でのカードの除去
これらのカードをたった2体のモンスター(ものによっては1体)からアクセス可能ともなれば、その効果の強力さを理解して頂けると思います。中にはこれらのコンボを相手ターンで行うことを可能にできますからね。
ちなみに、先攻1キルは余裕できるのであえて書きませんでした。
こんなカードが許されていたのがおかしいくらいで、制圧モンスターに至っては普段S召喚しないくせにハリファイバーとチューナーだけ出張してお手軽に万能無効持ちを用意するので、正直壊れていないとは言えないカードでした。
一方、多くのカードがハリファイバーによって救われてきたのも事実。チューナーを名称指定している【インティクイラ】等のデッキ、《D・スコープン》などの固有の性能を持つ一部のチューナー、そして何よりSモンスターのチューナー。
あるいは彼を前提に作られたであろう《幻獣機アウローラドン》や《TG トライデント・ランチャー》といったリンクモンスターたち。
いずれもハリファイバーがなければカードパワーが足りず採用が見送られていたり、デッキの展開の幅が広がらなかったりしていたでしょう。
5年にもわたって遊戯王というゲームの中核ともいえるカードがついに禁止に。これから遊戯王OCGはどうなっていくのでしょうか。
もうこれ以上のインフレは勘弁してほしいものです。
個人として
筆者の感想としては、正直「清々したな」という一言です。
このカードのせいでデッキそのもののパワーが5倍ぐらい跳ね上がるので、恣意的に採用しないと決めない限り殆ど構築に入ってきます。
このカードを採用できる・できないでデッキパワーの格差が生まれることは私個人としては好ましくないと思っていました。
そもそもデッキのメインギミックや主力モンスターを使うより、ハリラドンした試合の方が勝率がいいことが全てを物語っている気がします。
構築にもよりますが、ハリファイバー1枚から2妨害やら3妨害なんて当たり前。《ルイ・キューピット》などを用いればそこから制圧モンスターまで出てくる始末。
しかもデッキによってはサブプランでこの密度ですから、もう何も信じたくないですね。
こうした便利なカードはカードプールの増加に伴っていずれ禁止になるのだから、初めからきつい縛りにしておけばいいのにとつくづく思います。
まあ、後から誓約を上書きしてくるやつもいますが……。炭酸野郎のエクシーズモンスターとかね。
ガチ・カジュアルを問わず数多くのデュエリストたちに使われてきた便利なカード。
その強力さはいつしか相手を倒すための武器としか使われなくなってしまいました。いや最初からそうだっただろとか言わない。
もう二度と、彼が解除される時は来ないでしょう。
それこそ、遊戯王OCGが終わる時だと思います。
バイバイ、ハリファイバー。
もう二度と戻ってくんなよ。
おわり