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おにぎりの匂いの香水

昨晩、五感で好きなものなんだっけなーと昔の事を順に思い返して見ようと思った時に思い出したんですが、私は過去の記憶が薄い方です。

保育園の時の記憶で10秒以上覚えている出来事はないし、エピソードも10こ程度です。でも考えて見ると小学校低学年、高学年、中学生、高校生の記憶も10秒以内の10こ程度の記憶しかないような気がしてきました。
記憶を辿るって難しい。

いろんな思い出と五感を照らし合わせていろいろ思い返していた時にふと思い出したのが「花の匂い」に関すること。

小さいころから漫画や小説が好きで、一時期は恋愛ものにドはまりしていました。雑誌で言うと「なかよし」を愛読してたし、小説は折原みと先生の本をよく読んでました。
恋愛系の漫画や小説に出てくる女性って花の匂いを嗅いで「良い匂い!」っていう描写がよくあるように思うんですが、あれに共感できた事ないんです。
唯一良い匂いだと思う花はキンモクセイだけで、それ以外はなんか例えようのない野菜でも草でもないけど、どちらかと言うと草に近い生っぽい苦そうな匂いに感じます。
甘いか甘くないかで言うと甘くないと思うし、なんかスース―するような。
うまく表せない匂い断トツの1位が生花です。

割と感情移入をして本を読むんですが、花を嗅いで「良い匂い」と言ってる場面になると一気に現実に戻って「よくわからん」となってた記憶があります。

嗅覚というのは空中にある分子みたいなものが鼻の中の液体に溶けて、それを匂いの神経がキャッチして脳に伝えるんですが、匂いの神経って他の感覚の神経よりもめちゃくちゃ多いので人によって感じ方の差が出やすいそうです。
なので「花の匂い=よくわからん」は私の鼻の感覚なんでしょうが、どれだけストーリーに没頭していても、共感できない部分が現実に一瞬で戻るキッカケになってるなーと強く感じました。

そういえば、昔大阪の高級めなバーのスタッフをしていた時にオーナーのお友達の社長さんがつけている香水の匂いが、どう考えても「おにぎり」の匂いにしか感じない事がありました。
とても良い人で、スタッフも慕うくらいの常連さんで身に着けているモノもセンスが感じられるおしゃれな人だったので、良い香水だったと思うんですが、何度もドリンクを出す際にそれとなく匂いを確認して自分の中で近い香りを探すんですが、一度おにぎりっぽいと思ってしまったら、もうおにぎり以外の選択肢が出ないんです。

なんでおにぎり

という気持ちを抱えながら接客していたのを覚えています。

私は花の香を否定するわけじゃないし、おにぎりの香りの香水も良いと思います。
私が今使っているハンドクリームも店員さんに「みなさんにはよく温泉の香りって言われます!」とプレゼンされたものです。
(娘が「これがいい」って言うから買った)

あ、今思うとちょっとあの、おにぎりの香水に似てるかも。

とにもかくにも、嗅覚というのは個人の好みが大きく出るようです。こういうのを友達と確かめ合ってみるのもおもしろいかもしれません。

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