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【選挙にいって、『HACHIOJI』をたのしもう。〜対談企画】住むまちへの想いと選挙参加の関わり

※本企画は令和4年度(2022年度)八王子市市民企画事業補助事業『若者の選挙行動への機運醸成事業』として実施しています。

令和5年4月23日(日)に行われる八王子市議会選挙にむけ、『KICK THE CANCREW』のメンバーで、八王子愛に溢れるアーティスト LITTLEさんと、長年の間、明るい選挙推進協議会で活動されている同会長の冬頭さんに、住むまちへの想いと選挙参加の関わりについて対談いただきました。対談場所は、八王子市中町にある桑都テラス内のLITTLEさんのアパレルSHOP『八王子商店』さんです。


それぞれの活動について

ミツバチ:まずは、お二人の日頃の活動について、お聞かせいただけますか?

KICK THE CANCREW  LITTLEさん

LITTLE氏: 僕は,KICKTHECANCREWというグループを母体としつつ、個人活動として八王子のことを歌ってみたり、八王子の洋服をつくってみたり。ラップというのは、自分の育ってきたカルチャーとか特徴を歌うことが多いので、その延長の…えー、行きすぎた例です(笑)。

冬頭会長:いやぁ、なかなかそうゆう方は、いらっしゃらないですよねー。

LITTLE氏: 割とそういう人は全国にいるんですよ。その中でもガチ勢というか(笑)。やっぱり田舎に行けば行くほど、割とコミュニティがしっかりしてるんです。

冬頭会長:そうですよね。わかります。

LITTLE氏: 会長の活動は選挙を推進するってことですよね?どういうことなのかなーと。例えば、この党、この方面が弱いから、若者にも参加してほしいとかはあるじゃないですか。ミュージシャンとかって『選挙行こうぜ!』とかすごく言うけど、自分の支持してるところを持ち上げるために選挙行こうっていうメッセージを出す人も多くて。推進というのは選挙全般のことですもんね。どういうモチベーションで、おはじめになられたのかなって。

明るい選挙推進協議会 冬頭会長

冬頭会長: この組織自体の歴史は、もう長いんですよ。昔は白バラっていわれていて、白はまっさら、公平っていう意味でね。八王子は67年の活動になるんですよ。町会や知り合いの方とかから推薦されたり、それを軽く引き受けて(笑)、それで繋いでくみたいな感じでずっとやってきてるんですね。

ミツバチ:市内ではどのくらいの方が活動してますか?

冬頭会長:26地区で178人ですね地区で独自にいろいろやってたりもするんですけど、大体同じ活動ですね。啓発物を配ったり、あとは投票の立会い人もしますね。最近は新しい取り組みもありつつ、どうしても同じ活動の繰り返しというところで。よく言われることですが、活動していても、やっぱり投票率が高い層に政治家は顔向けちゃうから、若い人が参加してくれないと政策は高齢者向けになってしまったりね。

LITTLE氏: そうですねー、(選挙に行かない人は)行っても変わらないし、そこまで変えたいとも思っていないかもしれないですね。

冬頭会長:今のままでいいやと思ってるというか。

LITTLE氏: 誰(どの党)になったから、いいことがおきるとかっていうイメージがあまりないんですかね、多分。僕らの年齢でも、政権交代がちっちゃい頃に1回あったくらいで。市政はなおさら与党とか数とかをあまり実感しないですよね。

冬頭会長: 地方の選挙は、なかなかわかりづらいのかな。国政だといろいろ騒がれたり、テレビで見たりしますけど、市政の情報は自分で探しに行かないと、どんな人がいるかもあまりわからないのかも。

LITTLE氏:本当そうですね。僕、免許を取った年にちっちゃな橋で車をこすったんですよ。そしたらその次の年に『俺の応援してる先生が、あそこの ガードレール取ってくれたからな』って言われたことがあって(笑)。まあ、僕だけでなく何人かこすってたとこなんですけど。
世の中では消費税とか、おっきなことをやってる時だったけど、市政はこういうことなのかって、初めてちょっとわかったというか。

冬頭会長:あー、なるほどねー。

LITTLE氏:すごい細かいところというか、思ったより手が届くことなんだなあ、って。

冬頭会長: 議会を聞きに行ったときに、結構細かいところをとりあげていて。こういう細かいことやってるんだって、改めて思いましたよね。

LITTLE氏: SNSとかで見ることがあるんですけど、あ、こんなこと聞いて、こんなこともやってるんだって。マンションの管理組合じゃないけど、あそこが調子悪いぞとか、こうしたら便利じゃないかみたいなものとか。学級会とかにも近いというか、そういったレベルの話も聞いてくれるところがあるんじゃないですかね。

冬頭会長: そうなんですよ。身近なことだからね、本当は市民ももっと関心を持っていなきゃいけないですよね。

LITTLE氏: まちのいいところをいっぱい言ってほしいけど、不平不満あげてる人が多いじゃないですか。でも不満を解消するためだと考えたら、それって欲求というかお願いというか。不満があるってことは、その分お願いしたいことがあるという気持ちのはずなんですよね。
交通量とかにしても、この道はいつも右車線は空いてるんだけど左だけずっと渋滞してるな…とか。そういうのも言っていい範囲なのかなって。

冬頭会長:そのとおりですよね。そうゆう気づきがあるのって、やっばり感受性が素晴らしいんですねー。

LITTLE氏: でも、家族とか古くからの友人とかからは、『あ、そういうのいいから』って言われちゃいます(笑)。


LITTLE氏: 僕、小さな子供2人いるんですけど、子供を育てていて思うこともあるけど、若い時にはこうしてほしいってことがそれほどなかったなと。本当に立場が変わって思うことが違いますね。

冬頭会長:お子さんがいると、また全然違いますよね。

LITTLE氏: 若い時、まちなかでいつも遊んでたんですけど、夜に子供たちといる時に、ガラが悪いとやっぱ嫌だなって、今は思うんですね。『お前、どの口で言ってんだ』みたいな気持ちに自分でもなるんですが(笑)。やっぱり、若い時には人の身になれなかったかな。想像する力が足らなかったですね。

冬頭会長:それは、若い時はなかなかねー。
私自身もそうだったと思いますもん。

LITTLE氏: 今、ヒップホップ、ラップっていうのは日本でも世界的にも流行っていて、特に日本では空前の地元ブームというか、みんな俺の地元は…と言っていて。それが多分20代とかで、リスナーが高校生、中学生とかなのかな。自分の地元を盛り上げていこうという感覚はみんなあると思うんですよね。でもこれは、このカルチャーがカッコいいと思ってるだけで、ミュージシャンが言わなくなったら、みんなも言わなくなるような、根本的にみんなの中にあるものではないかもしれないんですけどね。
とはいえ、いい事とは思うんです。

冬頭会長: 意識しないでそうやって発信していただくとね、『あ、そうか』って気づきもありますしね。


住むまちへの想い

八王子をモチーフとした商品が並ぶ八王子商店

LITTLE氏: 僕が若い頃は結構賑やかなまちで、百貨店とかも多くて。ただ青春を過ごしていたら、いろんなことを経験して、思い出がこのまちの中にいっぱいあるんです。そうすると、どこで仕事してても、どんなに華やかなとこに行っても、やっぱり地元に帰りたいし、愛着がある。それを10代とか20代の青春の時に、まちに思い出を作れないとなかなか帰ってこようとか思わなかったりするだろうから、今の若い子は結婚したからとか、子供ができたから戻ってこようとか、あんまり考えられないんじゃないかな。

冬頭会長:昔の方がそういう感覚はありましたよね。わたしは、結婚してこっちにきてたんです、40年までいきませんけど。八王子の田舎っぽさが良かったというか、誰も知らないところに主人と2人で来たんですけど、私も田舎育ちで、ここにはそういう感じがあったんですよ、隣組みたいな。おばちゃんがなんか気をかけてくれたりとか。やっぱり、八王子はすごく楽でしたね。雰囲気がいい意味で田舎っぽいというかね。

ミツバチ:そういった住むまちへの想いが選挙行動につながるとは思うのですが、国より市関連の選挙の方が投票率が低かったり、地域によってその傾向が顕著だったりという事実もあるんですよね。

LITTLE氏: だとすると、僕らがよくアピールしてしまう『何中?(どこの中学校の出身?の意)』って聞くこととかは、外から来た人からすると、八王子育ちを前提として聞かれてることで。そっちの勝手なコミュニケーションツールでしょ、って感覚を持っ人はいるみたいですしね。
地域差でいえば、やっぱり高尾山は歴史があって魅力ある財産だし、割と八王子の中で何かをする時に『高尾山』ってなるのはわかるんですけど、八王子駅から直通ではなかったりとか、南大沢とかからもそうですし、分断されていて一丸となりにくいっていうとこがあるんじゃないかな。

冬頭会長:言われてみれば、そのとおりですねー。

LITTLE氏: 以前市役所で、八王子について語ってみようみたいな座談会をやったことがあるんですけど、その時も八王子まつりの話をしたんですが、地域の人によっては、自分のまちのまつりという感覚がないというか。『八王子駅の北口の人たちのお祭りでしょ』っていう感じでしたね。

冬頭会長:えー、そうなんですねー。八王子まつりといえば、みんなにとってのおまつりなイメージですけどね。


選挙に参加するということ

ミツバチ:少なからず、住むまちには、皆さん何かしらの想いがあるとして、それでも投票にいかないとなると、選挙って堅苦しいことなんですかね。

冬頭会長: 確かに、ちょっと雰囲気が独特なんですね。若い人はそもそも行ったことないから、どんなものなのかも、わからないのかな。

LITTLE氏: 僕は父親から『選挙には行け』ってよく言われましたよ。一緒にいくと『親子だけど、誰にいれたかとか言わねえからな』なんて言われたり。聞いてないけどな…なんて思ってましたけど(笑)。
ヒップホップの先輩からも、ヒップホップなんだから選挙に行けって20歳超えたぐらいで言われたこともあるし。ヒップホップは音楽ジャンルってだけでなく、コミュニティをより良くしてこうっていうカルチャーではあるんで、そういう意識がある人は多いです。
それってなんか堅苦しいことなんだけど、選挙って、それでいいと僕は思ってて。
選挙に行こうみたいなラップイベントとかもあるんですけど、若い人が選挙行きやすいようににハードルを下げるとか、堅苦しさを取り払っても、結果いいことになるのかなっていう気もするというか。ハードルが同じままで、参加を引き上げる方にしたいって。どうでもいいことだから、みんな行こうよって言うんじゃなくて。
この立場でこの格好でこの話してる僕がいうことでもないんですけどね(笑)。

冬頭会長:あはは!あー、でも、なるほどねー。

LITTLE氏: それでも行ってもらえないから、どうしようもなくやってることもあると思うんですけどね。けど、なんか簡単なものにして、それこそ目立てばなんでもいいって立候補する人も出てきたり。目立つためにいたずらに選挙に出て、それが落ちても受かっても、その後に名前が売れてればいいって。投票率を上げるために意識を下げれば下げるほど、結局そういう内容になったりするんじゃないかな。

冬頭会長:選挙に行きやすい環境つくるとか、ハードルを下げることばかり考えてましたけどね。うーん、たしかに、そうですよね。

LITTLE氏: 投票しやすい場を作ることは、それは全然必要だと思うし、意識を下げるために、若者カルチャーを使うとかは少し違うんじゃないかなーって。もちろん、いろいろやられても、なかなか投票率があがらないからこそのことだとは思うんですけどね。

冬頭会長:なんか、目からウロコって感じですよねー。どうしても同じようなことを繰り返してきたんですね、ずっと。ここに来て、コロナで色々変わったこともあるんですけどね。結構、構成員の年齢もね、やっぱり地元のことで活躍してる方とかって、仕事が大体終わったという方になりますしね。地域貢献ということで。


ミツバチ:令和5年(2023年)4月23日は市議会議員選挙ですが、市議会にもとめるものとかはありますか?

LITTLE氏: 大人になってわかったんですけど、 この区域からこの人が出てるみたいなものがあるじゃないですか。『僕はこの町のこれをやってる』とかを割とはっきり言ってもらえたら『〇〇な八王子をめざそう!』とかより、もっとわかりやすいかもなって。当然、高齢者の今の生活も大事だし、子育てや未来ももちろん大事だし、そりゃみんな大事だよね、っていう。説明書に全部書かなきゃいけないみたいな感じで、 なんか言わなかったら大事だと思ってないみたいな感じがするんだとしたら、それは間違いで、選挙に出てない人だって、絶対それはみんな大事に思うという事柄より、もっと特徴をいってほしいかなー。
ま、実際、言いにくいんだとも思いますけどね(笑)。

冬頭会長:でも、身近なことは一番わかりやすいですよね。なかなかこの人がどんなことしてくれるかって、わからないですよね。
市議会議員選挙だと、公約は広報で見るけれど、なかなか文字は読まないですもんね。

ミツバチ:会長は議会をご覧になったりして、どう思われますか?

冬頭会長:たまには議会をみて、議員さんに緊張感というか、プレッシャーをあたえるという意味でも見ることは大事かなと(笑)。

LITTLE氏: ネットとかでは結構見てるんですけど、実際どうですか?

冬頭会長:行くとやっぱり全体も見えるし、雰囲気もね。でも、見にこられてる方は少ないですよねー。

LITTLE氏: ネットでも簡単に見れるからみるといいですよね、皆さん。

冬頭会長:そうそう、やっばり見るのはいいですよ。見てわかることもありますから。
あと学校とかでも、今度市議選ありますよとか、もう少し言ってくれてもいいかなって思ったりね。もしかしたらお家でそんな話をするかもしれないし。あ、でも、やってはいるのかな。

LITTLE氏: 学校では選挙の行き方とかは、習わなかったですよね。生徒会とかでそういうことを学んで、ということなのかな。
あとあれですね。教育とか子供のお金とかって、市によって意外とばらつきがありますよね。
選挙とか政治だけにかかることじゃないですけど、今は昔からの八王子が大好きな人達の気持ちにちょっと甘えてるようなイメージがあるというか。八王子はみんな八王子のこと好きだから って感じで、そこにあぐらをかいていると、このままだと地元愛を育んできた人たちがいなくなる現状かもしれないぞ、っていう気がしてるというか。そうすると、若い人達はどんどん離れていくんじゃないかなとか。
僕らもヒロミさんとかを筆頭にテレビ出るときも、八王子八王子って言うし、八王子の人って八王子のこと好きなんだってイメージがあると思いますけどね。

冬頭会長: そうね、そうイメージがね、皆さんにありますよね。全国的にも。

LITTLE氏: でも若い人がこのままそうなっていくとは思えないですよね。
やっぱり、魅力がある八王子にしていかないといけないですね。

冬頭会長:いや、今日は本当にいろいろと新鮮なお考えを聞けてよかったです。

ミツバチ:立場の違うお二人からの地元と選挙に対するお話、とても充実した対談になりました。
これからも、それぞれの分野でご活躍ください!
本日はありがとうございました!!

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