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route-Dがbetする物流の未来
はじめに
route-Dの松本です。会社でプロダクトを作り始めてから、いつの間にか1年以上が経過しました。振り返れば実験と挑戦の日々でしたが、これからはもっと積極的に、僕たちが考えていることについて発信していきたいと思っています。
今回、僕たちが興味を持っていることや、大切にしている価値観、勝負をかけている領域についてお話しします。
※具体的な事業内容やプロダクトについてはこの記事では触れていません。
route-Dは何に興味があるのか
僕たちは「世の中にあるあらゆる“モノの流れ”をデジタル化して最適化する」ことに興味があります。
今、この文章を読んでいるあなたが手にしているスマートフォンや、本棚に並んでいる本、コンビニでさっと買うおにぎり、街中を走るトラック...。実はその裏側では、複雑な物流が巡っています。でも、それらの情報をスムーズにやり取りできていないせいで、場所や時間、人材のミスマッチがいたるところで起こっています。
「だったらその流れを、テクノロジーで効率化・最適化できないか?」——それがroute-Dの原点です。僕たちはソフトウェア開発だけでなく、現場への深い理解や幅広い連携によって、小さな発明を一つひとつ積み重ねていきたいと思っています。そして、物流の現場から始まる新しい働き方やカルチャーを創り出し、産業全体をアップデートしていく。そんな未来に僕たちは本気でワクワクしているのです。
どのような変化にbetしているのか?
1. 物流業界の課題がまさに今深刻化している
長らく指摘されてきた多重下請構造やトラックの積載効率の低下、運送にかかるコストの高騰。そのような状況下でも収益を維持するため、運送会社はドライバーに低賃金・長時間労働を強いざるを得ず、それが慢性的なドライバー不足に繋がっていたというのが僕の理解です。
それに加え、2024年からは法改正によりドライバーの働くことができる時間にも厳しい制限がかかっているため、より輸送力が不足していくとみられています。
これは非常に厳しい状況です。
でも、これは同時に「大きく変わるチャンス」でもあります。
そして変わる際のキーポイントはテクノロジーだと我々は信じています。
テクノロジーを駆使することで、荷主-運送会社間の受発注構造やトラックの積載効率を一気に見直すことができる可能性があります。
今までは、そもそもどのような問題点が現場で起きているかを把握することさえできていませんでした。そして可視化されないので、継続的な改善も難しい状況でした。
物流業界全体が、課題を克服して次のステージに進むために、テクノロジーを必要としています。
逆に言えば、それほどに課題は深刻化しているのです。
2. AIの進化がすごすぎる(すごすぎる)
そしてそんな "テクノロジー" の大本命がAIだとroute-Dは考えています。
直近、急激な進化を遂げているAIが物流を含むサプライチェーンに間違いなく革命を起こすでしょう。
従来のソフトウェア(SaaS)は、業務をいかに標準化し効率化するかにフォーカスしていました。それ故、従来のDXプロジェクトは、これまでの働き方を変える痛みを伴うものでした。加えてサプライチェーンに関わる業務では、前後の工程で社内外の多く取引先とのやり取りがあるため、従来の働き方を変えづらいという特徴もあります。結果として、誰にとっても「DXによる痛み <<<DXによる便益」であることが合意された一部の領域以外は、アナログ業務が現在まで残っているという認識です。(※アナログであることは、必ずしも悪いことではないと思っています)
しかし現在、この従来のソフトウェアの考え方が大きく変わろうとしています。周りの人間の働き方を無理に変えず、AIがその業務領域に融け込み、人の経験や勘、現場の事情を踏まえた高度な判断まで、自律的にやってくれる時代がやってきています。
物流や小売、製造といった「アナログな現場力(人間力?)」に依存する産業こそ、AIの恩恵を大きく受けるだろうと僕自身は考えています。人間が行う業務をAIのアシスタントが “よしな” にサポートすることで、これまでは人間がやるしかないと思われていた業務の効率が大幅に向上していくでしょう。
もしかしたら今は全然使えないよね?というAI関連の技術も多くあるかもしれません。しかし2022年の後半からこれまでの2年半がそうであったように、これから1,2年間でAIはとんでもない進化を遂げます。そして我々の想像を超える速度で、日々の業務に実装されていくでしょう。
僕たちはここに大きな可能性を感じていて、この波を活かして新しい世界を創りたいと考えています。
3. 自動運転が爆発的に普及する未来がすぐに来る
そして、中長期的な視点でこの業界に大きなインパクトを与えるのが「自動運転トラック」です。(これもまたAIですが)
すでにアメリカではGoogleのWaymoが自動運転タクシーを本格導入し始めていますが、トラックへの適用も時間の問題でしょう。もしトラックが自動運転になったら、24時間ノンストップで物流網が稼働し、貨物の流れそのものがインターネットのように流動的かつ効率的になる世界が到来します。
夢のような話に聞こえるかもしれませんが、テクノロジーと社会整備が噛み合えば、ほんの数年後にはこれが当たり前になっているかもしれません。僕たちは、自動運転トラックを上手く既存の物流と融合させ、日本の物流の更なる躍進に繋げたいと考えています。そのためにもまずは徹底的に現場を理解し、テクノロジーとリアルをつなぐサービスを創ることが必要です。
自動運転は、もはや物流業界だけの話ではなく、日本社会全体の構造転換にもつながります。自動運転が普及すれば、働き方や経済活動、都市設計まで根本的に変化し、新たな産業が次々と生まれるかもしれません。
終わりに
route-Dは「物流を通して、日本のリアル産業を一気にアップデートする」ことに本気でチャレンジしています。
「ややこしい仕組みをテクノロジーでスマートにする」だけがゴールではありません。その先にある、日々の暮らしの変化や、新しい産業や文化の勃興——そんな壮大な可能性を追いかけ続けるのが、route-Dという会社です。
今後は、社内メンバーの考え方や具体的な取り組みについても発信していきます。もし、この記事を読んで「自分もその未来づくりに参加してみたい」「もう少し深い話を聞いてみたい」と思われた方がいれば、ぜひ気軽に声をかけてください。
僕たちは、テクノロジーの力でリアル産業を変革し、新しい世界を創っていきたいと思っています。一度しかないこのタイミング、ぜひ一緒に面白い未来を切り開いていきましょう!