「まさかの、ビバリーヒルズコップ再び」
それを見てウソだろ、と思った、まさかあの映画が、あのアクセルが40年振りに帰ってくるだなんて。もう主人公はとっくに引退して優雅にどこかで暮らしているはずなのに。
今は映画情報誌を見ることもなく、すっかり動画配信の情報にお世話になっているのだが、時々タイムリーで心踊らせる瞬間がある、今回もその一つだった。
もうテーブルにおつまみとウイスキーの水割りを置いて、さっそく再生ボタンを押す。
映画は全くもって期待通りのものだった。リズム感にあふれる映像展開。小気味よい音楽は当時のまま。もちろん40年分の歳を主人公はとっているが、リズミカルなその体の動きはそれほどは違和感を感じさせない。
そしてさらにうれしかったのが、凸凹刑事コンビを演じていた、ジョン・アシュトンとジャッジ・ラインホルドだ。もう二人はこれ以上のはまり役はないと思って最初の「ビバリーヒルズコップ」を観たのを思い出した。もう上役の方はかなりの歳になっているだろう。もうかなり老けてはいるが、でも元気に登場。そして、一作目のキャラクターを、相方と昔の雰囲気そのままでユーモラスに演じていた。若かったジャッジ・ラインホルドも、もうかなりおじいさん臭くなっていて、でも漂わせるユーモアあふれる雰囲気は当時のまま。
新しきを加えながら、良き古きを残す。これが、シリーズもの映画の秘訣だ、とも思った。
さて、主人公のアクセル・フォーリーだ。今も昔のままのジャンパーを着て口のなめらかさも少し歳相応になったかなという程度。顔をよく見ると確かに40年分老けてはいるが、服装が前と同じなので雰囲気自体気にならない。お手柄を他人に譲る気の使いようも相変わらずで、もうこれは好印象以外の何ものでもない。
もう何から何までいいとこ残しの監督は前作と同じ?と思いながらも、今回はマーク・モロイとの初めて聞く名前。
今まで監督で観るというのはそれほど多くはなかったが、こうまで見事に前作の流れを再現しながら、新しいスパイスも加えつつ見事に作りあげたこの監督の次回作もぜひ期待したくなった。
監督といえば、クリントイーストウッドの最後と言われている監督作品はいつ観られるのだろう。今はそれが至上の楽しみで仕方ない。
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