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田舎で農地を取得することについて
こんにちは。
田舎のひとり不動産屋みつです。
このnoteは、人口2.7万人の田舎で独立開業して10年目の私が、
田舎の不動産屋の歩き方をお伝えします。
これから不動産業を開業したい方、開業予定の方のお役に立てば幸いです。
田舎暮らしといえば、庭付きの戸建てで家庭菜園を楽しむ
家庭菜園で作った無農薬野菜で食事を楽しむ
なんて理想をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、農地を取得することは良い面だけではありません。
田舎で農地を取得することについて、メリットとデメリットをお伝えします。
1.農地取得のメリット
1-1.低価格で取得できる
田舎の農地価格は相場があってないようなものです。
1反(1,000㎡、約300坪)が数十万円
つまり坪単価数百円で取引されるのはよくあることです。
耕作放棄地を持て余している方が多いため、
供給>需要になってしまい、「引き取ってくれれば御の字」ということも。
1-2.自給自足の生活ができる
都会から田舎への移住が増えた理由のひとつです。
災害が増えたり、未知のウィルスへの心配があったりという中で
食への安心を確保するため、自給自足を考える方が増えています。
1-3.農業を通じて仲間ができる
田舎の農家さん同士のつながりは強いと感じます。
先輩の農家さんが助けてくれたり
田舎では、兼業農家さんも多いので
幅広く地元の方々と出会えるキッカケ作りができます。
2.農地取得のデメリット
2-1.取得手続きのハードルが高い
農地の取引は「農地法」によって厳しく管理されており、
取得には地方自治体や農業委員会の許可が必要です。
農業経験がない移住者の場合、許可が下りないこともあります。
2-2.簡単に手放せない
前述したとおり、農地の取引は「引き取ってくれれば御の字」という方もいるほど市場が限定されています。
また、農地を他用途(住宅用地など)に転用するのことができない地域もあるので、農業を辞めた後の所有リスクが伴います。
2-3.しがらみから抜けられなくなる
これはメリットの裏返しになりますが、
つながりが強くなることの反面、それがしがらみとなることもあります。
地域によっては、農業に関連する共同作業(田植え、用水路の清掃、防災訓練など)や祭り、行事への参加が必須となることもあります。
これらを欠席することで「協調性がない」と見なされることがあるため、
意に反して拘束されるというのもよく聞く話です。
3.結論
移住者が農地を取得するのは覚悟が必要
移住者が農地を取得するということは
単に土地を購入するという物理的なものではないと考えています。
農地は取得するにも、保有するにも、手放すにも、自由度が低いのが現実です。
これらの要素を理解し、慎重に計画を立てた上で取得することが重要です。
宅地のように、気に入った場所があったから購入するというわけにはいかず
その地に骨を埋めるくらいの覚悟が必要といえます。
田舎の空き家問題の解決には、不動産屋の力が不可欠です。
田舎の空き家問題解決に取り組む同士を増やすため、
情報発信をしていきますので引き続きよろしくお願いいたします!