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嘘をつく大人になったけれどもそれでいい|エッセイ

「嘘をついてはいけません。」

ここのところ、子ども向けのお話を考えている。

小さな頃の困りごとや、疑問はなんだっただろうとかと自分が小さかった頃のことを思い出しているのだ。

そこでよく言われていたな、と思い出したのが最初の一言である。

めんどうなことを先延ばしにして、やっているとウソをつき怒られるという子どもだった。

ほかにも、人と合わせるのに良いと思わないモノも良いと言っていたりした。
ぜんぜん思ってもないのに、かわい〜!とか。
女子ならみんなやっているだろう。

しかし小さな頃に刷り込まれた「嘘をついてはいけません。」にすごく苦しめられたのが14、15歳の時だった。

一人前の大反抗期を迎えた私は、自分がウソの塊のような気持ちになってしまいひどく辛かった思い出がある。

世の中が笑っているのに笑えない自分を責め、笑えないモノを無理矢理笑う嘘つきの自分を責めた。

でも無理に合わせて、笑うふりなんてしないでいい。みんなに合わせる方が落ち着くなら、ちょこっとウソついて、笑ったふりをしたっていい。

あの時の私に教えてあげたい。
そんな本になればいい。

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稲橋 閃
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