メタルを"ヘビメタ"と呼ぶヤツ、全員◯ね!と叫ぶ割りと過激な思想
メタルファンはこだわる
とにかくこだわりか強い
その理由を私は知っている
何故なら私もその1人だからである。
と、言う前置きはさておき、
のっけからまるでタムケンのギャグの如く
過激で挑発的なタイトルの理由として
やはりメタルへのこだわりの強さが
過剰に溢れだした結果であると考える。
何故このような内容を書くことにしたのか?
それはHM/HRと言うジャンルの門戸開放、
と言うか、その間口を少しでも広くしたい
そんな逆転の発想から生まれた。
全てはメタルへの愛ゆえ発せられる
言動の数々と言える。
メタル好きな方のほとんどは
認識されていると思うが
本当にメタルファンは
周りからすれば些細なことに過敏に反応する、
例えば…タイトルにある通り
「ヘビーメタル」もしくは「ヘヴィメタル」を
「ヘビメタ」と呼ぶ人に対しては特に。
どうでもいいじゃないか、ただの略称だろ?
何を目くじら立ててんだよ!
一般的な音楽ファンは間違いなくそう言う。
だが我々メタルファンはこぞって異を唱える
・・・それは略称などではない、と。
これは私の個人的思想だと思われるかも
知れないが
あながちメタルファンの総意でもあると
言い切れないことはない。
2013年のことだった、
人気バラエティ番組「アメトーーク」で
ハードロックやメタルを語る回
「GEININ OF ハードロック」と言う
回があった。
その場に出演されていたある芸人さんが
(仮に彼をOさんと呼ぶ)
「ヘビメタを…」と禁忌のワードを
何度も口にした。
当然Oさんに悪気はあったと思わないが
これは私にとっては放送事故レベルの案件
慌てて他の芸人さんが後でフォローしたが
(藤井ペイジさんがガチでやってました)
これは正に由々しき事態である。
このコーナーのプレゼンと進行をされていた
芸人さんであるOさんにあるまじき発言だと
怒りと言うよりは嘆きを感じた。
だからそんなのどうでもいいだろ?
それはお前だけの考えだろうが?
いや、一概にそう断言出来るだろうか?
ならばこちらに目を通していただきたい⬇️
あの陰陽座の"兄上"こと瞬火さんもブログで
同様の発言をしています。
「ヘビメタ」は略称ではなく蔑称である、と。
兄上の場合は自身のインタビューで
そのように発言したと誤解されたため
訂正の意を込めて書かれたのだと思う。
陰陽座に少しでも関わりのある方なら
(式神は勿論、雷舞参戦やDVD視聴経験などで)
彼がいかに人格者であり
周囲に目の行き届く素晴らしい方であるのかは
私がくどくど話すまでもない周知の事実。
そんな兄上ですらこの表現には
非常に敏感でセンシティブになる…
それほどまでの重大な要素、と言えるのは
おわかりいただけるだろうか?
しかし兄上と私の解釈もまた
全てが一致する訳ではなく
見解には多少の相違点もあるかと思われるが
大意としてはさほどのズレはないと思う。
私とて街中でメタル好きかどうか知らない人に
「その呼び方はやめてください」と
諌めるつもりはないし
メタルをほとんど知らない知人がそう言っても
そこまで嫌悪感を剥き出しにすることはない。
ただ少し不快だな、とは正直思います(笑)
あの時の藤井ペイジさんみたいに。
ただ少しでもメタルを囓った友人
音楽について話す機会のある友人
そう言った人たちが「ヘビメタ」と言うと
「悪いけどそれ、やめてくれるかな?」
と言うだろうし、実際に伝えたこともある。
(そのせいか音楽系の友達が少ない(笑))
メタルの間口が広がってほしいと願う人間に
あるまじき行為であるとはわかっているが
譲れない部分はどうしても譲れない。
何故そこまで…?
そう思われる方も多いだろう。
これはヘビーメタルと言う音楽が
ある程度市民権を得た(とも思っていないが)
現在に至るまでの長きにわたる歴史を知る者、80年代から同じ時代を共有した者に共通する
思考ではないかと推測する。
恐らく2000年以降のメタルコア、ラウド系
ニューメタル、メロデス、メロスピあたりから
メタルを体感している世代にはそこまで
こだわりがないのでは?と思うのだが
若い世代の方は
どのように捉えていらっしゃるのだろう?
何故、そこまで過剰に反応するのか、
それは累ねられた"負の歴史"の影響であろうと
推測する。
80年代からメタルと関わってきた
我々世代の人間は一般的な視点において
多数の音楽ファンの間で
ヘビーメタルと言うジャンルに対して
物凄く偏った、しかもかなり湾曲した解釈を
されてきたと実感している。
ブログの中で兄上は若干オブラートに包んだ
表現をされていたが
私はボキャブラリーが貧困なので
はっきり言わせてもらう。
80年代当時
メタルは色モノでありゲテモノである
長髪で汚い風貌の輩がうるさい音を出す
下品で野蛮な音楽である
メイクや演出のみにこだわり
肝心の音楽性はただの騒音である
そう捉えられていたと思って間違いない。
実際私がその時代を形見の狭い思いで
メタルと共に過ごしてきたわけなので。
そんな解釈をする人たちに限って
このジャンルについて口にする表現が
「ヘビメタ」
で、あったと私は思っているし
実際、そのような体験を数知れずしてきた。
ー それってさ…
戦争で侵略してきた国を子孫代々憎んでる
何処かの国の人たちと同じ思想じゃない?
もしそう言われたらあながち否定は出来ない、実際それはそうなのかも知れない。
ただ当事者でなければわからない事実は
歴史上いくらでもあるはずだ。
だから私はこの思考を
若い世代に押し付けようとは思わない、
おっさんの戯言で片付けられてもいい。
ただ、いくら器が小さいと言われようが
これだけは譲れない、と言う信念は
メタル好きとしては持ち続けていたいと思う。
Keep The Faith!
(信念を持ち続けろ!)
これが誰の発言なのかはメタルファンなら
すぐにわかるだろう。
音楽のジャンルは自由の象徴だと思う
不貞や犯罪を助長するものでなければ
誰が何を聴こうと何の支障もない。
だが自身の領域に土足で踏み込む者を
黙視するわけにはいかない。
それがメタル好きの総意であるかはさておき
そうであってほしいと
欠片でも思うことは罪なのだろうか?
最後に私の体験談をいくつか…
高校の頃、切り抜きを挟める
透明な下敷きを使っていて
そこにモトリー・クルーのボーカル
ヴィンス・ニールの写真を挟んでいると
それを見つけたある英語教師が
「こんな下品で低俗な人の写真は捨てなさい」そう言われた。
その教師はヴィンスのことを知っていたのか?
それとも着ていたTシャツのデザインに
何か英語で不適切な表現があったのか?
それともタトゥーをしていたからか?
どうしても納得いかず放課後、
その教師に理由を問い詰めると
どうも彼は敬虔なクリスチャンだったらしい。
特に問題になるワードがあったわけではないが
Tシャツのデザインか何かに
アンチクライスト的な何かを感じた、のだと。
これもまた思考の違いである
この手のジャンルの音楽は
反体制や反骨の象徴として使用しても
アンチクライストとして使うわけではない
(中には実際に存在することもある)
現実にこのバンドスタイルで布教活動をする バンドだって存在します、
(言わずと知れたSTRYPER)
と、私は説明し
互いに理解し合うことで
大事には至らなかった。
また大学生の頃、高校のクラス会に参加した時
元同級生の女の子の一人に
「バンドやってるんだよね?ヘビメタ…だったっけ?」
「あ、メタル…系のジャンルやってるよ」
「それってさ、やっぱり白塗りして火とか吹いてんの?」
「いや、それはまた演ってる音楽とは違うモノだから…」
「え?やってないの?ヘビメタってそんな音楽だよね?」
「・・・」
彼女は泥酔していたとは言え
この発言にはさすがに堪忍袋の緒が切れた。
私がもう少し理性がない人間であったなら
犯罪者になっていた可能性すらある(笑)
が、この時は別ジャンルのバンドをしている
隣席の友人が私の代わりにブチ切れてくれた。
「おい!メタルなめんなよ、謝れよ!」と。
この偏見については
ある程度致し方ない部分はある、
そう思われる
スタイルのバンドが存在するわけなので。
たがそのバンドたちはしっかりとした
音楽的な基盤やバックグラウンドがあり
メイクやパフォーマンスはあくまでも
その音楽に関する付加価値
そこだけをピックアップして
"メタルの象徴"と捉えたことから生じる誤解は
当時としては珍しくないことだった。
「あ、オレたちサーカスやってるんじゃないから…」
そう言ってその場を立ち去った
それ以降、その女の子とは
口をきいたことがない。
こんな例え話で
メタルが"蔑称"と呼ばれることに
理解を求めるつもりはないが
最近はメディアでも差別的発言には
ナイーブになっている
「ヘビメタ」と言う表現もいつか
放送禁止用語になってくれないだろうかと
割りと本気で秘かに願っている。
だから今回はタイトルを
あのように過激に標榜したのだな、と
理解してくれる方が1人でもいてくれたら
私はそれだけで
溜飲が下がる思いになるだろう。
こんな発言をしながら
メタルの間口が広がってほしいなどと宣うのは本末転倒だとわかってはいるが
譲れない部分は譲れない、
それもまたメタル的思考なのである。