私たちが長く生きるための方法~働き方改革編~
0.はじめに
皆さんの今の働き方は理想の働き方ですか?
2019年に「働き方改革関連法」が施行され、上限を超える残業には新たに罰則が科されるようになりました。企業としても、長時間労働の是正と残業の削減が急務となっています。
ただ、「思うように残業を減らすことができない」と悩む職場も多いのではないでしょうか。
実は、残業を減らす鍵は労働時間の適正管理にあります。
そこで今回は、長時間労働を生んでしまう原因や対策方法について分かりやすく紹介します。残業を減らして自分の職場での働き方改革を推進するために、ぜひ参考にしてみてください。
1.『超時間労働削減の具体的な取り組み』で必要なこと
『超時間労働削減の具体的な取り組み』で必要なSTEPは以下の3つになります。
【STEP1】仕事の内容や量を明確にし、「やる・やらない」を決める。
→効果や成果、結果が出ないものはやらない。
【STEP2】人間がやったほうがいいもの、機械がやったほうがいいものを分ける。
→人間が手で計算して10分かかることを、機械は10秒でできてしまう。
【STEP3】人間が効率よく働けるように人間の性能を最大限発揮させる。
→脳や心の仕組み・体の仕組みを理解し、生活習慣を改善することで仕事のパフォーマンスUPにつなげる。
つまり、この時間の積み重ねが超時間労働削減につながります。
また、離職率の低下やワークライフバランスの向上などにつながります。
2.【STEP1】仕事の内容や量を明確にする ~ピンチはチャンス~
2-1.組織内の役割分担と業務改善
役割分担は業務自体をルーチンワーク化し、誰に代わってもできることを目指します。
言い換えれば、業務をシンプルにし、ルーチンワーク化することで組織の一人一人が業務に集中させることを環境を作り、安全・品質・環境・工程を担保した上で、利益の追求をすることを目的とします。
組織における役割分担とは「人に仕事を付ける」から『仕事に人を付ける』ことで、業務の標準化を可能にする。標準化に必要な要素は以下の3つです。
・行動についての決まりごとをつくる
・その決まりごとを具体的に繰り返し教育し、実行する
・定期的にその決まりごとを修正し、追加する
2-2.具体的に私の職場で実施した取り組み
①発注者、官庁関係、本支店関係、近隣関係、作業所特有の仕事をリストアップする。
②ルーティンワークを毎日・毎週・毎月・毎年に分ける。
また、それぞれ仕事にかかる所要時間を過去の実績から値を出す。
そして、提出日・締め切り日・中間確認日を明確にする。
③仕事に対して、人員配置・担当を決める。(人に対して仕事を割り振ってはいけない)
④実施後、定期的に効果判定を行い、改善(PDCA)を繰り返す。
ルーティンワーク一覧 ⇒ “時間”で担当を振り分けた。
デスクワーク(工務)一覧 ⇒ “場所”で担当を振り分けた。
2-3.取り組み後の効果と具体例
・2021年2月に子供(家族)の保育園で新型ウイルス感染者が出てしまった。
PCR検査の結果が出るまで、自宅待機をしなければならず、リモート勤務に切り替えた。
しかし、職場で業務の標準化が出来ていたので、業務進捗に影響が出ることはなかった。
・また、2021年7月に第2子が生まれた際も、事前に育休を取得する日を決め、所内で業務の振り分けを行い、育休取得につながった。(育休取得中はテレビ電話で朝の打ち合わせに参加し、業務の進捗の確認を行った)
3.【STEP2】人間が得意なこと、機械が得意なことを分けてみる ~面倒なことは機械に任せる~
3-1.人間の脳・思考の原理
この中でパソコンやスマホなどの機械(AI)が得意なものは
「記憶」と「選択(制御・演算能力)」です。
「記憶」 … 大容量HDD(NAS) または クラウド
→クラウド『BOX』、mail『Outlook』の活用。
「選択」 … 過去の失敗・成功から生み出された、成果やルールをもとに機械的に選択を行っていく制御・演算能力(計算処理能力)
→作図ソフト『AotoCAD』『BIM』、写真管理ソフト『写真の達人』、エクセル・ワード・パワポ、翻訳アプリ etc…
ただ、これらを動かすためにはプログラミングが必要です。
そのために人間は「言語」を使って、指示・命令を下さなければなりません。
そこで必要なことは、人間として心・技・体 ブレない軸(±0)を持つことです。また、バランス感覚を持つこと。物事の陰(-)と陽(+)が対極にあることを意識することです。
☆建設業に必要な5つの管理
Q( Quality ) 品質
C ( Cost )コスト
D ( Delivery )工期
S ( Safety )安全
E ( Environment )環境
☆ステークスホルダー:企業などの組織が活動を行うことで影響を受ける利害関係者を指す顧客・株主・経営者・従業員・取引先のこと。
今の世の中のゼネコンに求めらるのことは、5つの管理をバランスよく取り入れた計画を立て成果物を生み出すことです。また、ステークスホルダーの利己・利他を考え、お互いがwin-winになれるようにプロジェクトを進め、サスティナブル(持続可能な)企業を目指すことが大切だと思います。
3-2.具体的に私の職場で実施した取り組み
3-3.取り組み後の効果と具体例
●夜勤がある現場での工夫
・夜間作業エリアごとに作業実施前・後の写真を各担当者がスマホで撮影し、朝の所内打ち合わせ時、会議室のモニターに映し出しながら説明し、所内で事前KYを行い、リスクの抽出と対策を講じた。
・月曜日の朝に前週土曜日の夜間の作業の確認や手配依頼を「昼間勤務者(工務担当)」と「夜間勤務者(工事担当) 」の間で行うのに、テレビ電話を使って行った。(打ち合わせの30分は“残業”としてカウントする所内ルールを設けた)
・書類や写真の保管場所の共通ルールを作ったことにより、書類のデータを探す時間・手間が省力化出来るようになった。また、日々の現場管理の中で品質管理書類を作成することにより、竣工時の書類整理の際に時間を要さないように心がけてる。
☆おすすめのテクニック
・とにかく、成果物(資料)はPDF化し、メール(Outlook)で送る。
・PDFのファイル名は「20220122長時間労働削減の具体的な取り組み」のようにいつ作成・更新したかがわかるようにしておく。
・また、メールの件名とPDFデータの件名は合わせるようにし、検索しやすいようにしておく。
4.【STEP3】脳や心の仕組み、体の仕組みを理解する ~最高のパフォーマンスを発揮する~
4-1.体の仕組み
私たちは自分の体の仕組みを理解することによって、病気を防ぎ、最高のパフォーマンスを引き出すことが出来ます。
その中で健康面での最大のリスク【三大疾病】について検討したいと思います。
これらの病気を防ぐために体の中で起こることで、気を付けるポイントは体の中の流動性や巡りを意識することです。
・血液の循環
・酸素の循環
・自律神経の安定(交感神経と副交感神経の切り替え)
これらを意識することにより、頭痛・眩暈・肩こり・腰痛・風邪etc…を予防でき、三大疾病も防げます。(しかし、“当たり前”のことが出来ないのは習慣が原因です。これらの習慣を作ったのは誰か?を考えるのも必要かもしれませんね…)
4-2.脳や心の仕組み
人間の脳・思考の原理は「3-1.人間の脳・思考の原理」で解説した通りになります。しかし、人にはそれぞれの個性(=個体差)があります。それをふまえ、脳科学や心理学の分野の知識をもとにインプットとアウトプットを繰り返していきましょう。
また「2-1.組織の役割分担と業務改善」で留意したい点としては、業務の割り振りの際、得意なことで仕事を割り振りすると、仕事の達成度・効率は上がりますが、成長課題を自分で見つけられない人材はその仕事に“飽きて”しまうため、マネジメントするうえで成長課題を与えたり、成長意欲を阻害しないように人と接することが大切です。
4-3.具体的に私の職場で実施した取り組みと結果
・健康に対する意識付けにより、欠勤する回数が減り、パフォーマンスも上がった。
・コミュニケーションが良くなり、ヒューマンエラーも減った。
・資格取得 受験者への応援・支援をすることによりスキルアップが出来た。
5.まとめ
ある本の著者によると、問題とは「あるべき姿とのギャップ」であるとの記述があります。そのため、普段のコミュニケーションで自分・相手の価値観を共有し、「あるべき姿・形」を共有することが私は大切だと思います。
また、具体的な目標や答えを一致出来なくても、相手の脳の中で描かれているイメージを自分の脳に取り込むことで問題解決への道が見えてくると私は思います。
したがって、今まで述べたプロセスによって、「長時間労働削減」、「離職率の低下」、「ワークライフバランスの向上」につながると私は考えており、現在、コロナというピンチをきっかけに『働き方改革』や『DX推進』、『サスティナブル』を考えるきっかけを与えられたことが最大のチャンスだと感じています。
今後も業務改善につながる活動を続いていき、成果を上げられるよう尽力したいと考えております。