【徹底解説】コルヴォルド解体新書【統率者】
※最後まで無料でお楽しみいただけます。
2022年3月5日に,晴れる屋TC東京にて初代統率者神を決める戦いが行われました。
今回は私が使用した《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King(ELD)》(以下コルヴォルド)について,自分の思考の整理も兼ねて徹底的に解説していきます。
こちらの記事は
・コルヴォルドの啓蒙
・コルヴォルドの知見の集約
を目的として執筆しています。統率者のコルヴォルドの教科書を目指して執筆しました。しかしながら,この記事を下敷きに更なるコルヴォルドの最適化が行われることを切に祈ります。
※以下特に断りがない限り,当記事の統率者戦においては,俗にいうcEDH環境を想定しています。
①コルヴォルドとは
自分のパーマネントを「生け贄に捧げる」たびにカードを1枚引くことができるクリーチャーです。
このドロー能力によるアドバンテージを活用して勝利に繋げていく統率者になります。
昨今の統率者戦においては,ドロー能力を持つ統率者は強力な統率者であると見なされることが多く,コルヴォルドもまた強力な統率者の一角として認知されています。
オマケ程度の+1/+1カウンターを乗せる能力も非常に強力で,持ち前の飛行と合わせて《ルーデヴィックの名作、クラム/Kraum, Ludevic's Opus(C16)》を一方的に粉砕し,《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat, Doom of Fools(CMR)》さえ,1発で統率領域へお帰りいただくほどのパワーをたたき出すことも可能です。
また,見た目以上にパワーが上がりやすいので,統率者ダメージによる勝利を狙うことも現実的であることは明確な強みと言っていいでしょう。
特に妨害がない限り,対戦相手1人を3回攻撃するだけで敗北させることができます。(コルヴォルドEtBでパワー5,攻撃1回目でパワー6,攻撃2回目でパワー7,攻撃3回目でパワー8)
固有色が黒赤緑のジャンドカラーであるため,《沈黙/Silence(M10)》や《息詰まる徴税/Smothering Tithe(RNA)》,《儚い存在/Ephemerate(STA)》を擁する白や,《共に逃走/Run Away Together(CMR)》や《激情の後見/Fierce Guardianship(C20)》,《思考停止/Brain Freeze(SCG)》を擁する青が使えないのが欠点です。
なお,コルヴォルドでは無限に宝物トークンを生み出すことができれば,無限マナ+無限ドローを実現できるので,そのまま勝つことが可能です。
(無限宝物から,マナプールに好きな色のマナを好きなだけ生み出して,その後コルヴォルドが戦場にいる状態でデッキの枚数だけ宝物を生け贄にすることでデッキを引き切り,後述の勝ち手段を揃えて勝つことができます。)
②勝ち手段紹介
ジャンドカラーの統率者なので,非常に多様な勝ち手段を搭載可能な統率者です。
しなしながら,私はコンボに必要なカード枚数と,コンボパーツ単体での強さのバランスを考えて,
以下の❶~❹の4通りを搭載しています。
❶《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》+《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》+α による無限宝物(後述)。
❷《ウィザーブルームの初学者/Witherbloom Apprentice(STX)》or《嵐窯の芸術家/Storm-Kiln Artist(STX)》+《煙霧の連鎖/Chain of Smog(ONS)》 による魔技無限誘発からの無限ドレイン or 無限宝物。
❸《死の国からの脱出/Underworld Breach(THB)》と《ライオンの瞳のダイアモンド/Lion's Eye Diamond(MIR)》によるチェインコンボ。
だいたい《法務官の掌握/Praetor's Grasp(NPH)》で対戦相手の勝ち手段を持ってきたり,《破滅の終焉/Finale of Devastation(WAR)》をX=20(笑)で打ったりする。
❹コルヴォルドによる統率者ダメージでの勝利。
これらの勝ち手段を選択した理由は,
❶:どちらも強力なのに揃うと勝ててしまう。バグ。
❷:コルヴォルドの弱点(後述)である《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》が置かれていても勝てる。2KILLも不可能ではない。
❸:自分のデッキに《法務官の掌握/Praetor's Grasp(NPH)》を入れるだけで様々なカードを使って勝てる。
❹:場の膠着状態を打破して勝てる。
というようなものになっております。また,それぞれ勝ち手段の軸をずらすことで勝てない状況をつくらないことを強く意識しています。
もちろん,
〇《ハイラックス塔の斥候/Hyrax Tower Scout(THB)》と《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker(TSR)》の2枚コンボによる無限トークンによる無限戦闘ダメージや,
〇《双つ身の炎/Twinflame(JOU)》と《二重詠唱の魔道士/Dualcaster Mage(JMP)》(以下DCM)の2枚コンボによる無限トークンによる無限戦闘ダメージ
も検討しましたが,
キキジキルートはそれぞれが単体で非常に弱いこと,DCMルートは赤3のシンボル要求がきつかったり,自分の場にクリーチャーがいないと始動できなかったり,《双つ身の炎/Twinflame(JOU)》が手札で腐ったりすることが気になり,あげくどちらも《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》で止まるので不採用となりました。
一方,勝ち手段❷のカードは,《ウィザーブルームの初学者/Witherbloom Apprentice(STX)》は《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》に対応している点,黒いため黒の除去が届きにくい点,戦闘と魔技によってTurboNausに圧力をかけやすい点,《タッサの神託者/Thassa's Oracle(THB)》+《汚れた契約/Tainted Pact(STA)》と総マナ数が変わらないことから速度負けしない点に優位性が見られます。しかも《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》で止まりません。
《嵐窯の芸術家/Storm-Kiln Artist(STX)》は4マナと重めのクリーチャーでありながら魔技で宝物出してくれるので,実質メダリオンとして運用でき,思わぬルートから勝負を決めたりすることができるので非常に好感触です。
また,非常に有名な《食物連鎖/Food Chain(MMQ)》と《不死身、スクイー/Squee, the Immortal(DOM)》によるクリーチャー限定の無限マナからスクイーとコルヴォルドを交互に出すことでデッキを引き切り,《投石攻撃の副官/Sling-Gang Lieutenant(MH1)》の能力をスクイーを弾として無限に起動して,無限ドレインで勝つというものもあります。
②-❶ 波止場+屍技術師について(コンボ詳説)
戦場の波止場カウント※によりますが,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》+《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》+波止場を墓地に送る手段が揃うことで波止場の誘発の収支による無限宝物となります。《祝福されたエミエル/Emiel the Blessed(JMP)》や《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth(FRF)》のループと似ています。
このルートの最大の強みは,その太さにあります。
戦場と墓地に必要なパーツが揃えばインスタントタイミングで呪文を唱えずに無限宝物を生成することができることから,他人のデモコンタッサの上からでも,《沈黙/Silence(M10)》を打たれていても勝てます(②-❶-B,Cのみ)。
デモコンタッサは他のプレイヤーが全ての打消しを使ってでも止めてくる[要出典]ので,他人の妨害がなくなった上から勝利できます。
また,沈黙に至っては,白いプレイヤーが沈黙1枚でこちらの勝ちを止めようとした上から勝つことができます。
クリーチャー主体のコンボなので青いデッキの打消しでは止まりづらく(《否定の力/Force of Negation(MH2)》も《激情の後見/Fierce Guardianship(C20)》も当たりません),《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》が黒いクリーチャーで,かつ他のパーツは墓地にあってもいいので黒の除去に対しても強いこともメリットとして強調しておきましょう。
以下波止場処理装置ごとの解説をします。
②-❶-A 《スカークの探鉱者/Skirk Prospector(ONS)》
波止場カウント3で無限ループ
波止場カウント4から無限宝物
※《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》は墓地にある or 《スカークの探鉱者/Skirk Prospector(ONS)》で生け贄にすること,《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》の起動コストの(B)(2)とアーティファクト1つは別途用意することが必要です。
波止場カウントが3ならばコルヴォルドが戦場にいることで,1ループごとに4ドローできます。ここで《ウィザーブルームの初学者/Witherbloom Apprentice(STX)》と《煙霧の連鎖/Chain of Smog(ONS)》を揃えて勝ち手段❷に派生させることで勝利できます。
デッキ枚数は《激情/Fury(MH2)》,《忍耐/Endurance(MH2)》,《水蓮の花びら/Lotus Petal(TMP)》などの1回生け贄にできるカードを活用して調整してください。波止場カウントが4なら無限宝物なので好きにしてください。
②-❶-B 《波乱の悪魔/Mayhem Devil(WAR)》
波止場カウント4から無限ダメージ
※《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》は墓地にある or 《スカークの探鉱者/Skirk Prospector(ONS)》で生け贄にすること,《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》の起動コストの(B)(2)とアーティファクト1つは別途用意することが必要です。
ダメージを与えるプレイヤーは,ライフ総量が多い人からにしましょう。全員のライフを満遍なく減らせば,波止場カウントを減らさずに相手を倒すことができます。うまく調整しましょう。
《沈黙/Silence(M10)》貫通で勝てます。
②-❶-C 《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment(MH2)》
波止場カウント4から無限ダメージ
※《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》は墓地にある or 《スカークの探鉱者/Skirk Prospector(ONS)》で生け贄にすること,《無情な屍技術師/Ruthless Technomance([NEC)》の起動コストの(B)(2)とアーティファクト1つは別途用意することが必要です。
このルートは《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment(MH2)》を他の勝てるサクり台※にすることも可能です。《投石攻撃の副官/Sling-Gang Lieutenant(MH1)》で波止場を生け贄にすれば,そのまま無限ドレイン,《狂気の祭壇/Altar of Dementia(TMP)》で波止場を生け贄にすれば対戦相手のデッキを0枚にすることが可能です。
《沈黙/Silence(M10)》貫通で勝てます。
《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment(MH2)》がダメージを与える置物では最軽量ですが,相手の波止場カウントが増えることに注意が必要です。また単体で弱い点も見逃せません。
《投石攻撃の副官/Sling-Gang Lieutenant(MH1)》は食物連鎖ルートと共存させることが可能ですが,設置に4マナかかることに注意してください。
《狂気の祭壇/Altar of Dementia(TMP)》はアーティファクトであることで《研磨基地/Grinding Station(5DN)》や《オパールのモックス/Mox Opal(2XM)》とのシナジーを形成する点や,自分も対象に取れることから《死の国からの脱出/Underworld Breach(THB)》との相性のよさがあるため,単体で一番強い置物ですが,対戦相手のデッキに《真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truth(UMA)》や《運命のきずな/Nexus of Fate(M19)》などの墓地に落ちたときにデッキを修復するカードがあった場合に勝ちきれない点に注意してください。《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker(MH2)》でケアししましょう。
例外ですが,《大いなるガルガドン/Greater Gargadon(TSR)》に関しては一考の余地があります。波止場カウント4から無限宝物になるだけなので,結果として一番弱いですが,《大いなるガルガドン/Greater Gargadon(TSR)》の特性上,全体除去に強くなったり絶対に誰も触れないサクり台として輝くタイミングはあると思います。相棒に指定していいですか?《ファイレクシアの供犠台/Phyrexian Altar(INV)》はマナがでるだけなので弱いです。やめましょう。
《アシュノッドの供犠台/Ashnod's Altar(ME4)》は波止場カウント2から無限ループに入れる唯一無二なカードなのですが,それ以外が弱すぎます。やめましょう。
《臓物の予見者/Viscera Seer(CMR)》は何もしないのでやめましょう。
ま,サクり台はどいつもこいつも弱いので,私はこのルートは採用していないですけどね!!
③サンプルリストとコルヴォルドの強み
神決での反省などを反映して,さらに洗練したリストを公開します。
詳細は以下のリンクよりご確認ください。
閑話休題。
私はコルヴォルドを使って勝率を上げるために,プレイの練習のほかに,「コルヴォルドにしかない強みの分析」と「KGI・KPIの設定」をしました。けっして『コルヴォルドは「プレイする抗うつ剤である」と言われます。薬を飲むより波止場でマナを出しながらドローするほうが確実に脳汁がでます。』とかで気持ちよくなっているわけではありません。
〇「コルヴォルドにしかない強み」
コルヴォルドを使っていて感じる強みを,他の統率者と比較しながら考えると,以下の3点となりました。
A:《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》からマナ加速とドローができる点
B:フェッチランドを起動すると1ドローできる点
C:TurboNaus※1とMidrenge※2の中間として立ち回れる点
〇「KGIとKPIの設定」
コルヴォルドにおけるKGIを「勝ち手段の❶~❹のどれか1つを達成する」と定義します。
このKGIを達成するためのKPIを,普段の勝った試合やアドバンテージの観点から設定すると
・「波止場の恐喝者を2回以上戦場に出す」
・「波止場の恐喝者に1回以上アクセスする」
・「コルヴォルドが戦場にいる状態で宝物を3個以上生け贄にする」
・「コルヴォルドが戦場にいる状態でフェッチランドを複数回起動する」
などになります。KPIの設定の仕方合ってるよね……?
上記の強みA~CとKPIを組み合わせることで,より明確にコルヴォルドに関して私が考えていることを言語化できると信じて,以下解説していきます。副業で知ったKGIKPIを使って意識高いアピールしたいわけではないです。
③-A 《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》からマナ加速とドロー
昨今の統率者戦に関しては,TurboNausがアーティファクト(エンチャント)を経由してマナ加速している都合上,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》から宝物が4~5個生成されることが多いです。
ほかの赤い統率者で《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を使っても十分強いのですが,「波止場でマナだけあるんだけど手札がない!」と動きが止まってしまうことを見かけると思います。
しかし,コルヴォルドにおいては《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を使うと,宝物によるマナ加速をした挙句,ドローまでついてくるため,リソースの枯渇を防ぎながら勝利を目指すことができます。え? なんで???
この強みは,他の統率者にはないコルヴォルドの明確な強みです。よって《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》をひたすらに使い回し,骨の髄までむしゃぶり尽くすことが,そのままコルヴォルドを使った勝利に直結します。
対応KPIは
・「波止場の恐喝者を2回以上戦場に出す」
・「波止場の恐喝者に1回以上アクセスする」
・「コルヴォルドが戦場にいる状態で宝物を3個以上生け贄にする」
となることからも,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》が明確な強みといっていいでしょう。
〇《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を使い回すカード
・《再活性/Reanimate(JMP)》を始めとするリアニメイトカード
コルヴォルドのEtBによって真っ先に生け贄なるのは《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》です。墓地に落ちた《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を戦場に戻すためのカードをとにかく引いて唱えましょう。
コルヴォルドのKGIを「勝ち手段の❶~❹のどれかを達成する」と定義し,KPIを設定するならば,「波止場を2回以上戦場に出す」というのは最優先です。私が営業部長なら,部下には死んでも波止場を2回以上戦場に出すように指示します。営業したことないけど。
採用基準としては,「軽い,確実,デメリット少ない」を重視しています。《動く死体/Animate Dead(PD3)》などのエンチャント釣竿は,相手の波止場カウントを増やしてしまうデメリットがあるため,例えコルヴォルドのEtBや攻撃誘発で生け贄にすることによって2ドローできるメリットがあっても,不採用としてしています。
なお《ネクロマンシー/Necromancy(VIS)》に関しては,《沈黙/Silence(M10)》を打たれたエンドに優先権を貰えるため採用していた時期がありましたが,前述のとおり勝ち手段❶があまりにも強力すぎて,このメリットが輝かないため,泣く泣く解雇しました。
また,《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》や《死の国からの脱出/Underworld Breach(THB)》など,2回といわず3回以上《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を再利用できるカードは積極的に採用しています。
ちなみに《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth(FRF)》については,《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》より波止場カウントが1多く必要なため,解雇しました。
〇《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》へアクセスするカード
《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を使いまわすのが強力でも,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》にアクセスできなければ話にならないため,KPIとして「波止場に1回以上アクセスする」という目標も設定されています。
コルヴォルドが緑を触っている強みとして,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》にアクセスしやすいという点を上げてもいいでしょう。
特に《帝国の徴募兵/Imperial Recruiter(MH2)》については,このデッキの3/4のクリーチャーにアクセスできます。当然の権利のごとく《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》もサーチ可能です。なんでパワー2なのこいつ。ちなみに《ティムールの剣歯虎/Temur Sabertooth(FRF)》はサーチできません。
ちなみに《伝国の玉璽/Imperial Seal(PTK)》に関しては,コルヴォルドでは強く使えるほうのサーチカードなので採用したいです。再録はよ。《対称な対応/Scheming Symmetry(M20)》も強く使えるほうなので,いよいよサーチカードを増やしたくなったら入れます。現状はまぁまぁ足りている寄りなので見送っています。
ここまでをまとめると,コルヴォルドの強みを活かすために,「波止場を2回以上戦場に出す」「波止場に1回以上アクセスする」という2つの目標のもとに,波止場を最大限活用し勝利を目指せるようにカードを選定しています。ほかにもっといいカードを知っている人は教えてください。お願いします。
③-B フェッチランドを起動すると1ドロー
コルヴォルドが戦場にいるときに,フェッチランドを起動すると手札が増えます。本当です。
土地を伸ばすための動作をしただけで,なんとアドが稼げてしまうのです。
こんな芸当ができる統率者は他になかなかいません。
《ギトラグの怪物/The Gitrog Monster(SOI)》とか《アルゴスの庇護者、ティタニア/Titania, Protector of Argoth(MH2)》ぐらいじゃないでしょうか。《ウィンドグレイス卿/Lord Windgrace(C18)》はちょっと違うし……。
EDHが特殊な4人対戦のフォーマットとはいえども,「土地をおいてマナ加速する」MTGの基本は健在であるため,「土地経由でアドを稼ぐこと」は他のプレイヤーより有利になるために最適な行動であると言えます。[要出典]
私のリストは一般的なcEDHで見られる土地27~29よりも多く32枚採用していますが,本当は35~6ぐらい入れたいです。理由は後述。ちなみにマナクリを使ったマナ加速は召喚酔いに勝てません。ティムナとかを流す全体除去と一緒に死んでしまうので信頼性に欠けます。
対応KPIは
・「コルヴォルドが戦場にいる状態でフェッチランドを複数回起動する」
・「波止場の恐喝者に1回以上アクセスする」
・「コルヴォルドが戦場にいる状態で宝物を3個以上生け贄にする」
になります。(3つ目は後述)
さて,「フェッチランドを複数回起動する」ために必要な要素には何があるでしょうか。答えは単純明快です。「フェッチランドの枚数を増やすこと」です。とは言っても《進化する未開地/Evolving Wilds(ZNC)》や《ジャンドの全景/Jund Panorama(C18)》などのお安い限界フェッチランドを増やす,ということは現実的ではないです。
フェッチランドの枚数を増やすために
・「フェッチランドの定義拡大」
・「フェッチランドのセットランド回数を増やす」
・「フェッチランドを使いまわす」
の3点からアプローチしました。その結果お安い限界フェッチを使わずに「フェッチランドの枚数を増やす」ことが実現しています。
「フェッチランドの定義拡大」とは,「土地の効果の起動コストに自身を生け贄にするものをフェッチランドとすること」です。(暴論)もっともコルヴォルドにおけるフェッチランドとはすなわち「自身を生け贄にする土地」であるということですが……
通常3色の統率者では色が合うフェッチランドを9種類(《虹色の眺望/Prismatic Vista(ZNE)》まで採用すると10種類)しか採用できませんが,この定義の拡張により,なんと16種類も採用することが可能になります。これにより,フェッチランドの複数回起動が非常に現実的になります。
「フェッチランドのセットランド回数を増やす」ことは非常にシンプルです。《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking(M21)》や《踏査/Exploration(2XM)》などの「追加セットランドカード」を使うだけです。
追加セットランドカードを採用している都合,土地枚数は多ければ多いほど良いです。本当に36枚ぐらいいれたい……でも枠が足りない……
《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking(M21)》は《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》や《発掘/Unearth(A25)》からもアクセスできる点,緑マナ+マナクリプトなどから簡単に設置できる点,追加回数がえげつない点から採用しました。
《踏査/Exploration(2XM)》は最軽量かつ要らないときはコルヴォルドで食べられることからも,相手の波止場カウントを増やすデメリットに目をつぶって採用しました。
後述しますが,コルヴォルドでMidrengeとして振る舞うときは,基本的に土地を伸ばすプランを採用して,相手の波止場の価値を極力下げつつ波止場カウントが4になるまで待ちます。
実は,このMidrengeプランを採用しているときに,追加セットランドカードやフェッチランドと強力なシナジーを形成するカードがあります。
それが《不屈の補給兵/Tireless Provisioner(MH2)》です。上陸によって宝物を生成する能力は,コルヴォルドにおいては元ネタの《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZNR)》や《不屈の追跡者/Tireless Tracker(SOI)》の5000兆倍は強力です。
他のプレイヤーが《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を警戒してアーティファクトによるマナ加速をためらっている間に,
追加セットランドカード+《不屈の補給兵/Tireless Provisioner(MH2)》+フェッチランドを組み合わせることで1人だけ異次元のマナ加速を行うことが可能です。
「コルヴォルドが戦場にいる状態で宝物を3個以上生け贄にする」KPIを波止場を経由せずに達成できるカードです。
皆さんお気づきの通り,《不屈の補給兵/Tireless Provisioner(MH2)》も《迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking(M21)》と同様に《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》や《発掘/Unearth(A25)》からもアクセスできる点,緑マナ+マナクリプトなどから簡単に設置できる点が共通しています。
「フェッチランドを使いまわす」ことについても非常に単純です。使ったフェッチランドを墓地から回収すればいいのです。
《壌土からの生命/Life from the Loam(UMA)》は,フェッチランドを回収するだけでなく,コルヴォルド専用の《死の国からの脱出/Underworld Breach(THB)》ルートを形成するコンボパーツです。
序盤に使い道に困った《納墓/Entomb(EMA)》や《ギャンブル/Gamble(USG)》は,だいたい《壌土からの生命/Life from the Loam(UMA)》を落として土地伸ばしMidrengeプランを進めます。
《ラムナプの採掘者/Ramunap Excavator(CMR)》は前述の《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》や《発掘/Unearth(A25)》からもアクセスできる世界のるつぼです。弱いはずがない。
《レンと六番/Wrenn and Six(MH1)》は他2枚よりもデッキ全体との噛み合いが悪いカードですが,神河の魂力土地との噛み合いが非常によいので採用しています。《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures(NEO)》と《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire(NEO)》の両方を採用していることで,《壌土からの生命/Life from the Loam(UMA)》か《レンと六番/Wrenn and Six(MH1)》のどちらかで墓地にアクセスできるようにしています。
《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures(NEO)》は期待の新星として《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》や《無のロッド/Null Rod(WTH)》,《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle(USG)》を粉砕する業務に邁進しております。
《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire(NEO)》は《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を回収するための沼です。
ちなみに《世界のるつぼ/Crucible of Worlds(M19)》はさすがになんもシナジーを形成しなかったので採用しませんでした。他人の波止場に寄与しちゃいますしね。
ここまでをまとめると,フェッチランドの活用を重視したカード群には緑のカードが多く,コルヴォルドが緑のカードを取れるメリットを十分に享受できるものであるということです。緑が入るメリットが十分あります。
「フェッチランドを起動して1ドロー」の強みについて十分ご理解頂けたかと思います。ほかにもっといいカードを知っている人は教えてください。お願いします。
③-C TurboNausとMidrengeの中間での立ち回り
前述のA,Bとはちょっと趣旨が異なりますが,ここではデッキの立ち回りの持論を解説させていただきます。
私はコルヴォルドの強さの本質は「TurboNausとMidrengeの中間であること」なのではないかと考えております。
コルヴォルドは《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》によるマナ加速から大量ドローをして勝ち手段を揃えるTurboNausの要素と,フェッチランド起動から継続的に生まれるカードアドバンテージから妨害対策を構えつつ勝ち手段を通すMidrengeの要素を併せ持っているのです。
言語化しずらいため,私の独断と感覚で概念をお伝えします。
「コルヴォルドが不当に強く見える恣意的なグラフだ!」というご指摘はごもっともですが,分かりやすさ重視ということでご理解を賜ればと思います。
TurboNausに妨害が飛んだあとに,Midrengeが走りだす前の隙間で勝利を目指すデッキとして立ち回るときが,もっともつよいです。
『最速TurboNausは他のデッキが何とかしてくれることを祈りつつ,隙を見つけてライフに圧力をかけ,Midrengeが妨害札を2~3枚構え始める前に勝利する』と言い換えると,ご理解いただけますでしょうか。
なんと神決のデータの裏付けも取れました。(恣意的に解釈しています。)
実際私が神決の予選ラウンドの勝利も,2番手で2勝,3番手で1勝となっております。2番手になったときの勝率は100%でした。(幸運にも2回1番手となりましたが,どちらも敗北しおります。ちなみにそのゲームは2番手のプレイヤーが勝利しています。)
コルヴォルドはTurboNausとMidrengeの中間で最も強いことが少しでも伝わりましたでしょうか?
今後c卓でのマッチアップのデータを収集して,統計的でこの概念を補強する説明ができればいいなと思っています。
ちなみに,私のリストでは《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》を採用せず,《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss(M21)》を採用しているように見えますが,きちんと《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》も採用していますよ。
もう分かりですよね?
オリカ《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》です。
パワーが12ぐらいまで育ったコルヴォルドくんを屍技る※とまるで《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》と色が出る《チャネル/Channel(STA)》が同時にきたかのような,非常に激しい動きができます。そのまま押し切って勝ちます。
KPI「コルヴォルドが戦場にいる状態で宝物を3個以上生け贄にする」を容易く達成できます。
ここまでをまとめると,「コルヴォルドはログテヴェとティムクラの隙間で強い,2番手最強統率者である」,「《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》は《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》である」ということです。※ただしコルヴォルドに限る。ご理解いただけますと幸いです。
私は正気です。ご理解ください。私は正気です。
③補遺 強力なカードだがコルヴォルドと噛み合わないカード
こちらの補遺では,コルヴォルドと色は合うものの,私のコルヴォルドデッキではいまいち噛み合いが悪かったカードを紹介していきます。
ご自身のコルヴォルドの採用カードと比較して,ご一考ください。
私の考えが浅い場合は,ぜひご指摘ください。本当に他のコルヴォルドユーザーとの意見交流に飢えてます。
連絡先はこちらです。
・《Wheel of Fortune(3ED)》
→自分が7枚引けたり,死の国の活用で強いけど,他のプレイヤーに合計21枚献上するのはどうなの?
このカードって《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》と一緒に使うんじゃないの?さすがに《落葉の道三/Dosan the Falling Leaf(CHK)》は弱いよ。
・《選別の儀式/Culling Ritual(STX)》
→緑と黒マナがいっぱい出るの気持ちいいし,ここから《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》なり《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss(M21)》につなげたら強いね!でもこのカードつかうと波止場カウント0になっちゃうね…… あれ?《選別の儀式/Culling Ritual(STX)》と《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》の2枚がそろってないと弱くない?
・《食物連鎖/Food Chain(MMQ)》
→前述通り。メリットは感じるものの,「要求スロット」と「単体の弱さ」の両方が気になってしまいます。
食物連鎖を使いたいからコルヴォルド組んだのに……
「最後に使いたいカードをデッキから抜いたら完成です」ってネタじゃなかったんだね……
・《ジェスカの意志/Jeska's Will(CMR)》
→コルヴォルドがぶん回ってるときにめちゃくちゃ強い。あれ?コルヴォルドが回ってるときって補助いらなくない?《ジェスカの意志/Jeska's Will(CMR)》が強いんじゃなくてコルヴォルドが戦場にいることが強いんだわ。
・《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle(USG)》
→コルヴォルドはクリーチャーが並ぶデッキじゃないんで^^ コルヴォルドでは値段ほどの価値を見出せません。
・マナクリーチャー各種
→前述のとおり,「召喚酔い」「ティムナ掃除に巻き込まれる」の2点のデメリットが,「2T3マナ」「コルヴォルドで食べられる」メリットを上回ったので,ほとんど入れていません。
例外は1マナPWこと《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》と生きている《炎の儀式/Rite of Flame(CSP)》こと《ほくちの壁/Tinder Wall(ICE)》だけです。最後まで粘っていた《下賤の教主/Ignoble Hierarch(MH2)》さんも,先日《嵐窯の芸術家/Storm-Kiln Artist(STX)》に席を譲りました。
そもそもジャンドのマナ加速って,波止場とアーティファクト,追加セットランドで事足りません?
・《敏捷なこそ泥、ラガバン/Ragavan, Nimble Pilferer(MH2)》
→ラガバンの賞味期限(1T~2T)とコルヴォルドの動きが噛み合わない。すぐティムナ立つ。コルヴォルドにおけるラガバンの強みは宝物生成の部分なので《一攫千金/Strike It Rich(MH2)》で良くない?安いし。しかもFBすることで,コルヴォルドでチェインコンボしてるときの「マナはあるけどカードがない」って極限状態で一攫千金を狙う1ドローになるし。
・《特別観覧室/Luxury Suite(ZNE)》シリーズ
けっこうみんないれてるけどさ,コルヴォルドだとフェッチ先がすっごく必要だから基本土地タイプもってない土地入れたく無くない?
・《猿人の指導霊/Simian Spirit Guide(TSR)》と《Elvish Spirit Guide(ALL)》
コルヴォルドでカード引いてるときってマナ出てますよね?こいつら過剰じゃないですか?
・《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》
そもそも論ですが,EDHのデッキって,デブカードいっぱい入ってたほうが太くて強くないですか?攻めが細いデッキって嫌いなんですよね。すぐぽっきり逝くし。昔ラザケシュとかコグラまで入れてたぐらいですよ。さすがに小回り効かなすぎたのでダイエットしました。《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》のドロー力は魅力的ですが,より確実にカードを引ける《深淵への覗き込み/Peer into the Abyss(M21)》のほうが強くないですか?とか言ってたら《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》が印刷されました。さよなら《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》
あ,いま《船殻破り/Hullbreacher(CMR)》が居ないのも,わざわざ《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》を選択しない理由ですね。
・《最後の賭け/Final Fortune(MIR)》つかうの下手くそなんで抜きました。そもそも最後の賭けする前に波止場グルグルして勝ちましょうよ。波止場が強いときって対戦相手が悪いんだしさ。俺は悪くねぇ。
④ コルヴォルドの弱み・弱点
ここまでひたすらコルヴォルドの強い点を列挙してきましたが,コルヴォルドの脆いところ,骨身に染みて理解しております。
コルヴォルドに勝ちたい人は以下全部いれたスタックス作ってください。ティムナクラムに絶対勝てませんから。
④-A 《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》
本当に心の底から大っ嫌いなカードです。ほんと嫌い。ほんと嫌い(エコキー)。ほんとにほんとにほんとにほんとに大っ嫌い(累加アップキープ)
現状のリストは,コルヴォルド・《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》,《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》といったEtBによるシナジーを中心に構成してるため,EtB封じの《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》は致命傷です。
このカードをどかさない限り,4番手になったときよりも勝てません。
《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》,ほんとすげえカードですよね。《タッサの神託者/Thassa's Oracle(THB)》も《軍団のまとめ役、ウィノータ/Winota, Joiner of Forces(IKO)》のガチャSSRも止まりますからね。
たちの悪いことに,《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》はコルヴォルドがほかのどの統率者よりもぶっ刺さっているので誰も助けてくれません。
憎いウィノータに恥を忍んで政治しても相手してもらえません。無念。
④-B 《無のロッド/Null Rod(WTH)》・《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe(MH1)》
アーティファクトの起動型能力が使えなくなってしまうと,宝物トークンを生け贄にすることができません。コルヴォルドによるドローが止まってしまいます。やめてください。
このカードをどかさない限り,4番手になったときよりも勝てません。
救いがあるとすれば,嫌がる人が多いからほかのプレイヤーが何とかしてくれることもあったりすることです。
④-C 《金粉のドレイク/Gilded Drake(USG)》
コルヴォルドが自分の戦場にいないと何もできないデッキなので,《金粉のドレイク/Gilded Drake(USG)》や《裏切りの工作員/Agent of Treachery(M20)》などでコントロールを取られるとおしまいです。
④-D 自分より早いTurboNaus
コルヴォルドは色の都合で自分より早い《むかつき/Ad Nauseam(2XM)》デッキに対してライフをちょっとでも削るぐらいしかできることができません。他のプレイヤーに何とかしてもらえるように祈ります。
祈りが通じれば何とかなると思います。
④補遺 嫌なカード一覧
ここでは,コルヴォルドを使っていて嫌なカードを紹介していきます。
・《沈黙/Silence(M10)》
気持ちよくなりたいのに気持ちよくなれないの本当にキツイです。
・墓地対策カード
《安らかなる眠り/Rest in Peace(RTR)》や《ダウスィーの虚空歩き/Dauthi Voidwalker(MH2)》など軽量でずっと墓地を止めてしまうカードは,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を使いまわせなくなってしまうのでキツイです。
《トーモッドの墓所/Tormod's Crypt(M21)》や《フェアリーの忌み者/Faerie Macabre(SHM)》などでピンポイントで《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を追放されるのも大分悲しくなってしまいます。
・《ドラニスの判事/Drannith Magistrate(IKO)》
???「私たちのコミュニティでは嫌な思いしてないから」でお馴染みの未だに野放しにされている判事。さすがにコルヴォルド出せないのキツイです。ドラニス置いた人,すぐティムナとか出してアドかせぐし……
周囲のヘイトも最高潮にぶちあがるので誰か何とかしてくれます。
・土地をタップインさせるカード
《根の迷路/Root Maze(10E)》や《宿命/Kismet(4ED)》,《エメリアのアルコン/Archon of Emeria(ZNR)》などに代表される土地をタップインさせるスタックスカードは,フェッチランド中心のデッキであるため,テンポが悪くなってしまいます。具体的には勝ち手段を叩きつけるのに,追加で5ターン以上多くかかるようになってしまいます。
まぁ,他のプレイヤーも遅くなるので致命傷足りえないのが救いです。
・アーティファクトをタップインさせるカード
前述と同様にアーティファクトがタップインになると,生成した宝物トークンを起動するタイミングが1ターンずれてしまいます。
・《不同の力線/Leyline of Singularity(GPT)》
一見ギャグみたいに見えますが,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》を使わないデッキでは問題なく採用できる最高峰の波止場対策カードです。宝物が1つしか出ないのはキツい……そこのティムクラさん,採用してみたらちょっといいんじゃない?テヴェシュのスラルも1つしかでないし。
・キャスト制限カード
《エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist(MMA)》,《法の定め/Rule of Law(MRD)》系統のカードは非常にテンポを阻害されてキツいです。
まぁ,《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》のおかげで脱法しやすくなったので以前ほどはキツくなくなりました。
ちなみに《耳の痛い静寂/Deafening Silence(ELD)》はお友達です。ほとんど刺さりません。置いてくれるウィノータとは仲良くしましょう。
⑤ 弱点克服カード
私のコルヴォルドはEtBと墓地利用に特化させた構築となっているため,致命傷を集中させています。
対戦相手からみて,「《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》を置けば止まる,アーティファクトが動かなくなれば止まる,墓地対策すれば止まる,」と見えるように構築しています。
そのように相手からの妨害の種類を絞ることで,自分の妨害対策カードの役割をはっきりさせています。
以下コルヴォルドが前述の弱点を乗り越えて戦えるカードの紹介をします。
・《辺境地の罠外し/Outland Liberator(MID)》,《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures(NEO)》
チーム置物対策班です。緑の置物対策カードには,《再利用の賢者/Reclamation Sage(TSR)》などEtBで置物を破壊できるものがありますが,《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》下では仕事をしないためコルヴォルドには噛み合いません。
《辺境地の罠外し/Outland Liberator(MID)》は,《苛性イモムシ/Caustic Caterpillar(ORI)》の後釜として印刷されてからずっと使っていますが,置物破壊のコストが(1)と非常に軽量で小回りが利くのがよいです。《苛性イモムシ/Caustic Caterpillar(ORI)》と違って起動に緑マナを要求しないのがいいですね。コルヴォルドが戦場にいると(1)で1枚カードを引けるのも,チェインコンボをつなげているときに役に立ちます。《緑の太陽の頂点/Green Sun's Zenith(MBS)》を始めとするサーチで無理なく戦場に出せる点も最高です。
また,裏面の《激情の罠破り/Frenzied Trapbreaker(MID)》は戦闘に参加するだけで,お手軽に相手の置物を割れるのも魅力的です。
ちなみに自分の上家プレイヤーがスタックス置物に苦しそうにしているとき,「夜にしてくれたら,好きな置物割ってあげるよ……?」と協定を結ぶこともできます。EDHの協定なんて次のターンには破られますがね。《耐え抜くもの、母聖樹/Boseiju, Who Endures(NEO)》は《自然の要求/Nature's Claim(TSR)》の後釜として使用しています。もみ消し系統以外で止まらない信頼性が非常に高い置物対策で,大変便利です。
他のプレイヤーの《ガイアの揺籃の地/Gaea's Cradle(USG)》や《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord(CHK)》などの厄介な土地まで触れるので,ありがたいツールです。
ちなみに適当にセットランドして緑マナを堪能したあとにコルヴォルドで食べちゃうことで《壌土からの生命/Life from the Loam(UMA)》や《レンと六番/Wrenn and Six(MH1)》の再利用も視野にいれておきましょう。
・《削剥/Abrade(VOW)》,《突然の衰微/Abrupt Decay(TSR)》
ここの枠は参加するトーナメントによって変わったりしますが,現状はこの2枚体制です。
MV3以下かタフネス3以下のクリーチャーやアーティファクトを割るのに重宝しています。
ウィノータのガードを上げるときには4点まで飛ばせる《感電破/Galvanic Blast(SOM)》や《電圧のうねり/Voltage Surge(NEO)》に差し替えたりしてました。今は《激情/Fury(MH2)》を試してます。
・《呪われた鏡/Cursed Mirror(C21)》
さすがにコルヴォルドのコントロールを奪われて手も足も出なくなっちゃうのはまずいんで,お試し中の1枚。
死んでも《家路/Homeward Path(CMD)》は入れたくないです。あの土地マジでなんもしないもん。
《呪われた鏡/Cursed Mirror(C21)》くんなら,なんもないときは波止場のコピーとして戦場に送り出していいし,パクられたコルヴォルドになってめちゃくちゃしたあと,奪ったプレイヤーの命を刈り取って,本物のコルヴォルド返してもらえばいいもんね!
机上の空論にならないことを祈ってます。
・《難問の鎮め屋/Vexing Shusher(SHM)》
Midrengeが打消しをたくさんもってるときなどに,疑似《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》として運用したり,序盤ポン置きして政治ツールに使ったりできるようにしています。
本当は《堂々たる撤廃者/Grand Abolisher(M12)》使いたいんです!
最悪《スカークの探鉱者/Skirk Prospector(ONS)》やコルヴォルドで食べちゃうことも可能なのが偉いです。
・勝ち手段❷
大マジです。
《倦怠の宝珠/Torpor Orb(NPH)》も《安らかなる眠り/Rest in Peace(RTR)》も貫通して勝てます。《無のロッド/Null Rod(WTH)》も問題なし(初学者だけ)!!!
コルヴォルドの動きが鈍いときには全力で揃えて勝ちに行きましょう。本当に《ウィザーブルームの初学者/Witherbloom Apprentice(STX)》さんにはいつもお世話になっております。
《嵐窯の芸術家/Storm-Kiln Artist(STX)》のおっさんはヌルロアウフがちょいきついね。
・《フェイに呪われた王、コルヴォルド/Korvold, Fae-Cursed King(ELD)》
はい。記事のオチです。
どーしようもないときでも統率者パンチに希望を託しましょう。
⑥おわりに
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
私が現在認識しているコルヴォルドについて,すべてを開示いたしました。
これが正しいというつもりは毛頭ございません。
皆さまのお考えなどお聞かせいただければ幸いです。
この記事をまとめますと,《波止場の恐喝者/Dockside Extortionist(C19)》と《無情な屍技術師/Ruthless Technomancer([NEC)》はコルヴォルドのオリカです。
もしご不明な点がございましたら,私にわかることならお答えしますので,私のTwitterまでお気軽にお問い合わせください。
また,この記事が参考になった方,ぜひ記事を購入していただけると,あたらしいカードの購入代金になります。(笑)
以上になります。お付き合いいただきありがとうございました。
またどこかで。
八雲みつ
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