「モンゴルにアルバイトの文化とノウハウを広めたい」OnedayJOBはジョブマッチングと人材育成でモンゴルの雇用変革に挑む!
モンゴルの注目スタートアップを発信するこのnote。
第1弾は、ジョブマッチングサービスを展開するOnedayJOBでHead of Salesとして活躍されているゾルボーさんにインタビューしました。
【会社概要】
社名 :OnedayJOB LLC
分野 :人材サービス(人材紹介、育成等)
HP :https://www.onedayjob.mn/
Facebook:https://www.facebook.com/onedayJOBmn/
設立年月 :2020年5月
従業員数 :3名
■ Zolboo Chinbat(ゾルボー・チンバット) Head of Sales
イフザサグ国際大学卒業後、京都学園大学へ留学。タブソリューション株式会社(*1)を経て、2020年6月よりOnedayJOBに参画。同社では新規クライアントとなるモンゴル国内企業への営業・マーケティングを統括。体操競技ではモンゴル代表として世界大会に出場、銅メダル獲得という輝かしい実績を誇る。
(*1) タブソリューション株式会社:日本で外国人雇用に特化した人材マッチングサービス「JOB&WORK」や偽造在留カードチェックアプリ「ロムテン」を展開するモンゴル発スタートアップ。詳しくはコチラ
・起業のきっかけ
日本では見慣れたジョブマッチングサービスですが、モンゴルにはそもそもアルバイトやパートタイムの仕事自体があまり普及していないようです。そんなモンゴルの雇用を変えたい!と意気込むゾルボーさんに、まずは起業のきっかけについて伺いました。
ゾルボー「起業のきっかけは、モンゴルにアルバイトの文化とノウハウを広めるためです。モンゴルでは、日本のようにアルバイトの文化が浸透していません。企業が従業員に給与を払わないといった雇用側の問題もあれば、採用したアルバイトの勤務態度、接客スキルが不足しているといった被雇用者側の問題もあります。募集形態は新聞の求人情報やSNSが一般的で、質の担保された雇用主と被雇用者のマッチングプラットフォームが今までは存在しませんでした。その課題を解決するのが私たちOnedayJOBです。」
・サービス内容・進捗
一見普通のアルバイト検索アプリと同じように見えますが、OnedayJOBが提供するサービスには以下のような特徴があります。
① 求職者の登録情報を一元管理
② 企業と求職者による相互評価システム
③ OnedayJOBによる給与支払い
【OnedayJOBのビジネスモデル (B to C向け)】
ゾルボー「メインターゲットとしては、レストラン店員、工事の現場作業員といった主にブルーカラーの求人にフォーカスしているのが特徴です。いわゆるホワイトカラーと呼ばれる事務系正社員の採用であれば、日本と同様履歴書を持参して正式な採用プロセスを踏むため、入社後のミスマッチングは比較的少ないですが、パートタイムとなると雇用主/被雇用者いずれも信頼性が低く、労使トラブルが多いのが現状です。そこで、OnedayJOBが良質なプラットフォームとして介在することで円滑なジョブマッチングを実現しています。現在登録企業様は約250社、アプリのダウンロードは2万件を記録し、実際に7千人が当社経由で仕事にアプライ頂いています。
また、求人アプリの他にフリーランスに特化したプラットフォーム、日本で働きたい人向けのキャリア支援、職業訓練研修といった各種サービスも展開しています。」
・今後の展望
今後ますますの成長が期待されるOnedayJOBですが、最後に今後の展望について伺いました。
ゾルボー「モンゴルでは優秀なIT人材が増えています。弊社でも優秀なエンジニアが多数活躍しており、アプリ開発は順調に進んでいるので、今後は求人アプリを軸としつつ、職業訓練研修や日本語習得プログラムといった人材育成に関するサービスの拡充にも注力していきます。
モンゴルにおける人材サービス業界の市場規模は、およそ100億トゥグルグ(=約3.5億円)と言われています。若い世代が増えているこの国の成長分野で、まずは来年までに市場シェア10%を獲得したいと考えています。」
・インタビューを終えて
モンゴルで特に根深い雇用問題を抱えているのがゲル地区。住民の約38%が貧困層との推定値(同社調べ)もあるそうです。しかも勝手なイメージでは「遊牧民の方は定住せず、大学にもあまり行かない」ものだと思っていましたが、大学進学率も低くないとのこと。
ではなぜ貧困率が高いのか?一つの要因としては、政府の生活保護が比較的手厚く、敢えて働かなくても生活できるため自ら働く意欲が低い、大学を卒業してまで低賃金で働きたくないという人が多い、との興味深いお話もありました。OnedayJOBのサービスが、貧困層の生活状況改善やフリーランスの定期的な収入確保に寄与し、モンゴルの雇用変革を実現することを応援しています!
モンゴルの広大な自然とゲル
(※実際のゲル地区は首都ウランバートルの北西部に密集しています)
取材・文責:みつ (@Mitchy_UB)