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短編小説[逆さの街]2話

短編小説[逆さの街]
第二話 宙に浮かぶ建物

「大丈夫、もう少し」
少女は、自分に言い聞かせている…

遠くに見える建物の屋上が、まるで空中に浮いているかのように見える。

そこには街の人々が、逆さに建った家々の間を歩き、荷物を運び、時には笑い合っている。

少女もそれに加わりたくて、毎日のように歩き続けている。

でも、少し足を踏み外しただけで、何もない空間に吸い込まれそうになるのだ。

彼女はゆっくりと、空中を漂うように歩く。

つづく

最後まで読んでいただきありがとうございます😭

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