アラフィフおじさんのペーパードライバー克服記 ~失われた30年を取り戻せ!
はじめに
タイトルのとおり、私はペーパードライバー歴約30年でした。
「でした」と書いたのは、昨年からペーパードライバー克服に向けてあれこれと足掻き、最近ようやく「克服できた…かな?」と思えてきたので、一応過去形で書いてみた次第です。
この『note』では、私の免許証取得からペーパードライバー克服までの過程をご紹介いたします。
ちょっと長い記事になってしまいましたが、もし同じ境遇の方がいらっしゃいましたら、参考にしていただけると幸いです。
ちなみに、私のプロフィールは以下の記事にざっくり書いていますので、お時間があれば併せてご覧いただければと思います。
私のペーパードライバー遍歴
免許証取得まで
私が自動車免許を取得したのは、二十歳になるかならない頃だったと思います。
車にまったく興味はなかったのですが、親が「お金出してやるから今のうち(就職する前に)取っておけ」と言うもので、仕方なしに教習所に通い始めました。
当時は、オートマ(AT)限定免許が始まったばかりだったと思いますが、車に興味は無いながらも「男たるものマニュアルだろ」と、たいして深く考えることなくMT車教習を選択しました。
坂道発進、クランク、車庫入れ・・・
学科はテスト含めすんなり進めたものの、実際の運転講習は散々で、なかなかハンコがもらえず、AT車講習にしなかった自分を何度呪ったことでしょう。
車の運転に対する興味のなさも影響したのでしょうが、そもそも運転センスがなかったのかも知れません。
実地講習にかなり苦戦して多分普通の方より長い期間を費やしましたが、なんとか卒検まで進め、試験も一発でクリアでき、就職前に無事免許証を取得することができました。
空白の30年
無事に免許証を取得できたとはいえ、やはり私自身の車への興味は相変わらず。
取得後、父に「運転してみろ」と言われて近所をほんの少し走ったことがありましたが、曲がり角ではハンドルを回しすぎて方向が定まらなかったり、助手席の父や後部座席の母から"やいのやいの"と捲し立てられたこともあり、運転に対する恐怖心もあってか、すっかり運転する気は失せました。
そもそも車がなくとも日常生活を送れる地理的環境に住んでいたということもあり、私の『免許証』は、数年に一度更新料を支払う『公的証明書』へと姿を変えました。
その後、何の気まぐれか「ちょっと運転してみようかな」と思いたち、父を隣に乗せて運転をしてみたことがありましたが、やはり恐怖心から、ほんの数メートル走っただけでギブアップ。
気がつけば、免許証を取得してまもなく30年を迎えようとしていました。
ペーパードライバー脱却を決意
『免許証』は、もう死ぬまで『公的身分証明書』扱いでいいやと思っていた私ですが、昨年「とあること」がきっかけとなり、運転再開を決意しました。
父の他界にともない自家用車は処分しており、家に車はない状況でした。
そんな状況で運転再開を決意した理由は、母の脚(膝)の痛みでした。
前年よりその兆候はあったのですが、膝の痛みにより、一時歩くことが困難な状況となりました。
この状況は一時的なもので徐々に回復してきたのですが、またいつ
再発するかもわからず、そうなる前に、母の外出の足として車の運転ができるようになっておかなければ、と思い立った次第です。
しかし、こちとらかなり年季の入ったペーパードライバー。
ちょっとやそっとじゃ克服できんぞ、と。
しかも家に車はもう無い。
「さて、どうしよう」と考え、とにかく車はすぐに買えるものではないのでいったん忘れて、まずは「運転」ができる状態になろう、と決意。
ネットで、ペーパードライバー講習について調べました。
ペーパードライバー出張サービスや、通える距離にある自動車教習所のペーパードライバー講習などを比較検討した結果、電車で通うことにはなるものの、とある自動車教習所の「ペーパードライバー講習」を受講することに決めました。
ペーパードライバー克服記(教習所編)
いざ、ふたたびの教習所へ
私が免許証を取得したときに通った教習所は、家からほど近い場所にある教習所でした。
かつて通った教習所でもペーパードライバー講習を受け付けているようでしたが、正直あまり良いイメージを持っていなかったこともあり、電車で通う必要はあったものの別の教習所のペーパードライバー講習を受けることにしました。
今回私が通った教習所のペーパードライバー講習は、1時限(50分)6,600円(税込)で受講できました。
1年間という期限付きではありましたが、特に回数に決まりはなく、本人が「もう大丈夫」と思ったら終了(といっても通わなければいいだけ)というもの。
講習内容も、あらかじめ決まっているわけではなく、本人の要望や運転レベルに応じて当日教官が内容やコースを柔軟に決めていただけました。
30年ぶりに運転席へ
入校の手続きをして、いざ、第1回目の講習へ。
担当していただいた教官に約30年運転していないことを伝え、まずは助手席に座り、教官の運転で教習所内を一周。
車を停め、「じゃあ、運転席へ」と教官。
「・・・はい(もうっすか?)」
恐る恐る運転席に座ると、「じゃあ、一周してみましょう」と教官。
「・・・(アクセルは)右でいいんでしたっけ?」
恐る恐る訪ねると、「そうですね(笑顔」とサラッと。
約30年ぶりに踏むアクセル。
(おぉ、動いた)
一度動き始めると、助手席に教官(というか補助ブレーキ)がいるという安心感も手伝い、徐々に落ち着きを取り戻し、運転の感覚も蘇ってきました。
恐怖心しかなかった曲がり角も、最初はぎこちなかったものの、教官のアドバイスに従い徐々にスムーズに曲がれるようになりました。
とにかく、久しぶりに味わう緊張感でしたが、第1回目のペーパードライバー講習は、教習所内の慣らし運転で終了となりました。
教習所から外の世界へ!
緊張の第1回目の翌週。
2回目のペーパードライバー講習を受講しました。
「どうします?外に出ますか?」と教官。
「・・・大丈夫ですかね?」と私。
ちなみに、前回とは異なる教官が担当でした。
私が不安がっていたので、前回担当していただいた教官と相談をされた結果、「行ってみましょうか」と。
2回目にして早くも教習所の外へ出ることになりました。
(とにかく平常心、落ち着こう)と自分に言い聞かせ、教官の言葉を一言一句聞き逃さないよう耳を傾け、教習所の外へ出ました。
いざ外へ出てみると、意外や意外、(かなり恐る恐るではあったものの)落ち着いて運転することができました。
交差点で右折するタイミングであったり、路肩に駐停車している車を避けるケースだったりと、まだ練習が必要な箇所は多々ありましたが、なんとか無事に教習所まで戻ってくることができました。
その後も、1週間あるいは2週間おきに通い、駐車も含め練習を重ねていきました。
徐々に運転に自信もついてきたこともあり、6回目の講習を最後にペーパードライバー講習を終えることにしました。
欲を言えば高速道路の講習も受けたかったのですが、そうそう高速道路を運転する機会も無いと思い、パスすることにしました。
現代(いま)の教習所はものすごい親切!
ということで、生涯2回目の教習所生活にピリオドを打ったわけですが、最後に「教習所」のイメージについてお話をしたいと思います。
私と同世代の皆様、「教習所」ってどんな感じでしたでしょうか。
私は、(運転センスがなかったというだけかも知れませんが)とにかく教官が厳しく、何度も怒られた「嫌なイメージ」しかありません。
ですが、前項でも講習模様を少し書きましたが、現代(いま)の教習所の教官は、とても優しい!
計6回通い、5名の教官についていただきましたが、どの教官も本当に親切で、教え方も丁寧・優しく、運転センスのない私に辛抱強く説明していただきました。
もし、「教習所」という場所に嫌なイメージを抱かれていて、ペーパードライバー講習を敬遠されている方がいらっしゃいましたら、(もちろん教習所にもよると思いますが)思い切って足を踏み入れても良いのではと思います。
ペーパードライバー克服記(ソロ運転編)
運転はできるようになったけど…
教習所のペーパードライバー講習に区切りを付けた私ですが、残念なことに車は持っていません。
運転に少し自信はつきましたが、運転するモノ(車)がなければどうしようもありません。
かといって、すぐに車を購入・維持するほどの金銭的余裕もない状況。
さてどうしよう、と考えた結果、ひとまずは『カーシェア』サービスを利用することにしました。
タイムズカーを契約
私が契約をしたのは、駐車場でおなじみの『タイムズカー』。
月に一度も利用しなければ月額880円。
車を利用した場合、短時間であれば15分220円で借りることができるサービスです。
(ガソリン代も価格に含まれています)
ただ、残念なことに、私が住んでいる家の近所には車を借りられるステーションはありませんでした。
とりあえず今後近所にステーションが出来る(借りられる車が配備される)ことを期待しつつ、それまでは一番近くのステーションまで電車で移動して運転を練習することにしました。
「ソロ運転」に初挑戦!その結果…
自宅最寄り駅から電車で数分の場所にある車を予約し、いざ、はじめての『ソロ運転』へ。
緊張の面持ちで予約した車が停められた駐車場まで向かいました。
予約した車は、トヨタ『ヤリス ハイブリッド』。
最初から大きな車は厳しいと思い、比較的運転しやすそうな小型乗用車を予約しました。
予約していた車を見つけ、カードをかざして乗車。
キーを取り出し、事前に『タイムズカー』のYouTube動画(※)で予習したとおり、電源をONにしてシート位置やミラー等もろもろを調整。
※タイムズカーのYouTubeでは、車種ごとに使用方法を解説した動画が公開されています
ハンドブレーキを解除し、ギアを「D(ドライブ)」に入れていざ出発!
という段階になったとき、急に『車内にひとりだけ』という現実に気付き、「大丈夫だろうか…」「どこかぶつけたりしないだろうか…」という恐怖感に襲われました。
とりあえず、踏み込んでいるブレーキを緩めてみよう、と恐る恐る右足をゆっくり浮かせると、AT車なので当然そろりと車が発進。
(・・・ダメだ!)
と、ブレーキ!
とりあえず、ギアをバックに入れて駐車スペースに車を戻しました。
その後、何度か同じことを繰り返すも、結局恐怖心は抜けきれず。
かつて隣に座ってくれた父や、教習所の教官という存在の偉大さを思い知りました。
結果、駐車場から一度も外に出ることなく、心が折れて電源OFF。
返却の手続きをして、車を後にしました。
人生初のソロ運転は失敗に終わり、敗北感に包まれて電車で家路へ着きました。
タイムズカーから届いた返却証のメールには、以下のように記載されていました。
■利用時間 2022/08/×× 09:00 - 2022/08/×× 09:26
■走行距離 0km
■最高速度 0km/h
・・・笑ってください。
意を決して2回目の「ソロ運転」へ
すっかり自信を無くして1ヶ月が経過しましたが、「このままではいかん」と思い直し、ふたたび意を決して2回目のタイムズカーを予約しました。
今度は、前回とは異なる場所を予約しましたが、車種は同じく「ヤリス ハイブリッド」にしました。
言い訳をすると、前回借りたステーションは、駐車場の出入り口真横に駐車スペースがあり出し入れが難しかったのと、駐車場を出てからの道も細く車がすれ違うのもやっとという道路でした。
今回借りたステーションは駐車スペースが駐車場の中程に位置しており出し入れがしやすく、面している道路もある程度の広さがあることはGoogleマップのストリートビューで確認済みでした。
そして、前回は行きたい場所を何カ所かピックアップしており、そこそこの遠出を想定していたのですが、今回は「まずは駐車場から出ること」を最低限の目標とし、「外に出ても駐車場近辺の道路を一周する程度に留めよう」という小さい目標を定めて挑みました。
そんな心のゆとりもあってか、2回目の「ソロ運転」は気持ちも落ち着いており、かなり恐る恐る(低速)ではありましたが、第一の目標である「駐車場を出ること」をクリア。
そして、駐車場を出てしまったことで覚悟が決まり、近辺の住宅街の道路を一周。
右折のタイミングで対向車が来て焦ったり、住宅街ということもあり子供が飛び出してこないか細心の注意を払いながらも、なんとか無事に駐車場に戻ってくることができました。
苦手な車庫入れ(駐車)もうまく入れることができ、2回目の「ソロ運転」はすべての目標をクリアし成功裏に終えることが出来ました。
ちなみに、2回目のタイムズカー返却証の内容は以下のとおり。
■利用時間 2022/10/×× 09:00 - 2022/10/×× 09:10
■走行距離 1km
■最高速度 21km/h
「最高速度」で私の小心者レベルをご理解いただけたかと思いますが、これでも私にとっては大きな進歩でしたし大満足な結果です。
ペーパードライバー克服へ
2回目の成功に気を良くした私は、その後も1~2ヶ月間隔でタイムズカーのお世話になり、徐々に運転距離も伸ばしていきました。
恥ずかしながら、いまだ地元・千葉県外に出たことはないものの、1時間ほどのソロドライブも経験しましたし、今では家族を乗せて(近場ですが)買い物や病院へ連れて行くこともあります。
運転技術自体はまだ未熟で、右折のタイミングがなかなか掴めなかったり、駐車も一度で成功することは稀で、2回3回と切り返してやっと(それでも斜めになっていたりどちらかに寄っているケースが多々あり)という状況です。
しかし、「車の運転」という点に関しては、恐怖心も最初の頃より和らいできましたし、抵抗もなくなってきました。
まだまだ課題(給油や高速道路は未経験)は多いものの、こと「運転」という面に関しては、「そろそろ『ペーパードライバー』は克服したと言っていいかな」というレベルになってきたのではと感じています。
教習所のペーパードライバー講習を受け始めてから、約1年半が経ちました。
空白の30年は戻ってきませんが、50歳にしてようやく『ドライバー』生活が始まり、今は安堵しています。
そして、調子に乗って「そろそろ車(軽自動車)でも買おうかしら…」と考えている今日この頃です。
おわりに
長くなってしまいましたが、以上がアラフィフおじさんのペーパードライバー克服記です。
30年のブランクでも、運転センスがなくても、1年半でここまで来ることが出来ました。
運転できるようになったことで、自分に自信を持てるようにもなりました。
もし、ペーパードライバーを克服されたい方がいらっしゃったら、私は「とにかく行動しよう」「ブランク期間は関係ない」と言いたいです。
車に興味がなく、センスのかけらすらない私でも、技術はまだ未熟なものの運転できるようになりました。
不安や恐怖心はものすごくわかります。
いまだ私も、車を発進させる前は「落ち着こう落ち着こう」と心の中で何度もつぶやき、深呼吸をしています。
ここ数年「あおり運転」のニュースや映像を目にし、さらに不安を助長されることが多いですが、細心の注意を払うこと、他車(他者)に敬意を払うこと、そして当然ですが交通ルールを遵守すれば大丈夫(と信じています)。
まずは「行動」を起こして、少しずつ自信をつけていけばいいんです。
・・・ということを、今回私は学びました。
いくつになっても、「学び」は大切ですし、刺激になります。
今後も、細心の注意を払いつつ、運転ライフを楽しんでいければと思います。
もし最後まで読んでいただけた方がいらっしゃいましたら、長々とお付き合いいただきありがとうございました。
今回はかなり長い投稿になってしまいましたが、今後は気軽に短めな文章を投稿していこうと思います。
それでは、また。