
【千葉県立美術館】特別展「浅井忠、あちこちに行く」がとても良かった話
タイトルのとおりですが、千葉県立美術館で開催されている特別展「浅井忠、あちこちに行く」を見てきました。
今日はその感想についてnoteしようと思います。
文化の日で入館無料!
今日11月3日は「文化の日」。
嬉しいことに、文化の日に入館無料になる美術館が国内に何カ所があります。
僕が住む千葉県では、千葉市中央区にある「千葉県立美術館」がそのうちのひとつで、企画展も入館無料で観ることができます。
現在、千葉県立美術館では、千葉県にゆかりのある画家・浅井忠の作品を中心に展示している特別展「浅井忠、あちこちに行く-むすばれる人、つながる時代—」が開催されています。
文化の日の今日、1時間超かけて千葉県立美術館まで足を運んで同特別展を観てきたのですが、これがとても良かった!
入館無料で観に行った分際で言うのも申し訳ないですが、入場料1,000円でも安いと思ったくらいの充実した展示内容でした。
「浅井忠」さんとは……
恥ずかしながら、「浅井忠(あさいちゅう)」さんに関しては、その名前と「画家」であるということくらいしか知らない状況でした。
僕の薄っぺらい知識で説明するより、「浅井忠」をWikipediaで検索していただいた方が詳しいと思いますので、そちらをご参照ください。
ざっくり書くと、明治時代に活躍された洋画家です。
江戸末期に江戸の佐倉藩屋敷で生まれ、佐倉で絵画を学んだ後、東京でイタリアから来た画家の先生に師事。
フランスへ留学し、帰国後は京都で教授となって後進の指導に当たられ、51歳という若さで亡くなられました。
日本の風景を題材にした洋画家ですが、晩年は工芸品や日本画にも取り組まれていたようで、画家と言うより芸術家と呼んだ方が的確かとも感じました。
特別展の展示から、かなり旅好きで筆まめな方という印象を受けました。
国内はもとより、パリ留学中もフランス国内やヨーロッパ各地を旅されていたようで、旅を通して色々とインスピレーションを得られていたのかもしれません。
また、交流されている方も様々で、画家以外にも正岡子規や夏目漱石といった文人との交流もあったとのことです。
特別展の展示について
千葉県立美術館では、浅井忠さんの作品や資料を多数保有されており、この特別展では350点以上の作品や資料が展示されているとのことです。
さすがに数を数えながら見ていなかったので、本当に350点以上も展示されていたのかわかりませんが、とにかく小さなデッサンや絵葉書などを含めると、かなりの作品が展示されていたのは事実です。
展示内容としては、浅井忠さんの生涯を辿るような構成となっていて、佐倉で画を学んでいた頃からフランス留学を経て晩年に至るまでの作品・デッサンであったり、日記等の資料などが展示されていました。
また、日清戦争では従軍画家として戦地にも赴いていたようで、当時の朝鮮や清(現・中国)で描かれた作品や、その行程を記した日記も展示されており、個人的に特に興味深く拝見しました。
氏の描く絵画はもちろんのこと、その生涯や”人となり”も知ることができる構成になっており、「大回顧展」と言ってもいい展示内容でした。
従軍日記や旅先での日記については、美術館のホームページ上で、「浅井忠日記資料デジタルアーカイブ」として公開されているようなので、ご興味のある方はご覧になってみてください。
おわりに(&ちょこっと写真)
「文化の日で入館無料」というきっかけではありましたが、郷土にゆかりのある方を知ることができ、本当に見に来た甲斐がありました。
また、時節柄、”芸術の秋”を心行くまで堪能でき、最高の一日となりました。
最後に、美術館や美術館近くにある千葉ポートタワーの写真を掲載して終わりにします。
写真はすべてNikon Z fcで撮影。
RAWと同時に記録されたJPEG(未編集)であることをご容赦ください。

右側のノッポな建物が「千葉ポートタワー」です。

完全なる逆光で黒つぶれ…



2回ほど上まで登ったことがありますが、今回は見ただけでスルー