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シャンプーに関するアンケート調査-髪の悩み・購入時に重視するポイント・使用商品は?

秋冬は、夏に紫外線を受けた髪が乾燥した空気によってさらにダメージを受けるため、ヘアケアに一層関心が高まる季節です。今回は、全国のPOB会員3,169人(平均年齢49.3歳)に「シャンプー関するアンケート」を2023年10月20日~10月30日に実施しました。
シャンプー市場は、新興ブランドの出現や物価上昇等、この数年で消費者の価値観はますます複雑化しています。同カテゴリ購買において消費者は何を重視するのか、POB会員に行ったアンケート調査と、レシートデータで分析していきます。


ヘアケアへの関心は?

まずはPOB会員に、ヘアケアにどれぐらい関心があるかたずねました。

「とても関心がある・多少関心がある(75.9%)」

ヘアケアに「とても関心がある・多少関心がある」と回答したのは75.9%でした。男女別では、「男性(61.8%)」、「女性(86.3%)」と24.5P差をつけ、女性の方が関心が高い結果となりました。

さらに年代別でみると、性別・年代問わず、「多少関心がある」が最も高い傾向です。
男性は年代を増すごとに「全く関心はない」の比率が減り関心度が高くなっていく様子が見てとれます。特に30~40代はヘアケアに関心が高い傾向でした。
女性も同様の傾向がありますが、関心度が元から高いことから男性と比べ増加は緩やかです。

髪・頭皮の悩みや気になることは?

さらに髪にどんな悩みを抱え気にしているのか、深掘りしていきます。

約9割が何かしらの悩みや気になることがある

調査の結果、POB会員(平均年齢49.3歳)が最も気にしているには「白髪(48.9%)」となりました。次に、「潤い、ツヤがないパサつき(38.4%)」「薄毛・抜け毛(28.5%)」「くせ毛(26.3%)」が続きます。約9割は何かしらの悩みや気になることを抱えていることがわかりました。

性別、年代別によっても、悩みが異なる様子がうかがえます。

男性の20代以下は「あてはまるものはない(27.3%)」が最も高いですが、30代以上になると変化がみえます。30代も「あてはまるものはない(24.6%)」が最も比率が高いですが、「薄毛・抜け毛(24.6%)」「白髪(21.9%)」も高くなり分極化しています。40代以上になると、さらに「薄毛・抜け毛」「白髪」のほかにも「毛量」や「コシ・ハリ」といった項目も悩みにあげられる傾向がみられました。

「特にない(20代男性)」
「白髪が目立つようになってきた(30代男性)」
「年齢を重ねるにつれて薄くなってきた (40代男性)」
「シャンプーがいらないのでは?と思い始めている (50代男性)」
「歳と共に髪にコシがなくなり白髪も増え、薄毛も気になって来た (60代以上男性)」

女性は9割が何かしらの悩みや気になることをあげ、年代問わず「潤い、ツヤがないパサつき」「くせ毛」が高い傾向でした。30代以下の若い層は前述の項目の他に「アホ毛・浮き毛(38.5%)」をあげていますが、男性同様30代から個人差があることがわかります。30代で「白髪」の回答率が上昇し、40代以上でさらに増加をみせ6~7割を超える女性が気になるポイントとして回答しています。「薄毛・抜け毛」「コシ・ハリ」も上昇していますが、「潤い、ツヤがないパサつき」「くせ毛」がそれらを上回ります。女性の理想の髪を追い求めるポイントには変化がないことを伺い知る結果となりました。

「年間を通してダメージを感じる。夏は冷房、冬は暖房、秋は乾燥など。(20代以下女性)」
「年齢のせいもあり、アホ毛の白髪の目立ちが気にかかって仕方がない (30代女性)」
「年齢を重ねるにつれまとまりが悪く、季節の変わり目でパサパサしてる気がする(40代女性)」
「とにかくパサつき乾燥のない、つややかな髪になりたい(50代女性)」
「生え際の白髪が特に目立つ様になった。つむじや分け目の薄毛が気になる。(60代女性)」

シャンプー購入時に重視するポイント

続いて、シャンプー購入時に何を重視して商品を選んでいるのか調査していきます。

半数以上が「価格」を重視

シャンプー購入時には「価格(55.9%)」が最も重視され、次に「メーカー・ブランド(30.8%)」が続きました。2項目は男女共通となりますが、性別・年代別にみると求めるポイントに違いが見られます。

男性は、「容量(17.7%)」といったコストパフォーマンスに加え、「頭皮・地肌ケア(15.6%)」「洗浄力(13.7%)」といった点を重視していることがわかります。また、「育毛・養毛(11.1%)」も女性と6.7Pほど差をつけ、年代が上がると比率も上昇していることが特徴的です。

「価格が高すぎず、容量が多くて質が良いものを選ぶ。(20代男性)」
「髪の毛のパサつきを防いで地肌に優しいものを選んでいる。(30代男性)」
「洗浄力がある程度あればあとは際立たない香りであり、触り心地が悪くなければ良し (40代男性)」
「価格が手頃で育毛効果のあるものを選ぶ (50代男性)」
「育毛と爽快感の両立(60代以上男性)」

女性は「ダメージケア効果(39.6%)」「つや・うるおいを出す効果(30.6%)」「まとまりやすくなる効果(25.6%)」の3項目がいずれも男性より20Pほど高く回答されました。また、その他にも「香り(23.0%)」「ハリ・コシを出す効果(16.9%)」「配合成分(14.1% )」といった、男性とは違うポイントが重視されています。年代別で見ると「ダメージケア効果」は年代が上がるごとに減少し「ハリ・コシを出す効果」が上昇していることがわかりました。

「価格が安くてダメージケア成分が含まれているものを選ぶ。(20代以下女性)」
「うるおいを重視しながら値段も高過ぎないものを選んでいる(30代女性)」
「価格が安くて、大容量のもの。ずっと使い続けているもの。 (40代女性)」
「季節によって変えます。ダメージケアと香りが重視の時と 潤いと香りが重視の時。(50代女性)」
「ハリ・コシと、薄毛に良さそうなもので、ノンシリコンのものを買っている (60代女性)」

何種類?家庭内のシャンプー

それぞれで違った悩みを抱えていることがわかりましたが、続いて家庭内で使用されているシャンプーについて調査していきます。

自宅に2種類以上シャンプーがある家庭は約6割

自宅にあるシャンプーの種類をたずねると、最も高いのは「1種類(43.2%)」、次に「2種類(35.4%)」が続きました。自宅に2種類以上あると回答した比率を合わせると、約6割は自宅に複数のシャンプーがあることがわかりました。

次に、シャンプー時にリンスやコンディショナー等の使用有無をたずねると、使用率は8割となりました。男性は「使用しない(シャンプーのみ)」が36.6%と、女性と比べ30P以上使用率に差がありました。前出のアンケート結果にあった通り、女性は「ダメージケア効果」「つや・うるおいを出す効果」「まとまりやすくなる効果」を求め使用していることがコメントからもわかります。

「コンディショナーやトリートメントも併用して乾燥に気をつけている。(40代女性)」
「コンディショナーとセットで使用します。つや、潤いを残すことが大事です。(50代女性)」
「シャンプーだけでなく、コンディショナー、トリートメントにこだわっている。(30代女性)」
「リンスやコンディショナーを使う際にヘアオイルを数滴混ぜて使っています。Twitterで見かけた情報なのですが、髪のまとまり具合が断然違いました。(20代女性)」

家族と共有する?家庭内のシャンプー

家族で共有する家庭は約3割

家庭内でシャンプーを共有するかたずねると、「家族で同じものを使用する(29.8%)」は約3割が該当すると回答しました。「家族内(男女や悩み別等)で使用するものを分けている(19.7%)」「家族は同じだが、自分だけ異なる種類を使用している(8.2%)」「1人1本使っている(21.5%)」の3項目を合わせると、おおよそ半数となる49.4%が家庭内でシャンプーを分けて使っていることがわかります。

単身者を除いた年代別をみると、男性の方が年代を増すごとに「自分だけ異なる種類を使用する」「1人1本使用する」と回答する比率が高くなります。女性は男性と比較すると、家族内でシャンプーを共有して使用する傾向となりました。

レシート分析:レシートからみる「シャンプー」


最後に、前述のような悩みを持つ会員が、どのような商品を購入しているか分析していきます。

王道商品の根強さが際立つ

上図は、会員の投稿レシートデータから同カテゴリの商品ブランドの構成比をあらわしたものです(調査期間:2022年10月~2023年9月、レシート合計277,603枚)。1位は「花王 メリット(14.3 %)」、2位「P&G パンテーン(10.4%)」、3位「クラシエ いち髪(7.5%)」が上位に続きました。王道商品が続くも、2022年に発売された「クラシエ マー&ミー」が8位にランクイン、コメントから評判を受けている様子がわかります。

「マー&ミーは肌が弱いアトピーの子どもでも使える(40代女性)」
「髪に優しい成分だと美容師さんにマー&ミーを教えてもらった(30代女性)」

次に、年代別で購入商品を見ていきます。

「クラシエ いち髪」「P&G パンテーン」など各世代で支持されている商品の中でも「花王 メリット」に注目していきます。女性30-40代で「花王 メリット」構成比が増加をしています。コメントを見ると、子どもが生まれるなどのライフステージの変化に合わせ、性別年齢問わず共有できることで選ばれることがわかりました。

「子供は泡で出てくるメリット。夫はシーブリーズ、私はビオリスボタニカルシャンプーと家族でそれぞれ使用(30代女性)」
「子供が産まれたら結局子供の頃から使っていたメリットに戻った。香りも優しく、誰が使っても丁度いいところが好き。(40代女性)」
「家族で使えるのでメリットを使っている。泡切れが良く、洗い上がりが気持ち良いものを選ぶ。コンディショナー、リンス、トリートメントは自分のみ専用で使用している。40代女性)」

一方男性は年代を増すごとに「花王 サクセス」の構成比が増加しています。コメントを見ると、自身の悩みに合わせて、家族で共有するシャンプーから移行をしているようです。

「薄毛が気になるので自分だけサクセスのスカルプシャンプーを使用。清潔感を保つため薬用シャンプーから選ぶようにしている(30代男性)」
「ここ数年はサクセスのスカルプシャンプー。まず育毛効果があること、そして香りがいいことです。(40代男性)」
「薄毛が気になるので自分だけサクセスを使用 (50代男性)」

近頃は高価格帯シャンプーのシェアが伸長をみせていますが、「花王 メリット」がトップを獲得するなど、総合ランキングは未だ王道商品の根強さが際立ちました。一方、新興ブランド「クラシエ マー&ミー」が上位にランクインしたことから消費者のニーズが新しい動きをみせていることをうかがい知ることができました。

今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。

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