マスク着用緩和後の生活に関する調査-【現在のマスク着用率】・【顔を出すことできになるところ】・【脱マスク対策】
今回は、全国のPOB会員3,010人(平均年齢49.2歳)に、「マスク着用緩和の生活についてのアンケート」を2023年4月14日~4月15日に実施しました。
新型コロナ対策のマスク着用は3月13日に緩和され「個人の判断」に委ねられることとなってから1か月が経ちました。コロナ禍でマスク着用を続けてきた生活にどのような変化が起こっているのか調査します。
現在のマスクの着用状況
まずは、直近のマスクの着用状況を尋ねました。今年2月に取得した、3月のマスク着用緩和後にどのように行動するか尋ねたアンケート結果と比較していきます。
マスク着用が緩和されてしばらく経ちますが、マスクを「していない(4.1%)」、「していない方が多い(10.3%)」と回答した人は合わせて14.4%に留まりました。
今年2月のアンケートででは、マスクをしないことに積極的な人は4割でしたが、実際は8割以上の人がマスクを着用する方が多いと回答しました。
男女で比較すると、「していない」・「していない方が多い」と回答する人は男性の方が+10.4P高く、男性の方が脱マスクに積極的な傾向が見られました。
あまり脱マスクが進んでいない印象がありますが、2月に取得したマスクの着用状況を尋ねたアンケート結果は「マスクを常に着用していない(0.9%)」だったので、「マスクをしていない(+3.2P)」が上昇していることから、少しずつですが脱マスクは進んでいるようです。
5類移行によるマスク着用の考え方
5月から新型コロナの感染症法上の位置づけが2類相当から5類へ移行となります。それにより消費者のマスクに対する意識はどのような変化があるのでしょうか。2月に取得したアンケート結果と比較していきます。
5類移行後のマスク着用については、「抵抗なくマスクを外す(10.6%)」と回答したのは1割程度となりました。「できれば外したいが周りの様子を伺う(25.9%)」と合わせてもマスクを外すことについて前向きな消費者は36.5%で、残りの6割以上の人が「できれば着用し続けたいが周りの様子を伺う(13.2%)」、「引き続き着用する(50.3%)」と回答しました。
2月のアンケート結果ではマスクを外すことについて前向きな消費者は4割程度でしたがわずかに減少し、「周りの様子を見ながら着用をしたい」と考えていた人が「引き続き着用する」に移り変わった様子です。
男女別では、着用状況と同様に男性の方が脱マスクに積極的な様子が見られますが、前出のアンケートで「現在マスクを着用している」と回答した人の中で「5類移行後にマスクを外したい」と考えている人は男女とも2割程度と同数でした。
マスクを「する」・「しない」理由
続いて、マスクを「する」・「しない」と考えている理由について深堀していきます。
マスクを「外す」・「外したい」理由は「息苦しいから(71.5%)」、「熱いから(55.5%)」、「邪魔に感じるから(45.5%)」の順に回答が多い結果となりました。順位に違いはありますが男女別でも同様の傾向です。特に、男性は女性に比べ「邪魔に感じるから(+12.4P)」が高く、一方女性は「着用することで肌が荒れるから(+18.8P)」、「メイクが崩れるから(+20.8P)」といった美容に関する理由が男性に比べ高い特徴がみられました。
マスクを「着用する」・「し続けたい」理由については、「感染拡大を防ぐため(65.7%)」が最も高く男女別にみても同様ですが、次に続く理由はそれぞれ異なった特徴がみられました。
男性は「周りの人が着用しているから(17.3%)」、「外していることで他人の反応が気になる(12.3%)」、「顔の一部になっているので着けている方が安心するから(12.3%)」といった項目が続き、女性と比較するとわずかですが「周りの人が着用しているから(+0.1P)」「外していることで他人の反応が気になる(+0.7P)」といった周囲の人の様子を気にする項目が高い特徴です。
女性は、「身だしなみ(ノーメイク、髭)をごまかせるから(33.9%)」、「顔の一部になっているので着けている方が安心するから(24.7%)」といった項目の比率が高く、特に「身だしなみ(ノーメイク、髭)をごまかせるから(+23.0P)」、「顔の一部になっているので着けている方が安心するから(+12.3P)」、「外した顔を見られるのがいやだから(+15.2P)」の項目が男性より10P以上も高い結果でした。
コメントを見ると、感染予防の観点のほか、花粉症や黄砂といった要因でマスクを着用するといった意見もありますが、まだ周囲の着用率が高いので様子を見て判断しているという反応が多く見られます。また、女性は「ノーメイクでも出かけられる」など身だしなみに手をかけなくて済むのが楽だという理由で着用を続けていきたいというコメントが散見されました。
脱マスク:顔を出すことで「気になる」のは?
マスクを着用する理由に、感染予防のほか「身だしなみがごまかせる」、「顔が隠せる」といった項目があげられました。顔を出すことについて、どれぐらいの人が気になる点をあげるのでしょうか。
アンケートの結果、「顔を出すことで気になるところがある(61.7%)」と半数以上の人が回答しました。
男女別でみると、男性は4割、女性は7割以上の人が気になるところがあると回答しています。男性は、「髭・顔の毛(鼻毛・産毛など)(43.4%)」、「口臭(40.1%)」、「歯(黄ばみ・歯並び)(23.0%)」が続き、女性は「顔のたるみ(52.3%)」、「顔のしみ(43.3%)」、「顔のしわ(40.4%)」の順に気にしているポイントが高い結果でした。
特に、男性は女性より、「髭・顔の毛(鼻毛・産毛など)(+31.1P)」が高く、女性は男性に比べて「顔のたるみ・しみ・しわ(+20~30P)」が高い傾向です。
年代別では、各年代で「顔のたるみ・しみ・しわ」を気にする傾向が高い中、30代は「口臭」、「歯(黄ばみ・歯並び)」を特に気にしているようで、更に「顔の造形」が総計より約10Pほど高いことも特徴的です。
脱マスク:対策する【商品】・【サービス】とは?
続いて、「顔を出すことで気になるところ」の対策のため、購入した(または検討している)商品やサービスがあるか尋ねました。
実際に対策をしている、または検討している人は約4割となりました。
男女別では、男性は約3割、女性は約4割と、女性の方が関心が高いことがわかります。
男性は前問であげられた「気になる点」の対策商品として、「歯磨き粉(31.3%)」、「ガム(31.3%)」、「清涼菓子(ミンティア・フリスク)(25.9%)」、「マウススプレー(13.1%)」、「フェイスシェーバー・鼻毛カッター(12.8%)」といった顔周りの毛や、口中衛生商品などの対策商品が高い傾向です。口中衛生に関連して「虫歯治療(8.3%)」もあげられますが、それと同等に「日焼け止め(9.7%)」、「シミに効果のあるスキンケア用品(8.0%)」といった商品にも関心が高いことがわかりました。
女性は、「日焼け止め(43.6%)」、「シミに効果のあるスキンケア用品(30.0%)」、「美白効果のあるスキンケア用品(27.3%)」、「シワのあるスキンケア用品(24.3%)」、「ポイントメイク(21.0%)」といった美容に関する商品への興味が高く、メイク用品よりスキンケア商品に対する関心が高い傾向でした。
年代別では、30代以下はガムやホワイトニングや歯列矯正、脱毛といった商品・サービスに関心が高く、40、50代は日焼け止めやスキンケア用品、60代は清涼菓子やマウススプレーなどの口臭対策商品に関心が高い特徴がありました。
レシート分析:マスク購入レシートの出現数
会員が投稿したレシートから、前出のアンケート結果で関心が高かった「UV
ケア」、「歯磨き粉」、「洗口液」について分析します。下図は会員が実際に投稿した購入レシートから、1,000枚当たりの出現数をあらわしたものです。
「UVケア」、「歯磨き粉」、「洗口液」それぞれの商品の出現数は昨年に比べて上昇していました。UVケア商品はこれからの季節に向け上昇が見込まれることはもちろんですが、外出機会の増加、脱マスクによってこれらの商品は更に購入が高まることと想定されるでしょう。
今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
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