2021年12月のFOMCの結果について
2021年12月のFOMCでは
世界の投資家が注目していた12月のFOMCでした。
FOMCとは連邦公開市場委員会(Fenderal Open Market Commitee)のことで米国の中央銀行であれFRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策を決定する会合の事です。
今年最後FOMCとなり、今回は11月に決定したテーパリング(量的緩和の段階的縮小)の計画を中心にどうしていくのかが焦点となりました。
今回のテーマは
・テーパリングのペース
・将来の利上げ時期
・QT開始時期
インフレが加速した状態で金融緩和を維持していくとインフレが止められなくなる事態になってしまう可能性があるため、状況にとってはインフレを抑制するために段階的な金融引き締めをしていく必要があります。
引き締めのペースが速すぎると、株式市場はパニックを引き起こし、株価が暴落する可能性もありますし、遅くすぎると70年代のようなインフレと景気停滞が一緒に来るスタグフレーションが起きる可能性があります。
テーパリングのペースの加速・利上げの時期
今回のFOMCでは予想通り、テーパリングの段階的緩和を加速していくと発表になりました。
予定の米国債の買い上げを段階的に減らす速度を上げるというものでした。
これによって、市場にお金が回りにくくなります。
それと同時に利上げの開始時期も早まる可能性も示唆しました。
3月のFOMCで利上げについても発表されるかもしれません。
株式市場への影響
一般的に利上げを発表した前後は大きく下げてしまう可能性が高くなります。
株式市場にどれだけ影響があるか心配ですね。
市場がそれまでにどれだけ、状況を取り込んでいるかにもよりますが下がるのは間違いないでしょう。
前回の利上げの時もS&P500でさえも短期間で-14.5%と大きく落としてしまっています。
アメリカ株が多少下落しても、それくらいでアメリカはつぶれることはありません。
その理由としては
FRBが利上げに踏み切るということは景気の先行きに対して、ある程度の自身があるからです。
暴落しないためにいろんな手を打ってくれているはずですので、多少は下がることはありますが以前のような大暴落をさけるよに全力をつくしてくれるでしょう。
2022年以降も好景気になるよう場合もあります。
過去の実績から見ても、利上げ=景気上げになることも多くなっています。
またAppleやAmazonなどの世界に誇る大企業もあるので、そう簡単に暴落をしてはくれないでしょう。
うまく、インフレも抑えつつ失業率も下げつつ、テーパリングを進めてくれることを祈りましょう。
QTについて
今回ではQTについては何も決まっていないとの発表がありました。
その為、株式市場には安心感が広がり翌日の株価は全体的に高騰しました。
QT(量的引き締め)とは・・・FRBが保有している米国債の残高を減らしていく作業のことを指します。
量的緩和政策で米国債などを買い入れているため、その総資産額が膨れ上がっています。
またFRBが米国債を大量に持ち続けていることで、国債の需給を引きしてめてしまい長期金利が上がりにくい状況が続いてしまいます。
本来であれば、早めにQTをしないといけないところですが、株式市場が暴落する可能性を秘めています。
長期で持ちすぎていても、売ってしまっても株式市場に大きな影響を与えてしまいます。
今のところの見解としては2023年以降と言われています。
今回の発表についてのおさらい
2021年12月のFOMCの発表について話してきましたが、そもそもなぜこのようなことになっているのなどの背景についても簡単に解説していきます。
なぜこのような事態になっているのか?
2020年に起きたコロナショックが元凶となっています。
新型コロナが全世界中に広がったため、市場不安を解消するためにFRBは
ゼロ金利政策
量的緩和
2つの政策を行ってきました。
①ゼロ金利政策
政策金利を0~0.25%のレンジに引き下げるという政策です。
これは企業や個人の借り入れを促す狙いがあります。
②量的緩和政策
米国債800億ドル
MBS(住宅ローン担保証券)400億ドル
合計1,200億ドルを買い上げることをしました。
これは民間経済に大量の資金を供給する狙いがあります。
FRBが将来の景気後退を意識したら
金利政策を段階的に引き下げます
それでも金融市場の混乱が収まらない場合は、最後の手段として量的緩和を行います。
簡単な流れで行くと金利政策→量的緩和の順番で行います。
金融市場の混乱が収まったら
そして金融市場の混乱が収まったら、今後は金融市場の正常化を目指します。
その場合は、一般的には量的緩和を停止して、次に金利政策を停止します。
しかし量的緩和を急に停止してしまった場合に、金融市場が「手―パータントラム(緩和縮小による癇癪)」を起こしてしまう場合があります。
その為、今回のFRBはこの量的緩和を段階的に縮小していくと発表しています。
しかし、インフレが併発しているこの状況でテーパリングをしていくとインフレが改善できない可能性が出てきます。
お金がたくさんばらまいているため、市場にはお金があり物価も高くなっているため一見よさそうに見えますが、この状況が続いてしまうと反動で景気後退を引き起こす原因となってしまいます。
日本もバブル時代に起きていた状況と同じですね。
簡単に書いていきましたが、市場とは複雑なものですね。
まとめ
今回のFOMCのテーマは
テーパリングのペース
将来の利上げ時期
QT開始時期
この3つがポイントでした。
ペーパリングの加速・利上げの前倒しの可能性についての発表がありました。
これに対しては市場は折り込み済みなのか、ほとんど影響はありませんでした。
QTについては、まだ「何も決まっていない」と発表があったため、株式市場も安心感があり翌日は高騰しました。
QTについては株価の一時的な下落が間違いなく起きてしまうため、投資家のみなさんはハラハラしているかと思いますが、現在の予想としては2023年以降と言われています。
来年以降はテーパリング・利上げが起きますので、2022年以降のアメリカ市場は直近のような上がり方はしないと予想しています。
その為、S&P500などのインデックス投資やアメリカETFに投資をしている方は、注意が必要です。
もちろんアメリカ株が下落するとなると日本株も厳しくなってきます。
高配当株などの長期保有であれば、一時的なダメージがあるかもしれませんが、心が折れないようにがんばってください。
投資は自己判断でお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?