「愉気」ということー不摂生も必要ー24
人間の体にとっては、良いもの、悪いものという区分はないのです。ヒ素だって梅毒を治すでしょう。毒も薬として使えるのです。薬は毒だから薬として効くのです。田の草を取ってそのまま肥しにするように、毒も薬も同じものなのです。それを良いと悪いとに、はっきり分けてしまえば、何も出来なくなる。摂生する専門になったら、体は壊れてしまいます。
自動車が走るのは、タイヤ土との間に摩擦があるから走れるのです。止まるのも摩擦で止まる。ブレーキをかけると止まるのです。けれども全く摩擦がないと、雪の日にスリップするように、走れなくなってしまう。摩擦は邪魔だけれども、摩擦がないと走れないのです。飛行機でも、出来るだけ空気の摩擦を少なくするために流線形に設計していますが、それでも空気がなかったら飛べないのです。
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