スクラムフェスニセコ2024

スクラムフェスニセコ2024が終わった。
アジャイル札幌が開催する6回目のスクラムフェスで、ニセコ開催としては2回目となる。
今年も運営として、主に会場と制作物を担当した。
運営のやり方を振り返ってみると、今年は特に、少ない運営人数で少ない労力で、いかに全員が楽しめる場を作るかというテーマで意思決定が進んでいたように思う。

運営のこと

モチベーションの所在

この文は、それほど時間をかけずに書いたスクラムフェスニセコの紹介文なんだけど、運営の仕事をしながら何度か立ち戻りに行くことがある。

Scrum Fest Nisekoは、北海道内外のソフトウェア開発に携わる人々と未来を語り合う場です。
不確実な時代の中で、私たちが向き合うソフトウェア開発は変化に柔軟に適応することが求められています。
そのために私たちは、ソフトウェアの技術的なプラクティスやチームのあり方、組織との関わり方など、様々な視点を必要としています。​

Scrum Fest Nisekoでは、日常から離れ新しい仲間や新しい視点と出会うことで、明日からの新しい一歩を踏み出すきっかけを作ります。

https://www.scrumfestsapporo.org/

昨年の個人的なRSGT参加ブログの最後には、こんな風にも書いている。

事業に向かうときに前進を阻んでいるものがあれば(技術であろうと人や組織であろうと)それを解決するためには何でもやりたいし、何でもできるようになっておきたいと思っている。
現場で手を動かすのが好きだし、現場で自分たちで考えて解決していくのが肌に合っている。

https://note.com/mitochimo/n/nbd60b4e71107

もっと良くするには、を日々現場で考えている人達が集まって、学びを共有し合ったり、現場に持ち帰って新たな実験が始まったり…
そうやって少しずつ気づかない程度のスピードで世界が変わっていったり、知らないうちに私の未来や誰かの未来が変わったりするんだろうなと思ってる。
めちゃくちゃ尊い時間だと思うから、やってる。

運営チームのお仕事

スクラムフェスニセコは、宿泊型のホテルカンファレンスとなっている。
ニセコはJapowと言われるほどの世界有数のパウダースノーが降る地域ゆえに、12月〜3月がオンシーズンだ。閑散期の11月にスクラムフェスを開催することで、安い料金でホテルカンファレンスを実現することができている。
ホテルカンファレンスのメリットは、当日の運営負担が少なく、スタッフが参加者と共に楽しめることにある。
カメラマンのtarkさんだけは当日のお仕事がメインになってしまい感謝しかないのだが、楽しんで下さってたようで良かった!本当にいつもありがとうございます。
開催前の運営のお仕事には、スポンサー周り、チケット周り、講演依頼、会場担当者とのやり取り、スポンサーバナー等の制作物手配がある。
ハイブリッド開催・セッション形式にすると途端に仕事が増えるのだけれど、オンサイトのみ・OST形式だと負担が軽い。
昨年まではBINGOやお土産を用意していたが、今年はやらないという意思決定をした。
昨年(2023年)は作業量もお金も節約するために、スクラムフェス札幌2022のスタッフTシャツを着ていたが、流石に年季が入ったTシャツになってしまい(特に私のTシャツが)今年はTシャツは新調しようということになった。
それでも、毎年作り直さないで済むように「アジャイルサッポロ」とだけ書いたシンプルなTシャツにした。遠くからでも認知されるように、パッションピンクをチームカラーにした。

運営チームで記念撮影

チケット代のこと

前述したように、閑散期のためホテル会場費が通常よりも安い。
会場費はスポンサー様のご支援で、ほぼ賄われている。(スポンサー企業様には本当に感謝です。)
参加チケット代は、ほぼホテル宿泊費分という破格の価格になっている。
スタッフも参加者と同様のチケット代を払って宿泊している。
今年は、夕食後の懇親会のためのドリンクやおつまみ代を、会場内に募金箱を設置して集めることにした。

小さな運営チーム

少人数の運営チームだけれど、物事をごくシンプルにすることで円滑に動いたように思う。
やりたいのは、参加者が主体的に関わりたいと思える場、いつもと違うメンツで話を深められる場。そしてスタッフも参加者として楽しめる場。
複雑なことは、やらない。

参加者の皆さまのこと

みなさまからの感想

実は私は、2つのKeynoteを会場で楽しんだだけで、それ以外の場には参加していない。
私たち夫婦は二人とも運営チームに入っている。
ニセコ在住で子供2人と犬1頭と暮らしているため、どちらか一方参加か家族全員参加の選択肢になる。ニセコに住んでいるのに4人分の宿泊費を払ってホテルに泊まることに抵抗があるし、参加しにくい要素が他にもあり、私は裏方に徹することにしている。それに裏方が一番、性に合っている。

そのため、参加者の生の声や表情に多く触れているわけではないが、noteやXでの反応を幾つか観測して、とても嬉しかったので幾つか掲載する。

・去年のニセコで初めてOSTに参加したんですが、交流メインのテーマもあることで場の空気が和らいだように感じたので、今回は思い切って自分自身で提案してみました。
・自分自身も最初の枠でいろんな人と話すことができて、それ以降の時間も前向きにイベント参加することの助けになりました。
--
今まで何度かスクラフェスに参加していて、コーチズクリニックが開催されてることもあったんですが、興味があったくせに勇気が出なくて申し込んだことがありませんでした。今回ついに飛び込んでみることができて、自分的にはそれ自体が大きな一歩でした

https://note.com/kumagoro_95/n/naed0ca718f2d

イベントは講演が2本とOST中心で、宿泊リトリートの形式をとっていました
特別に印象に残ったセッションがあるわけでなく、そこにいるだけで心地よく過ごせる空間でした
ただし、スタッフが過剰なホスピタリティを発揮するわけでなく、参加者がお互いに、自然に交流できている雰囲気に好感を持ちました
--
そうですね、運営者が参加者を信頼されていることは感じました
なので、過剰なコントロールやファシリテーションはしていない
--
ただそこにいるだけでも肯定されていると思えたし、疲れたらいつでも部屋で休めば良いと思える。場は余白が多く設計され、各参加者が無理のない方法や大きさでコミットして埋める。

https://note.com/nakanoyutaka/n/n05f8d37e364f

上記以外でも、OSTをきっかけにRSGTのプロポーザルに繋がったり、その後の継続的なコミュニケーションに繋がった例も観測した。
これをきっかけにXXをやってみたとか、チームでXXについて話してみた、などのリアクションがあると、開催できて良かった!と思う。
誰かの未来につながるかも、と思える瞬間だ。


スクラムフェスニセコ終了後、ホテル側の担当者様から感謝の言葉を頂いた。
私たちの方こそ感謝しているのに、良い関係を築かせていただいて本当にありがたい。すべての参加者の方々のふさわしい振る舞いがあったからであり、スクラムフェスニセコ2024が素晴らしい体験になったことを、参加者の皆さま、スポンサー企業様、keynoteスピーカーの永瀬さんと神崎さん、ホテル担当者様に心から感謝している。
そしてアジャイル札幌の皆さまにも、大きな感謝を。

2025年のこと

スクラムフェスニセコ2025については、まだわからない。
でも2025年も例年のようにAgileJapanサテライト、読書会、神崎さんからRDRAを学ぶ会などの企画をやっていきたいと思っている。

運営メンバーそれぞれの人生のフェーズもあるので、息長く続けられることを大事にやっていきたい。