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大きな石とおじいちゃんと私

子供の頃はよくいろんなことを空想したり、ありもしないことや、現実的ではないことをよく考えたりして過ごすのが好きだった。
その現実的ではないことを実行しようとして母方のおじいちゃんに慌てて止められたことがある。

あれは私がまだ2、3歳の頃だと思う。ぼんやりとした記憶だがなんとなく覚えている。
2、3歳頃だから、まだ私が母方の祖父母に預けられていた頃の話だ。
夕方になるといつものようにおじいちゃんは私を連れ出して近所の公園まで連れて行っていた。(おじいちゃんはそれを口実に近所の酒屋さんで一缶お酒を買って帰っていたのだが。)
公園に着くと私はベビーカーから降りて自由に遊び、おじいちゃんは私が乗ってきたベビーカーに少し寄りかかるような形で私を見守っていた。
その公園は近所の団地の公園で滑り台やブランコがある程度の小さな公園だった。
初めは遊具に興味を持って触ったりしていたのだろう。しかし、それに飽きてしまった私は公園の地面の砂利や砂、石に興味がわいた。
手で触って掴んでみたりしているうちに、中に少し光る小さな石があったりと子供ながらに、ただの砂に見えるものの中にもいろんな発見があった。

そうしているうちに一際大きな石を見つけた。私の手にはおさまらないほどのとても大きな石だ。それをじっと見ているうちに何故か変な考えが頭の中にわいてきた。
「この石はもしかしたら食べられるんじゃないか」
そう思い込んで「ちょっと食べてみよう」と口に入れようとした瞬間、「おぉおぉおぉ〜!!」とおじいちゃんの叫び声が聞こえて、走ってきたおじいちゃんによって石は取り上げられた。

あのおっとりして大きい声を滅多に出さないおじいちゃんが叫び声をあげて慌ててやってきて止めたのだから、2、3歳の私は相当驚いただろうし、ダメなことだと理解しただろう。

子供の頃むやみやたらに口に入れるようなことをしなかったのは、もしかしたらこの経験があったからなのかもしれない。

子供は突然何か口に入れてしまうことがあるので目を離さずに本当に気をつけたい。



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