ハラスメントクレーマー

ハラスメントクレーマーに気を付けろ!

最近、あらゆる会社・組織においてハラスメント対策が講じられています。
ハラスメントが社会問題として大きく取り上げられることが多くなったためです。
ハラスメントは良くない事ですし、それを未然に防ぐことや、起こってしまった場合の対処を定める事は意義のあることです。
被害に遭った方たちは救済しなければなりませんし、加害者には相応の罰則を与えなくてはなりません。

ただし、そこには落とし穴もあり、注意が必要です。
なぜなら、世の中にはクレーマー気質の人が少なからずいるからです。
何かしらに文句をつけたがる、被害者として人から同情を買いたがる人が一定数いるのです。
彼らからすれば、ハラスメント対策窓口などは恰好の捌け口になってしまいます。
そんな彼らを私は「ハラスメントクレーマー」と名付けました。

ハラスメントクレーマーは、自分に不都合な状況をハラスメントにしてしまいます。
会社などですと、能力が低い故に注意をされているにも関わらず、被害者ぶって窓口に相談したりします。
(この場合の注意とは、理不尽なパワハラではなく、妥当な範囲内とします。)
それはまだ良い方で、ハラスメントをでっち上げるクレーマーもいます。
そられは態度が悪かったとか、いやらしい視線を向けられたとか、相手の真意さえ不明の曖昧なものや、偶然の出来事まで、自分を被害者に仕立てる要素として使うのです。
被害者を救済する目的で立てられた窓口ですから、被害を訴えられれば親身になって対処するでしょう。
それこそが、彼らの思う壺なのです。

また、ハラスメントの定義が曖昧なのも問題です。
ハラスメントは本人が不快だと思ったらハラスメントになるとされています。
同じ行為でも、不快でなければOK、この人ならOKになる場合があるのが公平ではありません。
そして、クレーマーはそこにつけ込みます。

では、どう対応すればいいのでしょう?
まず、ハラスメントクレーマーがいるという認識を持つことです。
ハラスメント対策の窓口の方たちは、その真偽が明らかになるまでは、被害者として来た人間がクレーマーの類かどうかを判断しましょう。
彼らの言い分に耳を傾けながら、具体的な質問をしていくと良いと思います。
いつ? どこで? だれが? どの様に? 何を? どの程度?
そう言った質問に曖昧な答えが多いようでしたら、クレーマーを疑った方がいいでしょう。
もし、それらの回答が具体的であった場合には、次のステップに進みましょう。

次のステップとは、関係者に話を聞くことです。
加害者とされる人に聞くのはまだ早いです。
この段階で加害者とされる人に事情を聴くと、本人に心当たりがあれば良いですが、濡れ衣だった場合に問題が大きくなります。
加害者とされる人が、それまでは普通に接していたつもりなのに、ハラスメントとして訴えられていた事を知ったら不快になるからです。そして、それが本当のハラスメントを生む温床になる可能性もあります。
むやみに本人たちにハラスメント事件を露呈してしまうと、わだかまりを産むことになります。

なので、まずは被害者と加害者の周辺に、事実確認をしましょう。
気を付けないといけないのは、被害者と親しい人物や、加害者に敵意を持っている人間が含まれている可能性です。
彼らは既に被害者に取り込まれていたり、加害者に不利になる証言をしようとしたりします。
ここまででもお分かりかと思いますが、ハラスメント対策は非常に難しいです。
きちんと公平にやるなら、警察の捜査みたいなことをしなくてはならないからです。
たいていの会社では、被害者が「正しい」として話を進めるでしょう。その方が楽だからです。
しかし、世の中にはクレーマー気質の人がいることを忘れてはいけません。

そして、それらが済んだら次のステップです。
関係者からの証言からも、恐らく本当にハラスメントが行われていたと確証が持てたら、満を持して加害者の話を聞きましょう。
加害者が本当にハラスメントを犯していたことを認めたら解決です。
しかし、加害者の話を最後まで聞くまでは、頭ごなしに加害者と決めつけない事です。
まだ、ハラスメントクレーマーによる策略の可能性が残っているからです。
もし、加害者側の証言で被害者の落ち度が露呈した場合、再び、被害者側や周囲に事情を聴いて真偽を確かめる必要が出てきます。
ハラスメント対策というのは、簡単なことでは無いですね。

本当にハラスメント対策を行うのであれば、上記のような配慮に配慮を重ねた面倒な手続きを踏まねばなりません。
しかし、会社・組織が行うハラスメント対策は十分ではない事が多いです。
それは単に、会社・組織自体の目的が、内外に対して「ハラスメント対策をちゃんとしています」というアピールをしたいだけという側面があるからだと思います。
イメージ戦略の一環にハラスメント対策が使われているだけなのではないでしょうか?

ここまで読んで、筆者はハラスメント対策なんて意味が無いと言っている様に感じたかもしれません。
また、ハラスメントを訴える人はクレーマーばかりだと言っている様にも感じたかもしれません。
しかし、それは真意ではありません。
本当の被害者は救わねばならないと、本当に思っています。
しかし、中にはクレーマーも混在しており、被害者の言い分を信じることで加害者と思われた人に「風評被害」などの二次ハラスメントを起こしてしまうことを懸念しているだけです。
また、能力の低い人間やクレーマー気質の人に限って、自分を弁護したり同情を買う為に声を上げ、弱者を救うための機能を悪用しがちだとも感じるからです。
なので、それを扱う側には慎重に対応していただきたいと切に願っています。

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