壊れた傘を偽った思い出 #何色の傘
noteにハマっている。いろんな方の素敵なnoteを読む。
自分も書きたい!と奮起するが、思ったようには書けず悪戦苦闘中。
それでも最近、やっとひとつ、気に入った文が書けた。
すると今までで一番多く、ハートをいただけた。
noteの人々と好みが合ったようでとても嬉しい。
ネットで読みたいものが見つけられず、長らく迷子だったけど、みんなここにいたんだ!って見つけた気分。
ちなみにこの記事です↓もしおひまでしたらご覧ください。
でもそこから、もっともっと気に入った文を書きたーい!と欲が出てきてしまい、以来うまく書けず。下書きばかり溜まっている…。
そこで今日は、吉玉サキさんのこちらのnoteに便乗します。
吉玉さんの文、いつも何かが心に残って好きです。共感とかよりもう少し呼び覚まされるような何か。
小学生のころの傘の色、パッと思い出すのはレモン色。
小学5年生から中学生まで、自分のテーマカラーに固執していた。それが個性と勘違いしてた。
みかん色とレモン色が、自分の持ち物や部屋を埋め尽くしていた。
なので当然傘もレモン色。低学年が使うようなザ・黄色は嫌で、色みにもこだわりがあった。傘を買ってきた母に、いつも文句を言っていた。
いつも、とはどういうことか。
私はひどい傘クラッシャーだったのだ。一日に三本壊して叱られた覚えもある。
ガリガリ引きずったり、土の上で絵を書いたり、杖にしたり、チャンバラしたり、パラシュートしたり。
傘は使い道が多すぎて、あっという間に壊れてしまう。
先っぽが取れたり、折れたり、破れたり、おしゃかになってしまう。
傘が壊れることに慣れっこだった。今考えるとひどいけど。
でも一つだけ、今も思い出すとヒヤッとする記憶がある。
中学一年の梅雨の下校時。明るいけどしとしとと降り続く雨だった。
登下校はどこか緊張していた。
スカートが短いと上級生に目をつけられる、とか、ひとりで歩いてるのは暗くて恥ずかしい、とか面倒な自意識でいっぱいの頃だった。
薄暗い下駄箱でレモン色の傘を抜き出す。そこそこ仲良しの友達としゃべりながら。
背後で気になってる男子の声がする。何を話してるのか、意識をそちらにやる。
まぶしい外にでて、傘をぐいっとスライドさせて開く。
と、持ち手のJの形の部分が、付け根からぽろっと折れてしまった。
持ち手を握りしめ、一瞬固まった自分。
今なら笑って、うっそ!取れちゃったよ!と言える。
でも当時の自意識過剰な中一の自分には無理だった。
片手で持ち手をいつも通りつかみ、もう片手で折れた付け根を握って、何事もないふりを20分し続けた。
友達の話はうわの空。後ろを歩く気になる人に、もしバレたらとひやひやした。風にあおられながら、きつく柄を握りしめた。
笑顔でバイバイして、玄関の扉を閉め、長く息を吐いた。開いたままの傘と持ち手を足下に落とす。
手を見たら柄の跡がくっきり残っていた。
長くなりましたが、傘で思い出した話でした。
最近はずっと壊してない。大人になったなぁ。