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(途中)ウイルス感染の前提条件~意図的細胞損傷~

医学的詐欺の常套手段の1つに、「部分的真実を一般法則かのように宣伝」することが挙げられる。要は一部の集団の話が然も全人類に該当するかの如く煽る恐怖ポルノである。例えばうつ病の病理仮説であるモノアミン仮説もその一つだろう。

引用元の記事は米国の生化学の大家ウィリアム・ウォルシュ博士の書籍を要約したものだ。博士は2000人以上のうつ病症例に対応した臨床経験からうつ病を5つのタイプに分類した。本稿はこれが主題ではないので割愛するが、重要なのは、全てのうつ病にモノアミンの異常がみられるわけではないこと、逆に言えばモノアミン異常のうつ病も存在することである。まさに部分的真実だが、その細分化をせずにうつ病患者に十把一絡げにSSRIを処方すれば被害者が出るのは当然であり、そしてこの事実は統計詐欺に応用可能だ。そして言うまでもないが、欠乏症状の人物に欠乏した成分だけを補充すれば治療可能という発想が稚拙であることは前提である。うつ病然り脚気然りペラグラ然り。

さて、この部分的真実の話は感染症にも該当する。1972年時点で「ウイルス疾患の重症度は宿主側の遺伝組成に依存する」と指摘されているにも関わらず、このパンデミック期間中人間側の重症化条件を警告する専門家連中はほとんどいなかった。せいぜい高齢者は気をつけろという程度である。「若者もコロナ感染で心筋炎を発症する」と言われても、「若者」の定義を答えろという話だ。"モデル体型のバリキャリ20代女性"も"肥満体型の引き籠りニート20代男性"も統計上どちらも「若者」である。

頭の死んだ連中は感染症は無差別的だと考えている
やーいばーかばーか( ´艸`)

専門家の本来の役割は要注意人物の条件を早々に特定し、対策のオーダーメイドの対応に備えることだ。断じて集団行動を強要することではないが、指令元が軍事組織ならば致し方ないのかもしれない。

ということで本題に入る。ウイルス疾患を考える上で大きくウイルス側の性質と、人間側の体質を考える必要があり、現時点で私個人は以下の条件で細分化して追究している。

①ウイルス側の性質
 -1)輸送担体となる微生物(寄生虫(例:トキソプラズマ)/細菌(例:緑膿菌)/真菌(例:カンジダ))
 -2)エンベロープの有無
 -3)感染対象となる細胞型
 -4)感染に利用するタンパク分解酵素
 -5)結合する受容体(※確実に一つではない)
 -6)増殖に必要とする栄養素
 -7)宿主細胞の代謝経路への作用(代謝阻害or特定経路を亢進させるリモデリング)
 -8)ビリオン生成後に分泌される成分(毒素やペプチドホルモン)
 -9)相互作用する他の病原体(H. Influenzae/Clostridium属/Pseudomonas属/Enterococcus属/Streptococcus属/Staphylococcus属/Spirochete属/Mycoplasma/)
 -10)集合粒子となった場合での挙動の変化:クォーラムセンシンセング
②人間側の体質
 -1)遺伝子多型(免疫反応の強度:IL-4/IL-6/IRF-1)
 -2)遺伝子多型(特定の栄養素の代謝障害:MTHFR/トリプトファン代謝/)
 -3)遺伝子多型(白血球抗原)
 -4)住環境-周辺(電磁波汚染/水道の重金属汚染/衣類の化学繊維/衛生度)
 -5)住環境-地域(降水量/気温/海側か山側か・田舎か都会か)
 -6)食の偏り(セロン・ランドルフの再定義する「食物アレルギー」)
 -7)感染前の血液データ(単球-リンパ球比/尿酸値/BUN 尿素窒素…etc)
 -8)腸内・常在細菌叢の分布
 -9)医療への関与(過去の予防接種歴/抗生物質の使用歴(=潜伏感染するL型菌))

専門家ならこれくらい考えろと小一時間罵詈雑言を浴びせたい所だが、要素還元主義と専門分化が諸悪の根源だと理想論を語るだけの表面的な「議論」があろうと未来永劫$cience 商業的科学が改善も対策もすることはなく、誰も考えないならコチラでやるしかない。

本来ウイルス疾患はこれ以上の条件が絡むであろう複雑な現象のはずだが、専門家連中は徹底して確率論しか語らないので、「若者」だの「高齢者」だの「基礎疾患のある方」だの抽象的なワードばかりが飛び交う。こんなものただのバーナム効果である。結果として全く関係ない(=重症化条件を満たさない)人間までもが馬鹿げた感染対策に巻き込まれることになる。お得意の選択と集中とやらは感染対策の文脈では突然雲散霧消し、推進派反対派双方共に低俗なマウント合戦しか起こらない。4年も経って重症化に至る前提の血液データすらないなどあり得ないというのに(何なら2020年時点であるのに)発信内容に一切進歩がないのは、怠慢か意図的な詐欺のどちらかだ。

手段(感染対策)の為なら目的を選ばない連中である

このように、御用学者とは「部分的真実のみで嘘を吐く」連中であり、PJ風に言えば、「マジックの本質は視線誘導であり、誰も言及しない話題があれば、最初から議論は操られている」。従って彼等が語らぬ重要情報をコチラが探して指摘せねばならない。

そこで本稿でテーマとしたいのは、上記の「感染後臨床症状の構成因子」に先立ち、そもそも論に立ち返ってタイトルの通りウイルスと宿主を繋ぐ前提条件、即ち感染の成立条件について考察したい。そもそも感染してしまう人物、もとい細胞とはどのような状態にあるのか?私がここに疑問を抱いたのは以下の文献が切っ掛けだ。

Jenner assumes that the virus from the horse's heel is intensified by being passed through the cow, on the ground that the horse so rarely affects his dresser with sores, while a milkman rarely escapes infection from the cow. He could not positively determine, if the disease from the horse or cow could affect the sound skin, but thought that it probably did not.
~Transcriber's note~
Advances in virology from the 1960s states in no uncertain terms that virus is incapable of penetrating undamaged tissue. This would apply to skin, lungs, etc.
ジェンナーは、馬の踵の病毒は牛(の身体)で継代させることで強毒化するものと推測したが、それは装蹄師が馬から感染して爛れを起こすことは滅多にない一方で、搾乳人は牛からの感染を免れることも滅多にない為である。ジェンナーは、馬や牛の病気が(人間の)健全な皮膚に感染し得るか断定できなかったが、恐らく感染しないものと考えた
~書き起こし者の解説~
1960年代の"Advances in Virology"には、ウイルスは未損傷組織に侵入できないとハッキリ書かれている。これは皮膚や肺なども当て嵌まる。

Crookshank, E. M. (2015).
History and Pathology of Vaccination ~A critical inquiry~ (P. Jordan, Ed.; Vol. 1). ;p260

この文献は、そもそも「ウイルスは未損傷組織には侵入できない」=「健康細胞には感染しない」と主張する。中々イメージし辛いのは、例えば下記の図を見ると、受容体となるACE2を発現していればどんな細胞であろうと一方的にSARS-CoV2は感染するかのように思えてしまうからだろう。

Angiotensin-Converting Enzyme 2 (ACE2) in the Pathogenesis of ARDS in COVID-19-Fig.1

だがこの図は、その際の「細胞の状態」には触れられていない。健康細胞なのか損傷細胞なのか腫瘍細胞なのか、活動細胞なのか休眠細胞なのか、成熟細胞か未分化細胞か、「細胞の状態」一つでも考慮すべきことは幾らでもあるが、それはこの図だけでは分からない。(人類の歴史上レイモンド・ライフを除き)実際にウイルスが細胞に感染する瞬間をリアルタイムに動画で捉えたウイルス学者はいない事情からも、あくまで上図は概念図であることに留意せねばならない。そこでまずは歴史を遡って状況証拠を集めることにする。

先述の引用文は、天然痘ワクチンの開発者エドワード・ジェンナー(1749-1823)を徹底批判した約130年前(1889年)の文献の解説付き復刻版からだが、ジェンナー自身が健康細胞には病気を伝染させられないと考えていたと記されている。実際問題、この指摘は、病理の起源は「細胞の完全性の破綻」であるというアントワーヌ・ベシャンの病理学や、癌細胞の代謝でノーベル賞を受賞したオットー・ワールブルクの「癌細胞の発生は細胞損傷による不可逆的な呼吸(=酸化的リン酸化)障害に始まる」という発言からも筋の通る話ではある。ギルバート・リン曰く、「可逆的ATPの喪失は生命活動であり、不可逆的ATPの喪失は死である」が、ワールブルグ曰く、癌細胞はその不可逆的ATP喪失の中で無酸素の発酵にエネルギー代謝を切り替え、分裂増殖により適者生存した細胞だ。

では健康細胞にそのままウイルスを曝露させた証拠はないのか?1960年代のAdvances in Virologyには掲載されているようだが、ここではもう少し迂回したい。

エドワード・ジェンナーが牛痘接種法を表向き発明したという体その以前まで、人間の天然痘患者の膿を直接植え継ぎする人痘接種 Variolationが数百年間実施されていたことは史実にある通りである。しかし、この時代に素人療法として人痘接種自体が素人療法だが別に「天然痘を買う(buying smallpox)」という行為が行われおり、これは天然痘患者から文字通りに「膿を売買」して皮膚に擦り込む方法であった。そんな行為に何の意味があるかは、20世紀初頭の米国で全く同じ実験を行ったマシュー・ロダーマンド博士を見れば一目瞭然だろう。

私が翻訳してTwitter上でスマッシュヒットしたロダーマンド博士、Twitter上では「伝染病は存在しない」という内容で拡散されてしまったが、この実験はまさに「健康細胞にただウイルスを擦り込んだだけでは、感染も発症も伝染も起こらない」ことの実証である。要するに何の意味もない。

20世紀の天然痘版ペッテンコーフェル(コレラ菌自飲実験)である

従ってウイルス側が健康細胞を一方的かつ無条件に損傷させることはなく、だからこそ、昔の予防接種ではランセットによって物理的に表皮細胞を損傷させなければ膿を「着ける」(=天然痘ウイルスを感染させる)ことができなかった。つまり、感染の起点となる細胞損傷自体は別の要因が絡むことになり、その中でもワクチン接種の手術法はウイルス感染の実演であったことになる。

※注)ワクチン未接種なら感染しなかったとは言わない。20世紀以前の世界は「スーパー抗原」こと黄色ブドウ球菌と化膿性連鎖球菌が猛威を振るっていたし、体内を這いずり回る寄生虫をほぼ全人類が持っていたし、食べ物はカビだらけだし、ハエとカメムシとダニとノミに噛まれまくる衛生環境だし、下剤に水銀を使う時代だし、頻繁に残虐な暴力行為と戦争があった時代である。細胞損傷の機会など幾らでもあるし、また、ベシャン曰く、微小発酵体 マイクロザイマスは温度に極めて感受性の高い生物であり、栄養失調で低体温の子供は頻繁に細胞死が起こっていただろう。

以上より、ワクチン接種で感染率が上昇するのは至極当然の話であり、そもそもエドワード・ジェンナーはまさにそこに利益を見出していたのであって、争点はそれを前提とした上でのメリットのはずである。原理的には本来歓迎すべき「ワクチン接種後感染爆発」を必死に否定する理由が私には分からない。

※天然痘ワクチン批判はすぐに統計情報で反発されそうだが、ウイルス学的診断技術も、観察を裏付ける臨床診断学もない時代の統計情報など捏造し放題である。陰謀論?8割オジサンも認めてるのに?

だが、現代はランセットを卒業して注射に持ち替えており、この事情から天然痘とは話が違うと反論されそうだが、その代わりに現代はアジュバントによって体内で炎症反応を意図的に誘発しており、これは要するに損傷対象が表皮細胞から血管内皮細胞に変わっただけだ。

マクロレベルでの観察では裏付けがあるので、ここから実験室でのミクロレベルと整合性を取りたい。現代ウイルス学者が自覚的かは兎も角、当初のウイルス学者達は確実にこの事実を知っていたであろう。だからマクロレベルでの現象を再現する為の実験条件の中に秘密があるはずである。まずはウイルス学の歴史を振り返ろう。

ヴァーヘニンゲンの農学校の微生物学の教師であったマルティヌス・ベイエリンク(1851–1931)は1898年、マイヤーの実験を再現し、濾液には新しいタイプの感染因子が含まれていると確信した[4]。彼はその因子が細 胞 分 裂 を 行 う 細 胞 内 で の み 増 幅することを観察し、それをcontagium vivum fluidum(生命を持った感染性の液体)と命名し「ウイルス」という語を再導入した[3]。ベイエリンクはウイルスの実体は液体であると主張したが、後にアメリカの生化学者・ウイルス学者ウェンデル・スタンリー(1904–1971)によってウイルスが粒子であることが実証されると、彼の理論は信用を失った[3]

人類が初めて発見したウイルスこと、タバコモザイクウイルス(TMV)での話である。細胞分裂中の細胞でしか増殖しないという衝撃事実だ。これを報告したベイエリンクがウイルスを液体と誤認していようと関係ない。ウイルスが見えないことは細胞の病変の条件とは無関係であり、従ってこの観察を否定する根拠にはならない。天然痘ウイルスとHPVは変異の遅いDNAウイルスだからと意味不明な言い訳も言えたであろうが、TMVはSARS-CoV2と同じ一本鎖プラス鎖RNAウイルスである。

ここで千島学説の登場である。現代科学はルドルフ・ウィルヒョーの格言「全ての細胞は細胞から Omnis cellula e cellula」に則って、全ての細胞は分裂で増殖すると考えている。この構想に則れば全身の細胞は頻繁な分裂状態にあり、上記の通りにウイルス感染の前提条件が細胞分裂にあるとすれば、感染の機会は何れにせよ豊富にあることになる。だが千島学説を是とした場合、身体の恒常性維持は細胞分裂より赤血球の可逆的分化で行われている。

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