見出し画像

ウイルスと微生物の性質①~CIA極秘文書~

以前も紹介したが、ソビエト微生物学のCIA文書を改めて全文訳する

1948年の有名なルイセンコの遺伝学論争に引き続いて、ソビエト生物学の分野で大きく取り上げられたものは、一つは1949年10月に生誕100年祭を祝われたパブロフの大脳生理の学説のその後の発展方向の批判であり、もう一つはいまここに紹介しようとする、レペシンスカヤ女史の細胞発生についての新説である。このほかにもなお、ボシャンの細菌とウイルスの相互移行の問題、スぺランスキーの病変における神経の役割についての問題をあげることができる。

日本語でボシャンに関する記述はコチラの文献で読める。
1953. 現代のソヴェト医学. 蒼樹社.


翻訳する文書がコチラ⇩
Bosh’yan, Gevork Mnatsakanovic. 1950. ON THE NATURE OF VIRUSES AND MICROBES. Weekly newspaper. Moscow: CIA.
https://www.cia.gov/readingroom/document/cia-rdp80-00809a000600320372-3

馬伝染性貧血の原因ウイルスに関する研究の過程で、このウイルスは特定条件下で顕微的に視認可能な微生物へ変形することが立証された。その後、人工栄養培地で培養に成功し、その間に培養物の成長に関連して形態学的、生化学的な持続的変化を遂げ、この変化は外部環境に依存する。これは他のウイルスにも該当すると実験的に証明された。

この研究に基づき、以下の3つの関係を定式化することができる:

1.濾過性ウイルスは微生物形態へ変形可能であり、これはまた濾過性ウイルスへ戻ることが可能である。

2.微生物は濾過性形態(ウイルス)へ変形可能であり、これはまた微生物形態へ戻ることが可能である。

3.濾過性ウイルス形態も微生物形態も、両者とも結晶形態へ変形可能である。後者は更に、最初の形態に一致する元の状態へ戻ることが可能である。

本研究に関連し、(化学的ワクチン含めて以前まで死んだ状態と仮定された)ワクチン/医学的予防血清/アレルゲン/毒素/抗毒素/バクテリオファージ/抗生物質、これらの生物学的本質が確立された。また、感染症免疫にある原因も明らかとなった。

病原微生物が動物体内に侵入すると、微生物の細胞がその構成要素にまで分解されて濾過性形態、即ちウイルスとなる。分解されると、微生物は病原性が低下するか非病原性となり、動物に免疫を付与する。つまり、微生物は競合因子から宿主と結合した「生きた物質 living substance」へと変形し、このプロセスは同時に微生物の生存を確保する。従来の見解に反し、寄生菌と腐生菌に明確な線引きは存在しない。常に相互適応が存在する。濾過性ウイルスと微生物の相互変換は偶然の産物ではなく、極めて一般的であり、普遍的な生物学法則の表れである。同じ種におけるウイルス形態と微生物形態は、相互変換の過程で別の種へと進化を遂げる。腸チフス、ブルセラ症、結核、炭疽、破傷風、赤痢、パラチフス、ジフテリアなどの病原体の濾過性培養物から元の微生物形態が分離された事実は、微生物が濾過性形態(ウイルス)へ変形する能力があること、ならびにウイルスと微生物の区分が完全に人工的である証明である。

生きた微生物やウイルスが、従来まで無菌状態とされた物質、即ちツベルクリンやマレインブルセロハイドロライセート brucellohydrolysateや、ペニシリン、オーレオマイシン、ストレプトマイシン等の抗生物質から分離される事実は、生命の境界が、パスツール以来の科学が想定するより遥かに超越した所にある証明である。G. M. Bosh’yan、M. S. Shaburov、M. N. Popov’yantsらによる、不活化ワクチンから生きた微生物や生きたウイルスの分離、また(従来まで抗体だけが存在すると想定された)高免疫血清 hyperimmune serumからの生きた微生物の分離は、感染後およびワクチン接種後の受動性、能動性免疫の所謂無菌状態に全く新たな光を当てることになる。微生物と区別された存在としてのウイルスは生きた細胞の外で増殖できず、宿主の動植物組織における細胞内寄生体としてのみ生存するという仮定は誤りであるウイルスは核複蛋白 ribonucleoproteidsが存在する限り人工培地で成長・増殖する。ウイルスは土壌、空気中、水中で発生する。

ウイルスの代謝、分裂、増殖は結晶化により進行する。ウイルスの核複蛋白は基本的タンパク質であり、そこから微小生物の全ての形態と種が形成される。濾過性ウイルスや微生物濾過性形態から形成過程にある微小生物は極めて不安定で容易に分解し、様々な形態へ変形する。

馬伝染性貧血に関する研究を基に以上の結論に到達しつつ、著者達のグループはその他多くの病原性ウイルスの結晶形態や微生物形態も入手した。濾過性ウイルスから微生物形態への変異は特に容易ではなく、これはウイルスが病気のキャリア~即ち宿主~のタンパク質と強固に結合している為である。 この結合が阻害されると、ウイルスは先ず顕微的な顆粒へと変形した後に微生物となる。変異には多くの段階があり、完全な変異には長い時間を要する。最終段階の微生物は通常の栄養培地で正常に成長・増殖する。著者が開発した特殊な技術により、変異の全ての段階が明確に確立された。微生物からウイルスへの逆変形が、動物体内への微生物注射により達成された

この方法で得た培養微生物は乾燥状態で数年間保存可能であり、弱い塩や酸、アルカリ溶液の処理でも成長する能力を喪失しない。数時間の煮沸の影響も受けない。

変異段階の一部に致命的な形態がある一方で、特段の病原性もなく無害な形態もある。正しい段階にある少量の微小生物は問題となる疾患に感染した動物を治癒したり、健康動物に免疫を付与する。

最近まで濾過性ウイルスを人工栄養培地で増殖させることはできなかった。現在、以下のウイルスが可視的な微生物形態へと変異し、人工培地で成長する。
馬伝染性貧血/豚ペスト/鶏ペスト/舌炎(口蹄疫(Aphtae epizooticae)、水疱性口内炎(Stomatitis epizootica))/恐水病/馬脳脊髄炎、チフス/ヒト自己免疫性脳炎/豚インフルエンザ

馬伝染性貧血/豚ペスト/鶏ペストの原因ウイルスから入手した微生物の病原性および同一性が動物実験により確認された。逆に、40種類の微生物を(a)結晶形態と(b)濾過性微生物形態へと変換させた。微生物濾過性形態の調査の過程で、バクテリオファージはバクテリア細胞を非常に代謝率の低い微小粒子へと分割することが立証された。微小生物は消失せず、別の形態へと変換される。微小生物の特定の形態からウイルス等の別形態への変換により、外部からの致命的影響に対する抵抗力が増大する。ウイルス、微生物濾過性形態、両者の結晶形態は、微生物植物形態よりも耐性がある。

いいなと思ったら応援しよう!

MitNak
サポートで生き長らえます。。。!!