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宮崎探訪記(地元民目線)
はしがき
都会から我が故郷へとやってきた友人たち。
この陸の孤島のポジキャンをしてもらわねば……と崇高な使命を帯び、彼らに同行しましたが何だか自分も堪能してしまったのでその日記。
身の上はごちゃっと書いてますが、端的に述べるとUターン勢です。
一日目 宮崎ラウンドワン,宮崎駅周辺
夕方から合流。
隣県鹿児島から旅程をスタートさせ、日豊本線を使って宮崎入りする友人たちを待ち受けたる地は音ゲー勢最後の園「宮崎ラウンドワン」。宮崎行脚の実績を解除できるゲーセンはひとつかふたつ、そんな田舎の特色をしっかり堪能していただいています。
宮崎神宮 pic.twitter.com/YWtL1RHynJ
— みとりん (@mitorinium37) February 24, 2023
よくわかりませんが「中吉」とのことでした。
宮崎の音ゲー事情において比較的分かるボルテについて述べておくと、そもそも市内全体で片手の指の数ほどしか台数がなかったところに、数年前の新筐体アプデが来たことで淘汰が進んだ感があります。
アプデ当初は都内でさえ新筐体にありつけず、秋葉原で1クレ200円の貴族ボルテを嗜んだ思い出。時間の流れとともに徐々に浸透しきましたが、肉体の末端のごとき地方ともなればもはや遅速の問題ではなく……。
実績を解除し終えて飯。
友人たちが目星をつけていた店が想定以上の満席で入れず、まあこの際どこでも変わらんかという軽いノリで飛び込んだ居酒屋が、想像を上回る美味さでナイス。
チキン南蛮は翌日に回していたのでそれ以外……ということで、この日は地鶏や刺身などをメインにいただく流れに。
それらもしっかり美味かったのですが、個人がしれっとオーダーしていた焼き芋が笑みもこぼれるほどに絶品で。いい意味で裏切られたことまで相まって、満場一致でこの芋を最推しメニューとするなど、嬉しい誤算もありました。
ヤバい芋
— みとりん (@mitorinium37) February 24, 2023
ヤバ芋 pic.twitter.com/a1odrm7iGD
好印象だったお店が、ネット上の評価で決して高くはなかった時にしか得られない正体不明の満足感、あると思います。
食事後、友人たちは宿へ向かい、自分は住まいへ。
本格的な探訪は明日。この日は若干の雨模様でしたが、翌日は晴天との予報が出ており、おそらくはいい景観が臨めるであろうことに安堵。目的地が私的にゆかりがある地でもあったので、久々の訪問が楽しみでした。
二日目 油津港,鵜戸神宮,宮崎駅周辺
ところでこの旅行が組まれた時期ですが、意図せずして侍ジャパンが宮崎でキャンプをしているシーズンにぶち当たり。肌感覚ですが、年間を通して最も県外からの旅行者が多い時期じゃないでしょうか。
前日の街中でもそのムードを薄っすら感じていましたが、二日目はその事実を身を以て分からされることになります。
日南線って山手線?
— みとりん (@mitorinium37) February 25, 2023
目的地である「油津港」へ向かうべく、朝9時ごろに南宮崎駅へ。
そこで見たのは、凄まじい雑踏に氾濫しかけている駅のホーム。平素の宮崎ではなかなかお目にかかれない圧倒的な『密』がそこに。
キャンプ地である木花駅に向けては別に臨時が出ていたため、その先の油津を目指す自分は優先的に乗車させてもらうことができましたが、それでも車内は前の駅から乗っている旅行客が満載。
その数わずか二両。県民だって普段は使わぬローカル線で怒涛の人々が押し合いへし合いもすれば、数か月前まで乗っていた朝の小田急を走馬灯に見るのもさもありなん、ということです。
とはいえ幸いにして木花駅は近いので20分ほどで解放され、友人たちが宿を取っていたこどものくに駅で合流。そのまま道なりに油津へ向かい、到着したのは大体11時半ごろだったでしょうか。
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宮崎県広島市?
かつてはこの地に親戚がおり、幼いころは年数回訪ねた思い出の港町でしたが、久々に訪ねてみたら驚嘆必至。
侍ジャパンがそうであるように、様々な球団がキャンプ地として利用しているのがこの宮崎という県の特色です。油津がある日南市がカープのキャンプ地である、というのは語るまでもないことでしょうが、ここまで馴染んでいるとは……。
少し調べてみたところ、2020年2月からこの外装だそうです。元々は全面白塗り(駅舎上部”Carp油津駅”と書かれている箇所)の駅舎でした。
何とも言えぬ景観に後ろ髪をひかれつつ、足は油津港の方へ。
そもそも何故に日南へ来たのかという話に立ち返りますが、一因としては映画『すずめの戸締り』における聖地として日南市が挙げられていたから。
自分も見ましたが、こういった話題作に宮崎訛りが出ると流石に一抹の嬉しさがありますね。
日南には「小京都」とも呼ばれる地域があることから、閑散とした街並みの中にもレトロな風情が垣間見えます……少なくとも自分には。
ドラマやコスプレイヤーの撮影なんかでたまに注目を浴びている印象。
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駅から10分少々歩けば、間もなく潮の香。
今更ですが、天気最高すぎワロタでした。最高過ぎたために写真撮影を忘れていたことを今更後悔しています。
波も風も立たない穏やかな港町をぶらりと歩いた後は海の幸。
腹パンすぎて轟沈 pic.twitter.com/JIFn3nudjv
— みとりん (@mitorinium37) February 25, 2023
海鮮は、海が近ければ近いほど美味い(自由律)
ここは先述の親戚がひいきにしていたお店で、こちらも子供のころは日南を訪ねる度に食した思い出の味。宮崎を離れてからは訪ねる機会もなく、久しぶりの来店でした。
まさかここへ、県外からの友人を連れ立って訪ねることになるとは。デカい海老フライを食いつつも、感慨深さにしみじみとしておりました。
昼過ぎにはバスに乗り「鵜戸神宮」へ。
宮崎を代表する神社のひとつにして、真の陸の孤島。
ドが付く沿岸に位置するこの神社は道路経由でしか行けず、故に帰りが列車ではなくバスになったというわけです。
日南からは30分もしなかったでしょうか。
— みとりん (@mitorinium37) February 25, 2023
景観がよすぎて語彙も貧弱。
人の顔が映った写真ばかりで、ロケーションだけを意識した写真が全く残ってない事実と戦いながらこの記事を書いています。
日差しがよく通り、やや春を感じるくらいの気候。
海原を右手に臨みつつ境内を進むと、そこまでの時間を要さずして最奥のご本殿へとたどり着きます。めいめいにお参りを済ませたらメインコンテンツへと。
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この辺りも先に貼った公式サイトを見ると分かりやすいかも。
本殿近くの崖下に亀に似た大岩があり、その甲羅にあたる部分の真ん中にちょっとした窪みがあるのです。で、この運の字が入った「運玉」という代物を投げ込み、見事窪みに入れることが出来れば満願成就という催し。
端的に言えば「願うな、自力で得よ」ということです。ちなみに男性は左手で投げ込むという謎ルールもあります。
数年ぶりにやりましたが……今回は運に恵まれなかったということで。
何やかんやしていたら2時間が経過し、市内に戻るバスの時間に。
帰路の最中、ありえんほどのバスの振動に三半規管がシェイクされ、ここ数年で覚えたことがないレベルの乗り物酔いが炸裂。途中で一時離脱していなければ、この晴天の下に行われた旅程に文字通りの汚点を残していたことでしょう。無事でよかった~。
何やかんやあって市内、宮崎の大通り「橘通」へと戻って来たのは17時。
彼らの旅の締めくくりを担うのは、チキン南蛮と言えばのこのお店。
ひとつ懺悔すると、生まれてこの方ずっと瀬頭店が本店だと思っていました。瀬頭店には2回ほど行ったのですが……。
これは個人的な印象だけど、チキン南蛮は家庭料理の要素が大きい気がしていて、故に居酒屋とかならどこでもそつなく美味い一品が頂けるように思うんですよね。
でも、チキン南蛮を看板に据えてるお店はこの「おぐら」くらいしか見当たらないので、そりゃ県外から来る人たちはここ択一になるよな、ということをいつも感じています。
有名だが、県民はあまり食べない味というのはあると思います。福岡に住んでいた時期がありますが、一蘭とか食べなかったし……。
と述べたように、僕自身「おぐら」のチキン南蛮に馴染みが薄い県民だったので、これはむしろ好機。県を代表するそいつがどんなもんか賞味しようと意気込んでいたのは、当日の鵜戸神宮を出るまでのことでした。
バスから受けたダメージが回復しておらず、米と肉でがっつりキメるのはリスクが高いと判断した結果、カツカレーへと面舵いっぱい。
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友人たちのチョイスも、周りのテーブルも、見遣れば一様にチキン南蛮。
18時以前の訪店であるにも関わらず、店の前に凄まじい待ち列があったのはやはりキャンプ目当ての旅行客だったのでしょう。県民の僕も傍から見れば旅行者だったでしょうが、カツカレーを選ぶ客は明らかに異端。
お味は……普通に美味い!
食べたわけでもないのに解説するのはアレですが、ここのチキン南蛮は開いた鳥むね肉を使っているのが特徴でしょう。ナイフとフォークで切り分けつつ、たっぷりのタルタルソースをディップして米といただく。
チキン南蛮にも様々な流派があり、家庭料理という視点に立てば鳥むね肉は親しみが薄いけど、だからといってこれが美味くないわけないよな~。
「おぐら」を出た後は宮崎駅に向かい、各々がお土産を買っているところを眺めた後、解散。思えば宮崎駅で誰かを見送る、というのも初めてのことで、地元でありながら何やかんや新鮮づくしの探訪でした。
あとがき
今回は出迎える側であって僕自身は旅をしたわけじゃないけど、旅行者に同行することで疑似的にその雰囲気を感じられたように思います。
これは道中で話題にしたことだけど、旅に伴う「この顔ぶれで、この土地に?」という意外性のことが、自分は好きだと気付きました。
意味は違うけど、いわゆる「一期一会」の精神というか。油津の件でも述べたように、まさか昔馴染みの店に遠方から来た友人を誘う機会が来るなんて思ってもみなかったことだけど、それもまた縁とか巡り合わせみたいなものだと思うと尊い気持ちになりますね。
これって加齢?
自分の旅行のモチベも上がる、良質な行脚でした。