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36歳のおっさんがヒッチハイクをしてコンフォートゾーンからの脱却を図った結果

おはようございます、こんにちは、こんばんは、ミテモの眞蔵です。
今年のお盆休み、地元の神戸に帰省する際、普通に帰っても面白くないと思い、ヒッチハイクで帰ることにしました。きっかけは、ヒッチハイクで日本二周(一周ではなく二周!)を成し遂げた友人から勧められたことと、彼が今、勤めてる会社でナンバーワン営業マンになったことでした。ちょうど、自分のコンフォートゾーンを抜け出すことの重要性を感じていたタイミングでもあり、また、ホリエモンが「ゼロ」(※1)という書籍の中で、ヒッチハイクを経験することの重要性について語っている箇所を思い出し、そんな何やかんやが重なって、決行することにしました。36歳、ヒッチハイクをやるには難しいと思われても仕方ない年齢での決断でした。

慣れるとコンフォートゾーンは退屈になる

実際にヒッチハイクを始めると、高速に乗るまでは苦労したもの、SA/PAではほとんど苦労せず乗せてもらうことが出来ました。乗せてもらうまでに10分以上かかったことはありませんでした。車内での会話も、ヒッチハイクという非日常を共有していることもあり、ほとんど途切れることはありませんでした。始める前は、「年齢的に乗せてもらえないのではないか」とか、「会話が続かなかったらどうしよう」とか、いろいろ考えましたが、いざ始めてみると驚くほどに、何もかもがスムーズに進んでいったのです。

次第に私はつまらなくなりました。自分のコンフォートゾーンから抜け出すために、ヒッチハイクを始めたのに、スムーズに進んでしまうと、本末転倒だからです。

私は、自らを追い込むために新たなルールを設けました。
①行き先が同じ方向でも、県境を2つ越えたら降ろしてもらう。
②ボードを持ってただ立っているのではなく、自分から話しかけて交渉する。

特に②のほうは効果てきめんでした。当たり前ですが、ほとんどの人に断られます。しかし、それもしばらくたつと、だんだんコツがわかってきて、乗せてくれそうな人を見わけられるようになりました。同年代のグループは、面白がって乗せてくれるのです。気がつけば、私は話しかけやすそうな人を選んでいました。新たなコンフォートゾーンの出現です。

そこで私は、出来るだけ笑顔の少ない、年齢の離れている人を探して声をかけるようにしました。断られる頻度が上がりました。が、私はワクワクしていました。この人たちを笑顔にできれば、私の会話スキルはまた上がると思えたからです。

その後、私はコンフォートゾーンから抜け出すために、さまざまなことに挑戦しました。

行き先を示すボードに「インド」と書いて立ってみたり(大阪では笑って停まってくれる人もいましたが、他の地域では壊滅的でした 笑)、敢えて乗せてもらえやすい高速からは降りて、下道でヒッチハイクしたり(最大8時間停まってもらえませんでした)。

ヒッチハイクが終わる頃には、私の中にあらゆるイライラに対する耐性が出来上がっていました。うまくいかないからこそ楽しい。そう思えるようになり、このメンタルバランスは、今でも仕事やプライベートで役立っています。

ヤーキーズ・ドットソンの法則とストレスが人体に及ぼす影響について

生理心理学の基本法則に、「ヤーキーズ・ドットソンの法則」というものがあります。
簡単に言うと「動機付け(緊張感)が適切であれば、学習活動のパフォーマンスは向上する」という理論です。逆に言えば、プレッシャーがない状態では、パフォーマンスはあがりませんし、プレッシャーが強すぎればむしろパフォーマンスは低下します。

これをビジネスの場面に応用すると、「失敗しても致命傷にならない環境の設計」が必要であるといえます。失敗に対するパワハラなどは論外ですし、放任しすぎると、失敗がキャリアに重大な傷をつけたり、組織全体に影響を与えることもありえます。

そういう意味では、私にとって今回のヒッチハイクはとても適切なプレッシャーだったように思います。誰にも乗せてもらえなかったとしても、失うのは時間と体力だけですし、たとえ誰かとトラブったとしても、その人はもう二度と会わない人です。いざとなったら新幹線で帰れば済む話ですから。

また、スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクゴニガル氏は、「ストレスが健康に悪い」というのは思い込みであるということを述べました(※2)。3万人への調査のうち、強度のストレス下において死亡リスクが高まったのは、「ストレスは健康に悪い」と思い込んでいた人たちだけだったのです。そして、「ストレスは健康に悪い」と思っていなかった人たちには、死亡リスクの上昇は見られず、それどころか、このグループは、調査をした人たちの中で最も死亡リスクが低かったのです。

昨今の多くの研究から、ほどよいストレスは、人を賢く健康にし、成功へと導くものであるということが明らかになっています。ストレスを避けようとするよりも、むしろ前向きにとらえることで、最高のパフォーマンスを発揮することができるのです。

今日から自分のコンフォートゾーンを抜け出し、ワクワクしながら生きていきませんか?

参考資料
※1:堀江貴文(2013)『ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく』ダイヤモンド社.
※2:ケリー・マクゴニガル(2013)『ストレスと友達になる方法』TED Talk.
https://www.ted.com/talks/kelly_mcgonigal_how_to_make_stress_your_friend?language=ja


著者プロフィール:眞蔵修平
元教師・教育問題漫画家。大学卒業後、公立中学校に赴任。教育現場の劣悪な環境に違和感を感じ、外側から教育現場を変える様々な活動に参画。 2017年不登校生の支援活動Lennon’s Loupeを立ちあげる。
現在、自分の漫画作品を執筆しながら、ミテモをはじめとする様々な教育系企業と関わっている。多様性を認め、誰も苦しまなくていい環境、誰もがのびのびと生きていける環境を、教育現場を超えて提案していきたい。

眞蔵修平個人HP
https://www.matthewroom.com/


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