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「ホールネス」を大事にする組織づくり~「本当の自分」発揮がもたらす価値

こんにちは、ミテモの飯田です。
書店などに並ぶビジネス書のマネジメントカテゴリーで、いま断トツの売上1位を記録している大ヒット書籍『ティール組織』(著:フレデリック・ラルー、2018、英治出版)をご存知でしょうか。

本書では、これまでのマネジメントの常識をくつがえすような、従来の組織パラダイム(官僚的な組織や、達成型の組織など)が進化したバージョンの組織モデルである「ティール組織」の概要が紹介されています。

すべてのビジネスパーソンにおすすめしたい本ですが、なにせ500ページを越える大著で、手に取るのにはちょっとした勇気がいります。そこで、ここでは本書における重要なキーワードのひとつ「ホールネス(全体性)」をご紹介したいと思います。

新時代の組織づくりのキーワード:「ホールネス」とは?

「ホールネス」とは、自分のすべての人格・人間性をさらけ出すことを意味します。みなさんは、職場で、自分のすべてをさらけ出せていますか。きっと多くの方が、「本当の自分」とは別、またはその一部の、「職場のための人格」をもちいているのではないでしょうか。本書のなかでは、それは「仮面」と名付けられています。

職場での「仮面」は、たとえば、強さ、意志、決意、力、合理性、論理性のような要素が前面に出る傾向があります。逆に、弱さや迷い、情緒や直感といったものは、職場にはふさわしくないものとして無視され、抑圧されてしまう傾向があるようです。

「ティール組織」とホールネスの関係

しかし従来の組織モデルとは違って、「ティール組織」ではホールネスの導入を積極的に推進します。「ティール組織」は、メンバー全員が弱さや迷いなども含めたすべての人格・人間性を発揮して、自分らしく働けることを大事にするのです。また、「ひとりひとりが、より幸せで充足した職場生活を送れること」そのものに、大きな価値を置いているのも特徴です。

組織にホールネスを取り入れる、つまり、ひとりひとりが職場で自分らしさを発揮できるようになると、人は仕事に対していっそう情熱とエネルギーを傾けられるようになります。それが組織の目的を達成するための、大きな推進力になるのです。

職場へのホールネス導入を妨げる、最も大きな要因

読者のみなさんにも、このような「ホールネス」導入の意義や価値に、きっとご賛同いただけるはずです。しかし同時に、こうも思われるのではないでしょうか。

「もし、部下がやりたい放題になって制御できなくなったらどうしよう。」
「自分がまわりからバカにされたり非難されたりして、傷ついてしまったらどうしよう。」

頭ではわかっていても、このような「恐れの感情」が妨げになり、実際に職場へホールネスを取り入れようとすると、なかなかうまくいきません。したがって、まずはこのような恐れの感情を解きほぐすことが、ホールネスの導入にとって重要です。

「自己開示」への恐れをほぐすために~ファシリテーターの視点から

私たちが実施しているレゴ®シリアスプレイ®のワークショップでは、まさにこのような「組織の感情面・情緒面」に焦点を当てて、対話をしてもらっています。私たちのワークショップが目指すのは、すべての参加者が自分の感情を共有し、違いを認め合い、学びあうということです。

まだ場があたたまりきっていないワークショップの序盤では、様子見のおずおずとした雰囲気があったりもしますが、だんだんと自己開示をするひとが現れます。それに耳を傾けてもらえることで、場全体に「自分をさらけ出すことは、こわくない!」という、安心・安全の雰囲気が生まれます。後半になると、全員が自分の思ったことをのびのびと話せるようになります。

レゴ®シリアスプレイ®のワークショップの一番の魅力

ファシリテーターとして受講者のみなさまの様子を観察していて、私が最も面白いと感じるのは、「目に見える変化」がその場で生まれることです。

それは、単に同僚同士が仲良くなったり、相互理解が深まったりといった変化にとどまりません。仕事に関する有意義なアイデアが生まれたり、課題解決の小さなプロジェクトチームが発足したりすることもあります。まさに、ホールネスの導入が組織にもたらす良い変化を、レゴ®シリアスプレイ®のワークショップのなかで確認することができるのです。


ティール組織についてはこちらもご覧ください

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