スタンプラリー
外を出歩けるようになり、偶然見かけたスタンプラリーのポスターに誘われ、久しぶりに参加したところ、まんまとハマり近隣を周遊してしまいました。
診断士試験では運営管理の店舗設計で顧客の動線コントロールが売上向上の施策として紹介されています。スタンプラリーが地域活性化の事例としてテキストに取り上げられる日も近いのではないかと妄想しています。今回は利用者目線でスタンプラリーの魅力を記事にしたいと思います。
私が本格的にスタンプラリーに挑戦したのは、20年近く前の道の駅スタンプラリーです。
最初はラリーの存在を知らず、休憩に立ち寄った道の駅で見かけたスタンプを観光案内のチラシの裏面に押して持ち帰っていました。
複雑な図案だと特にそうなのですが、押したときにどのように写るか気になってしまうため、スタンプが置いてあるとついつい押してしまいます。
ラリーに参加せずスタンプ単体を持ち帰っても、その地を訪れた記録と記念になります。道の駅のスタンプを例にとると地域の特徴を活かしたデザインが考えられていてスタンプの図柄を見るのも楽しみの1つです。日本の図案化技術は世界に誇る文化・能力の1つだと思います。
スタンプの応用的な利用方法として、写真にスタンプを押す(デジタル加工する)ことでポストカード風の独自写真に仕上げることができます。
スタンプを集め始めて半年くらい経った頃に、道の駅のポスターでスタンプラリー専用の台紙があることを知り、スタンプ収集が本格化しました。台紙を使いはじめると収集癖に火がついてしまい、立ち寄る予定がなかった道の駅にまで足を延ばすようになります。
道の駅のスタンプラリーではスタンプ制覇の認定証が用意されていましたが、賞や景品がない場合でも収集してしまうのは、集めきったときの達成感を得たいためなのかもしれません。
江戸時代の日本にも寺社で御朱印をいただく文化があり、海外ではパスポートに入出国のスタンプを集める人もいるそうなので、コレクション癖は人類共通に内在しているのではないでしょうか。
若い方は経験がないかもしれませんが、夏休みのラジオ体操は収集癖を利用されていたのかもしれません。
コレクションが進んでくると、枠が用意されているのに埋めきれていないことが気持ち悪くなってきます。スタンプではありませんが「ポケモンGO」は図鑑を埋めたくなる心理を上手く使っていると感じます。ポケモンGOでは、強いわけでもなくレアなわけでもないけれど、特定の地域でしか手に入らないモンスターが存在します。100個の枠があったとして95個くらいまでは近場ですぐにでも手に入るのに、あと数個が、特定の地域に行かなければ手に入らないもどかしさがあります。
枠が埋まりきらない気持ち悪さは人によって程度の違いがあると思いますが、私はスタンプやモンスターが埋まっていないことが旅行に出かける動機になります。
パンデミック前は、鉄道や高速道路のサービスエリアなど各地で様々なスタンプやスタンプラリーの案内を目にしていたのですが、今年はデジタル技術を利用したスタンプラリーが特に目にとまるようになりました。
3つのデジタルスタンプラリーに参加しましたが、スマホアプリやWEBページが台紙代わりになっていて、各地に設置されたQRコードや位置情報からチェックインすることでスタンプや2次元キャラクターの画像が手に入るという仕組みでした。
アナログのスタンプラリーには、普段は足の向かない場所に人を誘導する効果がありましたが、デジタルでもしっかりと誘導されました。企画者の意図どおりなのだと思いますが、居住地域にもかかわらず裏路地に隠れているせいで、いつもは見過ごしていた文化財や史跡に気づくことができました。
秩父で参加したスタンプラリーは、秩父を舞台にしたアニメ作品がテーマになっているものでした。各地で入手できる2次元キャラクターと自分だけの写真を撮りながら散策できることも魅力なのですが、要所要所で施設の紹介やアニメのエピソードを声優さんがスマホアプリから語りかけてくれるので、劇中のシーンを回想しながら散策できた点でもかなり楽しめました。さらに、最終地点には物語と連動したエンディングの演出があり、スタンプを集めきった達成感だけではない素敵な思い出が出来ました。
2次元キャラクターをフレームに上手く合わせて写真を撮るのが意外と難しくて、単にチェックポイントを回るだけよりも滞在時間を長くする効果があると思います。滞在時間が伸びたことで食事代などを普段よりも多く支払っているかもしれません。
また、私はSNS利用を控えているので投稿しませんでしたが、2次元キャラクターと地域の景観を使った面白い構図の写真が撮れた時にSNSで共有したいという気持ちはとても理解できました。うまくいけば、来訪者がSNSを通じて地域のPRに貢献してくれそうです。
デジタルのスタンプラリーでは、サービス提供期間が終了すると、取得したスタンプが見れなくなってしまうことがある点に注意が必要ですが、今後も利活用が伸びるだろうと思います。
デジタルであってもアナログであっても地域経済の活性化にスタンプラリーが貢献することに期待します。