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懐かしの口述試験

前回の投稿に続き、中小企業診断士試験を受験していた頃の振り返りをさせていただきます。
なにかと異例尽くめの2020年度は、口述試験が感染症対策を講じた新様式になるかもしれません。
どのような変更があるかは不明ですが、面接時に受験生や面接員はマスクを着用するのかしないのか、表情がわかるようにフェイスシールドが配られる?など、どのような対策が取られるのか興味があります。
少なくとも口述試験の受験票には、昨年まではなかった待機室でのマスク着用、検温などの感染症対策に関する注意事項が追記されているのではないかと思います。
その他の現実的な対策として考えられるのは、試験会場へのアルコール、加湿器や空気清浄機の設置などでしょうか。ディジタル化の普及が早まっているとはいえ、面接員が画面越しであったり、バーチャルやAIの面接員になったりというのは空想の世界の話に留まるだろうなぁなどと勝手な妄想をしています。
今後、私が経験した2018年度の試験は旧様式といわれるようになるのかもしれませんが、この場を借りて口述試験にまつわるエトセトラを記録しておこうと思います。

◇2020年度に口述試験に挑まれる受験生の皆さまへ、お知らせを追記させていただきます。中小企業政策研究会では、参加無料の口述対策セミナーを開催予定です。詳細はこちらから(2020.12.05)◇

■再現答案

口述試験対策については、筆記試験直後から情報収集を始める方もいれば、合格発表後に始める方もいらっしゃると思います。
私は予備校の模範解答や他の受験生の意見を耳にすることで、自分の記憶が改ざんされてしまうのを恐れて再現答案だけは試験直後に作成しました。
この時期は、予備校の模範解答と異なっていることに不安になりながらも、自分の解答の方が理にかなっていそうだと自信を胸に秘めた受験生も多いのではないでしょうか。
再現答案は必ずしも必要なものではありませんが、合格していれば口述試験や受験校からの再現答案の募集にも使えるし、不合格だったとしても振り返りに使えるので、この記事を読んでくださる方に受験生がいらっしゃれば、作成されることをお勧めします。

■模擬面接

対面コミュニケーションに自信のある方には必要ないのかもしれませんが、私は口述試験(面接)に人一倍の苦手意識があったので、模擬面接を2つの予備校で受けました。
苦手意識があった理由には、
・普段の業務で人と会話をすることが少ない。
・面接を受けたのは人生で入社や昇格の面接くらいで数度しかなく、落ちたことがトラウマになっている。
・頭の整理のつかない状態で話し始めることに慣れない。
などがありました。
そのため、筆記試験よりも緊張するだろうと予想していました。
ですが、予想できる危機なら対策を打てば良い!ということで口述試験に慣れるために予備校の模擬面接を利用させていただきました。
模擬面接では、面接員が終始ムスっとされていたのですが、面接後のカウンセリングの際に、そういう役割分担を決め話しづらい状況を演出されていたと伺い納得しました。
私は、模擬とはいえ質問の受け答えを通して面接に少し慣れることができました。また、カウンセリング時に苦手意識があることを相談したところ、対策のアドバイスをいただいたり、「落ち着いて見える」などの励ましの言葉をもらったりして、心の余裕ができました。

■体調管理

試験当日の話ではないのですが、体調管理で失敗しました。
合格の翌年に「口述試験対策 無料セミナー2019」というイベントで模擬面接の面接員を担当する予定でしたが2日前に熱を出してしまいました。
病院で検査したところインフルエンザではないという診断だったため、面接員の数に余裕がないこともあり参加を検討しました。しかし、症状はインフルそのものだったため、検査が誤りだった場合にイベント参加者に移しかねないという不安が残り、辞退しました。
その後、熱が4日間続いたため、別の病院で再検査してインフルと診断されました。
イベントでは代役を立てることで事なきを得ましたが、代役が通用しない受験本番だったらもっと焦り悩んでいただろうなと思います。
ちなみに、予防接種、手洗い、うがい、マスク着用など一通りの感染症対策を心がけていたにもかかわらず罹患しました。
一般的な次善策の考え方ではありますが、罹患しないための対策は講じるが、それでも罹患したときに焦らないよう次の策を頭の片隅に入れておく。ことが大事だと身に沁みました。
感染症は、自分が辛いだけでなく、周囲に迷惑をかけてしまう。本当に厄介ですね。

■試験当日

口述試験の受験票が届いた時、筆記試験に合格していることはWEBで確認して既に知っていたので、喜びも束の間に、口述試験の開始時間が11:36と記載されているのを見て分刻みのスケジュールへの驚きと班番号「10班」とはどういう意味だろう?という疑問を感じました。そのほか、受験当日の会場での受付や待合室での独特な流れも面白いと感じたポイントなのですが、口述試験の対策を紹介しているWEBページやセミナーなどと重複するので、ここでの説明は割愛します。
ただ私だけだと思うので、第2待機室から面接会場へ受験生が隊列をなして連れていかれる様子をみていると『ドナドナ』が聞こえた気がしたことだけは書き残しておきます。
あまり緊張されない方には理解いただけないかもしれませんが、試験会場へ近づくにつれて記憶が曖昧になっていき、体は寒いと感じているのに手汗は凄いというような、どうでも良いことは覚えていたりします。
実際の面接の質問では、あまり上手く対応できなかった質問の方が覚えているようです。面接員から3回繰り返して同じ質問をいただいたことは覚えています。費用面についての説明を求めての質問だったにもかかわらず、私が事例Ⅲに囚われてしまい、生産や材料など別の切り口で説明してしまったせいなのだろうな。と冷静になると思い当たる節が出てくるものです。

口述試験会場を出て、青空を見た時の「終わった~♪」という解放感は今でも忘れられません。

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■まとめ

合格できたから書けるのかもしれませんが、普段は経験することの少ない、面接形式での試験を経験出来て良かったと思っています。
試験という形ではないものの、実務補習や実務でも診断報告書に纏めた内容を経営者へ説明するなど類似する場面は今後も出てくると思います。
小さな成功体験を積み重ねて口述は「苦手だった」と過去形にできるようにしていきたいし、記述だけでなく口述を効果的に使って、より深く意思の疎通が図れるようになりたいと思います。

口述試験については、昨年、山森直樹さんが投稿していらっしゃるので紹介させていただきます。


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