雑記~ベートーヴェン交響曲第7番
クラシック音楽が好きで様々な作曲家の様々な曲を聴いてきました。もっとも残念なことに音楽的なセンスはあまりないようで、センスのなさを補うために知識や理論を詰め込もうとした時期もありました。
好きな曲はたくさんあるのですが、その中でもベートーヴェンの交響曲第7番は私にとっては特別な曲で偏愛してきました。ここでは、そのベートーヴェンの交響曲第7番にまつわるちょっとしたエピソードを書き残しておこうと思います。
もうずいぶん前のことです。ある演奏会のプログラムにベートーヴェンの交響曲第7番が含まれているのを知って聴きに行きました。それはいわゆるファミリー・コンサートのようなもので、客席には小学生の姿もちらほら見えました。私の席の数列前にも親に連れられた小学生の姿がありました。演奏中にも落ち着きのない場面がありちょっと気になっていました。
さて、演奏会のプログラムが進んでいき、いよいよベートーヴェンの交響曲第7番が始まりました。たぶん私は「ちょっとテンポが遅いなぁ」とか「ここは弦がもっと聞こえてほしいなぁ」とか、そんなことを考えながら聞いていたのだと思います。そして、第4楽章が始まるとちょっとした事件が起きたのです。私の席の前方にいた件の小学生が立ち上がって踊り始めたのです。「参ったな」と思いました。
でも、踊っている小学生の姿を見て思ったのです。この交響曲はリズムが特徴的で、ワーグナーが「舞踏の神格化」と評したと言われています。この交響曲を交響曲第8番と並べて「舞曲集」という人もるほどです。であれば、この交響曲を聴いて踊り出した小学生は、正しくこの曲を受け止めたということではないのか、少なくとも知識や理屈で音楽を理解しようとした私などよりもずっと音楽的な理解が深いのではないか、そう思ったのです。
ベートーヴェン交響曲第7番。この曲からいろいろなことを学ばせてもらいました。