オンライン展示「イラスタポロン」の話
物語をさがして vol.07
前回の記事では、岐阜県在住のイラストレーター 森のくじらさんに、イラストレーターになった経緯や制作についてのお話を伺いました。
私は大活躍のくじらさんへのインタビューでゲンキンにも「イラストレーターを続けていくための秘訣」などを探ろうとしました。分かってはいましたがそんなに簡単に「秘訣」など見つからないもの。
くじらさんは「これはこうすべきだ」とは絶対に言いきることをしません。
インタビューで、制作の秘訣のようなものについて、こう話していました。
人を真似るのもいいけれど、自分の道である以上、自分で動いて考えて探っていくことが大事なのだなあと感じました。自分の物語は人にゆだねず自分で創るものなのでしょう。
オンライン展示「イラスタポロン」のこと
さて、そんな流れをくみまして、今回はイラストレータによる手作りの企画展
12人のイラストレーターによるオンライン展示「イラスタポロン」
についてご紹介したいと思います。
これは、森のくじらさんが発起人となりスタートした「のんびりゆるり」のウェブコミュニティでの交流がきっかけとなり、5月末に開催されることになった展示企画。
くじらさんの総合プロデュースのもと、イラストはもちろん、ウェブサイトもイベント企画も広報もすべてメンバーによる手作り。実に半年の準備・製作期間を経て開催に向けて動いています。私もメンバーのうちの一人です。
自分の参加するイベントを宣伝するようで恐縮ですが…ゼロからの検討・手探りの中、12人で作った、いえ、まだ建設中の、これまでにない実験的な企画です。ですから全部が初めてのヒヤヒヤ、ドキドキではありますが、ぜひみなさんと一緒にインターネット上の交流の面白さや、新しい可能性を味わえたら楽しいのではないかと、今からわくわくしているところです。
かわいいネーミング「イラスタポロン」は「イラスト」と芸術をつかさどるギリシャ神話の神様「アポロン」をかけ合わせた造語。(“かわいい”とほめてしまいましたが自分の発案だったと思い出しました。自画自賛…!?)
会場は、ギャラリーの美しい壁ではないかわりに、世界中探してもここにしかないオリジナルの展示会場を建設、建国?しました。
そこは、ご覧のように森や火山や海に囲まれた不思議な場所。開催時には上の地図に謎解きの店「ポロン洋菓子店」をはじめ、いろいろな建物が立ち並び、妖精や住人がいる見ているだけでわくわく楽しいところになる予定です。
建国者たち…12人のイラストレーターの作った展示を、まちをぶらぶらしながら見て回ってください。不思議なお店や謎のアトラクションがお迎えしてくれます。
また、見るだけではなく、oViceというコミュニケーションツールを使っているので、希望する人はチャットや音声会話でのやりとりをすることもできます。
ギャラリーのような実店舗ではないので、なんと会期中24時間OPEN!というのも面白いですよね。(スタッフが必ず在廊しているのは10:00-17:00)
入口近くには「ポロン洋菓子店」がありますので、ここにお立ち寄りいただき、謎解きイベントに参加していただくこともできます。
oViceは、ユニークなコミュニケーションツールで、仮想空間に居ながら、近くで人と会話しているような感覚を味わえます。遠くの人の声は聞こえなくて、近くの人の声が聞こえるのです。
一方でインターネットの接続状況や、使用機器の環境によって、動きが止まったり、操作を間違えて思いがけない動作をしてしまったりというのも…よくあること!
私も先日ミーティング中に、一人だけ顔を大写しにしてしまいました。以前にはメッセージの送り方が分からなくてずっと無言のままだったりしたこともあります。失敗も面白いものです笑
ですから参加してくださる方は、お気軽に訪ねてみてくださいね。
いやいや、でもそんなのわけが分からないよという方はどうぞこちらの漫画もご覧ください。
どうですか?なんとなく展示のイメージがわかっていただけたでしょうか。
まずはお気軽にお越しいただければ嬉しいです。
イラストレーターによる新しい展示会に是非!
私はインターネット経由でのご依頼でお仕事をすることが多く、相手先とリアルでは一度もお会いしたことがないケースも多いです。
また、地方在住で、子育て中だとなかなかフットワークも重く、懇親会のようなものにはせっかくお誘いを受けてもほとんど参加してこなかったので、本当に用件のみ、制作のみ。と、職人に徹してきたこれまででした。
しかしながら最近は、リモートワークの環境も整ってきたおかげで、オンラインの打ち合わせに呼ばれることも多くなってきて、以前よりお相手の顔や存在が確かに感じられるようになってきました。
仕事上や、プライベートでも、SNSアカウント上だけでの知り合いと、会話を交わしてご一緒できた相手とは、親近感、信頼感が全く違います。なんというのでしょうか、ただの文字情報や平面のアイコンが立体化して実像になり親身に感じられるのだから不思議なものです。
「イラスタポロン」は、展示だから作品を見て感想を言わなければいけないということもありませんし、商談だけが目的の大商業イベントでもありません。
会うことで生まれる楽しい「何か」や面白いものが生まれる「きっかけ」をさがせる場になると素敵だなと思います。
イラストの好きな方もそれほどでもない人も、同業の方も異業種の方も、どなたでも大歓迎、一緒に楽しみませんか。
イラスタポロンでお会いしましょう!