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“世界一おいしい”と言われたカンボジアの胡椒を広めたい 〜倉田さん夫婦が手がける希少な「完熟胡椒」

 大航海時代には「黄金と等しい価値がある」とされていた胡椒(コショウ)。今では私たちの食卓で身近な存在となりましたが、かつて“世界一おいしい”と言われた胡椒がカンボジアにあったことをご存じでしょうか?

今回みたすくらす がご紹介するのは、そんな幻のカンボジア産胡椒を苦心の末、現地で復活させた「KURATA PEPPER」が手掛ける高品質な胡椒たち
自然農薬・自然肥料を使った伝統的な農法にこだわり、現地農家の方と共に手間ひまかけて創り上げた貴重な胡椒の魅力を余すところなくご紹介します。


挑戦と失敗を繰り返した、カンボジアでの胡椒づくり。

 KURATA PEPPERは倉田浩伸さんが2005年にカンボジア・プノンペンに開店した胡椒専門店。1992年に国連のボランティアとして初めてカンボジアを訪れた倉田さんは、内戦後でインフラもままならない国でいきいきと遊ぶ子どもたちの姿を見て、「生きる」ことについて深く考えるようになったそうです。「助けに行ったはずなのに、逆に大きなエネルギーをもらった。自分も何かでカンボジアの力になりたい!」そんなエネルギーに突き動かされて、倉田さんは現地でカンボジアの農作物を輸出する商社を立ち上げました。
 最初は全てが手探りで事業も上手くいかず、ドリアンやココナッツの輸出を試みるもことごとく失敗。そんな折に内戦前のカンボジアに訪れていた大叔父から、古いカンボジアの農業統計資料を譲り受け、そこでかつて「世界一おいしい」と言われたカンボジアの胡椒の存在を知ったのです。
 直感的に可能性を感じた倉田さんは、すぐにかつて胡椒が生産されていた地域へと向かいました。そしてついに、コッコン州でかろうじて内戦の難から逃れていた農家と3本の胡椒の原木と出会うことに。ここからKURATA PEPPERの「世界一と言われたカンボジアの胡椒産業を復活させる」挑戦が始まりました。

 現地の方を雇用し、自然農薬・自然肥料を使った伝統的な農法で一から幻の胡椒をつくる。そのチャレンジは並大抵のものではありません。他の胡椒と比べ価格がどうしても高くなってしまうため、当初は販売も大苦戦。しかし現地で出会った奥さまのサポートを受け、ネーミングやパッケージデザイン、売り方やPRの工夫など試行錯誤しながら、なんとか事業を軌道に乗せることができたのだそうです。
 現在、倉田さんは1年のうち7~8ヶ月をカンボジアで過ごし現地の人たちと胡椒の栽培を。奥さまはカンボジアで7年子育てをした後日本へ戻り、愛知県岩倉市に構えた拠点から倉田さんがつくった胡椒を日本で広める活動をしています。

KURATA PEPPER 代表 倉田浩伸さん


一房から数粒しかとれない胡椒の実を使った、希少な“完熟胡椒”

 黒胡椒や白胡椒、生胡椒などKURATA PEPPERでは様々な種類の胡椒を扱っていますが、なかでも倉田さんのイチ押しが“完熟胡椒”。通常、胡椒は一房に20~30粒の実を実らせますが、その中で赤くなった“数粒の完熟した実”を選んで使用したものを完熟胡椒と呼び商品にしています。完熟胡椒はこれまで現地のカンボジアでは、その生産量の少なさから市場には出回らず、農家の人たちの間でだけ食べられていた貴重な胡椒なんです。

一房で数粒しか獲れない完熟した胡椒の実を使用 

 気になる完熟胡椒の味わいは、鮮烈のひとこと。
黒胡椒の香りと辛みに加え、その先に“甘味”があるのが特徴です。完熟させることで果肉部分が甘くなり、その甘味が芳醇な旨味となったフルーティーな味わいが楽しめます。希少な分お値段は張りますが、現地の高級レストランのメニューに使用されたりカンボジアのプレミアムなお土産品としても喜ばれてるのだとか。

そしてKURATA PEPPERでは、人の手による手間ひまかけた昔ながらの製造工程にもこだわっています。

 赤く熟したタイミングで一粒ずつ手積みした胡椒の実は、そのまま「天日干し」の工程へ。カンボジアの照りつけるような日光で5日間 天日乾燥を行い、そうすることで旨味や香りが凝縮されるのだそうです。天日干しは雨季を避けて行われますが、夜の間は干せないので、日が落ちると取り込み、また次の日に干す、という大変な作業の繰り返しです。
 その後、現地スタッフが丁寧に目視で選別していくことで、一粒一粒が宝石のようなKURATA PEPPERの胡椒が出来上がります。

 このような昔ながらの工程には「地域の人たちが1年を通して働ける場をつくりたい」という倉田さんの創業時からの想いも関係しています。繁忙期である収穫シーズンが終わっても雇っている人たちの仕事がなくならないように。そんな倉田さんの熱く、暖かい心がこの胡椒には込められているんです。
 自然農薬・自然肥料にこだわり、製造から販売まですべてが手作業でつくられるKURATA PEPPERの胡椒。2011年1月にはカンボジア国内初となるオーガニック認定も取得しています。


倉田さんおすすめ!完熟胡椒とっておきレシピ

 ここまでたくさんの魅力をご紹介してきた完熟胡椒ですが、日本でも多くの飲食店がその味に魅かれて完熟胡椒を料理などに活用しています。レストランのシェフやパティシエはもちろん、食品メーカーや街のおにぎり屋さんまで。私たちの身近なところでもKURATA PEPPERのファンはどんどん増えています。

 今回特別に、倉田さんからとっておきのレシピを教えていただきました。普段は胡椒というとポテトサラダや雑炊のシメ、変わったところではバニラアイスにトッピングするといった使い方がポピュラーですが、教えていただいたのは「エールビール×完熟胡椒」という意外な組み合わせです。

グラスにキンキンに冷えたエールビールを注ぎ、お好みの量の完熟胡椒をパラパラとふってみてください。エールビールのフルーティーな香りに、完熟胡椒のスパイシーな香りが調和し、苦味がマイルドになって飲みやすくなります。地ビールやクラフトビールにも合いますので、ぜひ一度試してみてくださいね。

また、胡椒そのものに旨味があるので、シンプルなレシピにも向いています。ローストビーフやふかしたジャガイモと一緒に食べると素材の味を引き立てること請け合いです!

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世界一の胡椒とカンボジアの魅力を、もっと多くの人に

カンボジアと日本、そして世界をつなぐKURATA PEPPER。最後に倉田さんと奥さまからのメッセージをいただきました。

豆や焙煎の仕方でコーヒーの味が変わるように、胡椒も生産地や製造方法で全く味が変わります。そしてワインのように熟成させることで、胡椒は旨味が増したりもします。世界一おいしいカンボジアの胡椒を、ぜひいろんな使い方で楽しんでいただけたら嬉しいです。そして胡椒以外でもカンボジアの産業を盛り上げながら、少しでもこの国に貢献していけたらと思います。KURATA PEPPER 倉田浩伸さん

一人でも多くの日本のお客さまにカンボジアの胡椒のおいしさをお伝えできるよう、私ができることをいつも考えています。また、胡椒だけでなくカンボジアに昔からあるものや雑貨なども今後はもっと広めていきたいです。カンボジアならではの文化や魅力をこれまで以上に発信していきたいですね!
KURATA PEPPER 倉田由紀さん


KURATA PEPPERの胡椒をぜひおうちで!

今回ご紹介したKURATA PEPPERの胡椒は、みたすショップからお買い求めいただけます。その芳醇な味わいを、ぜひおうちでご堪能ください!

今回、みたすショップで販売される商品は以下の6商品です。

・白胡椒 ・黒胡椒 ・完熟胡椒 ・くらたまてばこ
・生胡椒の塩水漬 ・生胡椒のしょうゆ漬

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