見出し画像

【制作秘話】細かすぎて伝わらない「ドラゴン桜2のこだわり」を徹底解説!


皆さんこんにちは!
ドラゴン桜塾塾長の永田耕作です。 

今回は、このドラゴン桜公式noteマガジンの編集長である青戸さんがどうしてもやりたかった企画、その名も「細かすぎて伝わらないドラゴン桜2」をお届けします!
 
青戸さんは現在このnoteやYouTubeチャンネル等でドラゴン桜に関する情報を発信していますが、実はそれよりもずっと前から「ドラゴン桜」の漫画の大ファンだったのです。
 
青戸さんはいつどんな質問しても、まるで辞書のように「このシーンはドラゴン桜の〇巻だよ」「これは〇〇のセリフだよ」と即答してくれるくらいマンガを読み込んでいます。
 
今回はそんな青戸さんと、実際に「ドラゴン桜2」の編集を担当した西岡さんがタッグを組んで、制作者しか知らない「細かすぎる」ドラゴン桜の小ネタを紹介してくれました。
 
僕も知らないようなこだわりが連発だったので、マンガを読んだことがある人もそうでない人も「ここまでこだわって作ってるんだ!」と感じながら読んでいただけると幸いです! 

 

①誰にも伝わらない「センター試験」の解像度

さて、まず1つ目は『ドラゴン桜2』15限からの引用です。
 
早速ですが、こちらのページをご覧ください。

このシーンでは、天野くんのセンター試験の自己採点の様子が描かれています。
 
実はこの何気ない場面に、「細かすぎて伝わらないこだわり」が隠れているのです。
 
桜木先生が、「お前のセンターの解答だ、自己採点しろ」と天野くんに渡しているコマを見てください。

桜木先生が持っている解答用紙(マークシート)は、よく見てみると解答番号が塗りつぶされていることが分かります。
 
実はこれ、デタラメに塗っているわけではなく、ちゃんと意図があるのです。
 
天野くんの解答用紙のマークシートは、25番までしか答えがマークされていません。

しかし、当時の世界史のセンター試験の問題は34番まであります。つまり、そもそもマークシートに答えを記入してすらいないということなのです。
 
基本的にマーク型の問題では答えが一つに定まらなかったとしても、何かしらマークをする、というのが戦い方の定石となります。
 
なぜなら、基本的には4〜5択の選択肢問題になっているため、たまたまマークしたものが当たるという可能性が十分に存在するからです。
 
しかし、それをマークできていないのは、いかに天野くんがこの時点でセンター試験型の問題に対応できていないか、そしていかにあきらめグセがついてしまっているかを示していることになります。
 
このような細かい1コマにも、色々な意味が含まれているのですね。 

 

②東大の試験風景のとある「ヒミツ」 

さて、続いては『ドラゴン桜2』の32限からの引用です。
 
まずはこちらのページをご覧ください。

このシーンでは、東京大学の二次試験の様子が描かれています。
 
これは東大文系の試験会場になっている「駒場キャンパス」を再現しており、座る位置によってリスニングの音声の聞こえ方が変わる、という受験者なら共感できるあるあるが紹介されています。
 
特に変わった部分はないように見えますが、どこが「細かすぎて」なのかというとズバリ、座っている生徒の「男女比率」です。

よくよく見てみると、このコマでは10名程度の受験生が登場するのに対し、女性は3人しかいません。
 
実際、東京大学の学生の男女比率は2:8であり、志願者の割合もほぼ同じであるため、それを忠実に再現しているのです。
 
受験シーンのコマをなんとなくで作成すると男女比率を半々にしてしまいがちですが、ここにも「東大受験」というものをきちんと分析した上でのこだわりが隠されていたのですね。
 
ちなみに余談ですが、東大オープンや東大実戦などの模試の会場では、女子トイレはガラガラで、男子トイレに列ができるという激レアな光景が見られます。
 
理由はもちろん、模試を受ける人の男女比です。
 
デパートやショッピングモールなど、多くの商業施設のトイレは基本的に女性用の方が混んでいますが、こと東大に限ってはそれが逆転するんですね。
 
そのため、僕も受験生の時は久々に「トイレに並ぶ」という経験をしました。 

 

③何気ない歌詞にも遊び心が!

どんどんいきましょう。続いては『ドラゴン桜2』の29限からの引用です。
 
今回もまずはこちらのコマをご覧ください。

このシーンでは、リスニングの練習として先生と生徒が楽しく歌っている様子が描かれています。
 
背景には、歌詞と思われる英語が書かれていますね。
 
それを目を凝らして見てみると、“You seem to have goo… ..ight!” という単語の並びであることが分かります。
 
つまり、「あなたは〇〇を持っているみたいだね!」という意味なのです。
 
僕はそもそも「こんなとこまで見てる人いるの?」と思いましたが、西岡さんいわく、ここにも実は分かった人がニヤリとする仕掛けがあるそうです。
 
ここからは、前後の文脈から隠れているスペルの部分を推測するしかないのですが、みなさんは答えが分かりましたか?
 
 
 その答えはなんと…
 

“You seem to have good eyesight!”
「(こんなところまで読めるなんて)あなたは視力が良いのね!」
 
でした!
 
まさに、この文章を読めた人にピッタリの意味になっています。
 
このような細かなところにも、遊び心を入れてマンガが作られているのは面白いですね。 

 

④受験者のみぞ知る "worse" のトラップ 

最後は『ドラゴン桜2』33限からの引用です! これはなかなかマニアックですよ〜。
 
まずはこちらの、東大のリスニング試験での注意事項を説明しているシーンをご覧ください!

最後のコマで、受験生の早瀬さんがトラップに引っかかっている様子が描かれていますね。
 
「文章が長い選択肢はそれだけ情報量が多いということ」
「その分間違いとなるダミーの情報を入れ込みやすい」
 
と書かれており、一見正しいように見えるダミーの選択肢に騙されないように気をつけよう、というメッセージがあります。
 
ここで気になるのが、トラップに引っかかっている描写にある単語 “worse”ですね。
 
“worse”は「より悪い」という意味で、「ダミー」や「トラップ」のような意味は含まれていません。
 
では、なぜここでこの単語が選ばれたのか?
 
実は、東大入試で出た実際の問題にその答えが隠されているのです。
 
このシーンで引用されている東京のリスニング問題では、(e)の選択肢に“worse”という単語が入っています。
 
実際のリスニングの音声でも最後に"worse"という単語が流れるため、それが印象に残ってこの選択肢を選ぶ受験生が大勢いました。
 
しかし、この選択肢は間違いでした。
 
実は、リスニング音声では“worse”の前に小さく“no”という否定の単語が流れており、“no worse”となって全く真逆の意味だったのです。
 
しかし、このトラップに多くの受験生は引っかかってしまいました。
 
それを暗に示すために、ここではあえて“worse”という単語をコマに使用したのです。
 
これはとんでもないこだわりだな、と僕も聞いて感じました。
 
細かなところまで東京大学の入試システムや受験問題を再現しているからこそ、ここまで面白い受験漫画になったのかもしれませんね。 

 

おわりに 

今回は「細かすぎて伝わらないドラゴン桜」ということで、青戸さんと西岡さんに漫画「ドラゴン桜」の裏話や秘密について紹介してもらいました。
 
僕が塾長を務めるYouTubeチャンネル「ドラゴン桜塾」では、2人がテンションを上げてこのような漫画の「こだわり」をより詳しく説明していますので、ぜひご覧ください!

https://youtu.be/XaY__esiuKQ 

みなさんもこれを機に、「ドラゴン桜」のマンガを読み直してみても面白いのではないでしょうか?
 
もしかしたら、他にも「これってもしかして?」と新たなこだわりに気づくかもしれませんよ!
 
 
今回の記事は、ここまでとなります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう! 

ここから先は

0字
逆転合格を勝ち取った『リアルドラゴン桜』な東大生の具体的な学び方・勉強法を発信します。

実際の東大生の中にも、ドラゴン桜のように、様々な工夫・出会いを経て、東大合格を勝ち取った『リアルドラゴン桜』な東大生たちがいる。 そんな…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?