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【コラム】東大生に足りないこと


バラエティプロデューサーの角田陽一郎です。

このドラゴン桜の公式マガジンは、 大学へ入学するための勉強の仕方や考え方を指南するような内容になっていますね。

でも実際の『ドラゴン桜2』の連載の方では様々な実業家や成功者の方の話から、
「こういう考え方をすることが次の時代にいきるために必要なんだ」
という事柄も指南されてます。

つまり、それは今までの「どう知識を詰め込めば合格するか?」というようなある種の受験テクニックを超えて、その後も続いていくみなさんの人生において、
「どう考えるとよりよく夢が叶うか?」
「仕事でうまくいくか?」
「やりたいことが実現できるか?」
ということまで続く、壮大な人生の勉強法の指南をしてくださってるのかもしれません。

では、自分がこの連載で指南できる人生の勉強法とは何か。
実際4月から東大の大学院の文化資源学に通学しているオッサンの自分としては、学部生や院生など、 現役の東大生と日夜交流しています。その中で東大生について気づいたこと、
つまり『東大生に足りないこと』がおぼろげながら見えてきたので 、今回はそれについて 書いてみようと思います。

題して「東大生に足りないこと」。

東大生が優れている3つのポイント

4月から東大の若い学生と接触して色々話してみるとだいたい“人となり”がわかってきました。

なんてったって一つ目は、東大の彼女彼らはやはり「頭はいい」です。

その頭のよさとはいろいろありますが、僕が思うのは、ある命題に対する分析力もその一つです。

東大生は話をしていても、自分の見解を持っています。つまり何かの質問をしても若者に多くみられる(と思われがちな)、「わかりません」的なリアクションはほとんど返って来ません。

まあ、自分から意見をバンバン言うのは、東大というよりこの日本の村社会のなかではもとから忌避されがちですから、東大生といえど聞かれないことを自分からバンバン講義中に喋るような人 は流石になかなかいないです。
でも先生に質問されると当意即妙な答えがだいたい高確率で返って来ます。


そして二つ目は、これは意外だと思われるかもしれませんが、「いい人」も多いです。

さっき一つ目に「頭はいい」と“頭は”と書いたから、“心はよくない”と思われた方もいるかもしれませんが、でも頭がいい人は、心こそが大事なんだと知ってるんだと思うのです。

一見、頭でっかちな人は冷たい人が多いと思われがちですが、東大生まで来ると、情緒というものを理解している人が多いです(例外もいるかもしれませんが)。

情緒というのは情感というか感情というか、つまりその人間的なものが文化を形成しているということを理解してことなんだと思います。
この点が非東大生がイメージする東大生への先入観への一番の誤解なんだと思うのですが、つまりいわゆる勉強ができない人は、情緒的なものを排除して効率を上げることが、勉強ができるようになるとか成績が上がると捉 えがちなのです。

でも多分東大の受験をくぐり抜けて来た人は、そんなんじゃ自分のモチベーションが続かないことを今までの受験勉強で経験してきてるのでしょう。自分が勉強をするためには、まず自分自身のやる気と自分の周りの環境のやりやすさが実はその勉強自体の基盤であって、機械的な効率主義で闇雲に勉強をやってるのは、むしろ効率が悪いことに気づいてるんだと思うのです。というか気づいたから東大に受かったんだと思うのです。

僕は、効率をよくするには、効率を上げるのではなくモチベーション(やる気)を上げることだという事実に気づいてることが、本当の知性だと思います。
(これは受験に限ったことではなく、当然ビジネスでもプライベートでも全くその通りなんですが)


そして三つ目は、頭がよくて、いい人なので、必然的に「状況把握力」もずば抜けています。
つまりその集団の中での自分の立ち位置を瞬時に理解する能力を持っています。

というかその能力があるから、東大生はいい人になる(振る舞える)んですね。状況把握力とは、言い換えれば、嫌な態度をとって周りを敵にしたって自分の人生になんの得もない、いや損だ、ということを理解してるってことです。

つまり自分が望むことを、どうやれば実現できるかという時に、その自分のポテンシャルと状況をいい具合に調整する能力なんだと思うのです。

東大生にはもっといい点もあるかもですが、この①頭がいい、②いい人、③状況把握力が高い、この三つは僕が若い現役の東大生と接触してみて、実際に感じた印象でした。

僕は、テレビの現場で東大 以外の大学生や、若者にも多くあっているので、この僕の印象はそんなに現実とずれていないと確信を持って言えます。


東大生が苦手なこと

では、そんな三つを兼ね備えている東大生にとって、苦手なことはなんでしょうか?

それは「自分の考えを相手に伝えるのは苦手」ということです。

というか正確に言えば、多くの東大生は「自分の脳内で理解できればそのことを他者に伝える必要はあまりない」と(薄々)思っているようなタイプなのではないでしょうか。

これ、さっきの3つのいい点、 特に③番と矛盾する気がしませんか?

でも僕は、むしろ彼女彼らは状況把握力が高いからこそ、 自分の考えを相手に伝えなくてもいいと思っている節があると睨んでいます。
それはなぜでしょうか。

それは、そんな若い東大生を取り巻く(取り巻いてきた)状況が、それを要求されてこなかったから・・・である と推測します。

つまり、多分今まで自分の能力を最大限に発揮することを、自分の成功として認識してきたのです。
それは「受験に勝つ」ことですよね。

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