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【言語学入門】東大生でも難しい? 発音クイズにチャレンジ!


皆さんこんにちは!
ドラゴン桜塾塾長の永田耕作です。 

今回は引き続き「大学講義体感シリーズ」ということで、我らがドラゴン桜塾でも人気動画を連発している布施川さんに来てもらいました。
 
現代文のテクニックを紹介している人気動画はこちら▼

今回は、布施川さんが所属している文学部言語学科の話をしてもらいました。
 
「なんだ、また文学部か」と思った人もいるかもしれません。
 
しかし、前回の記事でも説明した通り、文学部では非常に多種多様の学びが行われています。
 
そのため、青戸さんも布施川さんも同じ文学部ですが、研究していること、勉強していることは全く違うのです。
 
そこで今回は、言語学の一分野である音声学の入門書から、「分かって当然!」という発音クイズを色々と用意してもらいました。
 
今、「分かって当然!」と書きましたが、言語学についてあまり詳しくない僕は「こんなの分かるの?」とびっくりしてしまうほどの問題も含まれていましたので、皆さんもぜひチャレンジしてみてください。
 
それでは、前回とはまた違った文学部の世界を見ていきましょう! 

 

①発音クイズ!実際に声に出してみよう

まず1問目はこちらです!
 
英単語帳に載っているような、発音記号が並んでいます。
 
①は日本語の「カ行」で使う音なのでわかりやすいと思いますが、②と③は見慣れない記号ですね。
 
これはすごく特殊な発音で、文字で説明するより実例を見てもらった方が早いので、この記事の最後にリンクを載せている動画をぜひ見てください!
 
布施川さんが実演してくれていますが、ちょっとした特技のようなレベルの変わった発音で、僕は全然うまくできませんでした。
 
みなさんもできるかどうか、ぜひチャレンジしてみてください。
 
ちなみに、それぞれの記号の正式名称はこのようになっています。

これも動画で説明されていますが、口の中のどこの部分を使うのかと、どうやって発音するかをそれぞれ説明した名前ですね。
 
多くの人は発音記号といえば英語をイメージすると思いますが、色んな言語に共通するような発音の仕方や、地域に特有の発音記号など、色々なものがあるのです!
 
これらは「IPA(国際音声記号)」と呼ばれ、世界共通で用いられています。


②「サンバ」「ビンゴ」「ビビンバ」仲間外れはどれ?

さて、こちらはいかがでしょうか?
3択なので、先ほどよりも考えやすいのではないでしょうか。
 
「サンバ」「ビンゴ」「ビビンバ」の3つを比べてみると、共通している文字は「ン」ですね。
 
ということは、この問題はおそらく「ン」の発音について考えるものだろうと予想できます。
 
ここまで分かったら、実際に声に出して発音してみましょう。
 
違いが分かりましたか?

 
「サンバ」や「ビビンバ」の「ン」は口が閉じるのに対し、「ビンゴ」は口を微妙に開けたまま「ン」を発声していませんか?
 
これが、「ん」の発音の違いです。
 
布施川さんによると、「ん」の音は3種類の発音方法があるようです。
 
これは、日常生活でよく目にするローマ字を見てみても気付くことができるのではないでしょうか。

例えば、東京の地名の「新橋」は「shimbashi」と「ん」の音が「m」になるのに対し、「新宿」は「shinjuku」というふうに、「ん」の音を「n」で表しています。
 
実は、身近なところでもこの「ん」の発音の違いは現れているのです。
 
先ほどのIPAを使うと、「ん」の音の違いはこのようになります。

今回は、②のビンゴだけが口を閉じない発音をしているため、正解は②となります。
 
それでは、次の問題も見てみましょう!


③「さ」「し」「す」「せ」「そ」仲間外れはどれ?

これも先ほどと同じく、仲間外れを探すクイズです。
 
発音クイズではありますが、もしかしたら発音するよりもローマ字で考えると分かりやすいかもしれません。
 
さ行のひらがなは、それぞれローマ字で「sa」「shi」「su」「se」「so」となるため、明らかに「shi」だけ異色なことが分かります。
 
このイメージ通り、「し」だけは「s」ではない音になっているのです。

他と比べると「し」だけ口を横に開いて、空気が漏れるような感じの発音になるんですね。
 
ちなみに英語の “sea” と “she” もこれと同じ違いがあります。
 
カタカナで書くと、それぞれ「スィー」と「シー」って感じですね。


④「が」「ざ」「だ」「ば」仲間外れはどれ?

4問目はこちら。これも同じく仲間外れを探す問題です。
 
「?」と思った人も多いかもしれませんが、そんなときはとりあえず声に出して発音してみましょう!
 
実際にやってみると、④の「ば」―「は」だけ何かが違うと思いませんか?
 
他の選択肢では濁点がなくなるタイミングでもう一度舌が動くのに対し、「ば」―「は」だけは動かないのです。
 
そのため、答えは④になります。

こちらも、動画では布施川さんが実際に発音をしながら解説しているので、興味を持った方は末尾のリンクから動画を見てみてください!
 
それでは、最後の問題に参りましょう。


⑤歴史クイズ!間違っているのはどれ?

最後はこちらの問題です!
 
といっても、僕を含めて「正直訳がわからない」という人が多いでしょう。
 
この問題は「歴史クイズ」と書いてある通り、言語学の歴史について問われているものなのです。
 
ここで重要になるのは、言語学の世界では有名な「グリムの法則」というものです。

この法則については非常にいろんなパターンがあるのですが、今回の問題に関連するものだけ簡潔に説明すると、「ゲルマン語で子音が無声摩擦音に変化した」ということです。
 
無声摩擦音とは、たとえば英語の「f」「th」「h」のような、発音してみると「息(空気)の音」だけが出るものです。
 
声が出ない音なので「無声」というわけですね。
 
つまり、①であれば「p」という有声(「プ」という音が出る)破裂音から、「f」という無声摩擦音に変化した、ということを表しているのです。
 
②も同様に考えることができます。
 
しかし、③だけは変化前が無声摩擦音になっているので、①や②の変化の真逆になっていることが分かります。そのため、この問題の答えは③になります!

さて、いかがでしたでしょうか。
 
もし全問正解した方は、言語学の入門レベルはマスターしていると言っても過言ではないでしょう! 

 

おわりに 

今回は布施川さんに、東京大学文学部の言語学専修として発音クイズを出題してもらいました。
 
僕が塾長を務めるYouTubeチャンネル「ドラゴン桜塾」では、このクイズを実際に僕がチャレンジしている様子が流れていますので、ぜひご覧ください!

また、実はまだまだうちには文学部の他の専修課程にいるメンバーも存在するので、次回はまた一風変わった文学部紹介をしてもらおうと思っています。皆さんお楽しみに!
 
今回の記事は、ここまでとなります。
それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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