学び方を学べ!ドラゴン桜公式メルマガ 2018年7月23日(月) 【Vol.029 取材記事・コラム版】
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学び方を学べ!ドラゴン桜公式メルマガ
2018年7月23日(月)
【Vol.029 取材記事・コラム版】
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それでは、「学び方を学べ!ドラゴン桜公式メルマガ」
今週もどうぞお楽しみください。
◇目次◇
1.今週の一言
2.【連載】
「はみ出し者の18歳」Vol.2
予防医学研究者・石川善樹
3.【連載】
角田陽一郎の
最速で身につく勉強法
4.【連載】
現役東大生塾長・綱島将人の
大学受験は戦略が全て!
5.【時事ネタ】
三田紀房はこう読む!
ニュースピックアップ
6.【コラム】
担当編集まほぴのドラゴン桜裏話
7.【あとがき】
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1.今週の一言
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自分に見切りをつけろ‼
(三田紀房『個性を捨てろ! 型にはまれ!』より)
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最近、やたらと「格差社会」や「勝ち組」「負け組」といったキーワードを耳にするようになってきた。
新聞などで語られるところをまとめると、次のようになる。
かつて「一億総中流」と呼ばれた日本社会に、いま大きな地殻変動が起きている。そしてこれからは、ごくひと握りの「勝ち組」と、その他大勢で構成される「負け組」に二極化された社会になっていく。
いわゆる格差社会というやつだ。
また、ここから「一億総中流」ならぬ「一億総下流」とでも呼ぶべき社会へと変化することさえ危惧されている。
これは僕にとって、ある程度納得できる話だ。
なぜなら、漫画家という職業ほど、二極化された世界もないからである。「食える」漫画家と、「食えない」漫画家は、もう完全に二分されている。
そして漫画家にとって、勝ち組と負け組を分けるボーダーラインは、ただひとつ。
それは「漫画誌に掲載されるか、されないか」である。
どれだけ絵がうまくても、どれだけ高尚なテーマの作品であっても、掲載されなければプロとして意味をなさない。ご飯が食べていけない。
逆に言えば、「このレベルが描ければ雑誌に載る」という標準クラスの作品が描ければ、掲載され、原稿料がもらえ、生活ができる。とりあえず、プロとしての第一関門は突破できるわけである。
ここから、僕はひとつの結論を導き出している。
僕の漫画を読んだことのある人ならわかるだろうけど、プロの漫画家として考えたときの僕の絵は、はっきり言って下手だ。アマチュアの中にも、僕より上手な絵を描ける人はゴマンといるだろう。ただ、漫画誌に載るために必要な最低限のレベル、読者に受け入れてもらうだけの最低限のレベルはクリアできていると思っている。
だったら、あとはストーリーやキャラクターの魅力で勝負すればいい、というのが僕なりの結論だ。画力に関しては、いい意味での見切りをつけていて、合格点が取れればそれで十分なんだと思っている。
これはきっと、一般の会社でも似たことが言えるはずだ。
たとえばシャイで人見知りの激しい人が、営業をやっているとする。
もちろん彼は、自分の人見知りを改善しようと努力するだろう。ひょっとすると話し方スクールに通ったり、自己啓発セミナーに参加したり、セラピーを受けたりするのかもしれない。
しかし、人見知りは性格や資質の問題なのだから、どんなにトレーニングしたところで、抜本的な改善をするのは難しい。
それなら、対人能力は「そこそこ」で見切りをつける。
そして、あとは商品知識やマーケティング能力で勝負すればいい。
実際、ペラペラ喋るだけの営業マンよりも、そうした実直で知識の豊富な営業マンのほうが重宝される場合もあるのだ。
あるいは、プレゼン用の資料をつくるときでも同じである。
文句のつけようがない完璧なプレゼン資料なんて、そうそうできるものではない。
クライアントの性格や好みによっては、どんな立派なプレゼンでもまともに耳を傾けてもらえないことさえある。
そうであれば、ひとつの案にあまり時間をかけてはいけない。合格点がとれる「70点レベルのA案」ができた段階で、バサッと見切りをつけたほうがいい。
そして、余った時間でA案が却下された場合の対案を2つ3つ用意する。
このほうが、練りに練ったA案のみで勝負するよりもずっと賢明なのである。
100点をめざすこと、誤った完璧主義におちいることは、逆に自分の可能性を限定してしまいかねない。
捨てる勇気、見切る勇気を身につけることが、より大きな収穫をもたらすのだ。
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2.【連載】
「はみ出し者の18歳」Vol.2
予防医学研究者・石川善樹
<第2話>
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ルールに従うだけの生き方をやめ、広い世界に飛び出して成功した「はみ出し者」たち。彼ら・彼女らにも、18歳という時代があった。「はみ出し者の18歳」は、もがきながらも自分の足で歩く「はみ出し者」の青春時代に迫る連載。今回は、予防医学研究者として注目を集める石川善樹さんに、自身の東大受験話や、生きる上で必要な「人生のビジョン」について聞いた。
ライター・室谷明津子
■プロフィール
石川善樹(いしかわ・よしき)
予防医学研究者、博士(医学)
1981年、広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業、ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。(株)Campus for H共同創業者。
「人がよりよく生きるとは何か(Well-being)」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。
専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学など。
https://twitter.com/ishikun3
■2話/受験テクニックに興味が持てない。でも東大の問題は好きだった。
東大に合格する人ってみんな、人生のどこかで頑張って、基礎力をつけていると思います。僕の場合は、それが中学時代でした。
僕の母親は「いい学校を出ていい会社に入らないと、いい人生を送れない」と考えていたようで、小学校4年生から、中学受験に向けて勉強が始まりました。でも僕は、そもそも何のために勉強するのかが納得できず、そこから前に進めない。勉強にちっとも身が入りませんでした。
結果は、すべて不合格。発表を見に行った帰り道、僕はこれで受験勉強が終わったとホッとしていました。電車の中で「帰ったらファミコンやっていい?」と母親に聞いたら、「は?」とキレられて。そのまま、別の塾に連れて行かれたという(笑)。
SAPIX(サピックス)は今でこそ有名塾ですが、当時はそこまで知名度はありませんでした。でもこの塾が、僕の運命を変えたんです。3年間担当してくれた石崎先生という方が、僕にちょうどいいレベルの問題を選んで、本質的な学び方を丁寧に教えてくれた。
勉強って、できると楽しんですよ。楽しいから、さらにやる。そういう好循環に入って、中学生のころはめちゃくちゃ勉強しました。
それで筑波大学附属駒場高校(筑駒)に合格した途端、燃え尽きたんです。高校時代は勉強と関係なく好きな本を読んだり、割とのんびりしていました。3年生になると周囲は一気に受験モードに入るんですが、その時になってもいまいちスイッチが入らなくて……。
僕は理系だったので、数学Ⅰ、数学Ⅱとかを順番にマスターしなきゃいけないのに、受験用のテクニックにまったく興味がわかなくて。それよりも国語や哲学の過去問を見て、あれこれ思考を巡らせるのが楽しかった。
例えば、東大の受験問題は最高に面白い。僕が受験した1999年までは、国語で毎年出題される、ユニークな作文問題がありました。「エリートとは何か」「“かわいそう”という感情について」など、かなり深い問いがなされて、ついあれこれ考えてしまう。
僕が受けた年の作文問題のテーマは、「青春」でした。最初に、「青春とは、爽やかでキラキラしたものと思われている。しかし実際は、ジトジトした粘っこいものだ。それも含めて、大人は若者の青春を愛してやるべきではないか」というような意味の文章がある。その次に、「青春とは何か。あなたの考えを述べよ。ただし、単にあなたのこの文章に対する感想を聞いているのではない」という設問がありました。
いや、すごいですよね。試験会場でこの問題を一生懸命解いているのが、キラキラのかけらもない、勉強ばかりのジトジトの青春を送ってきた生徒たちなわけですよ(笑)。これ、僕らのことじゃん! と、問題を見たときに面白くてしょうがなかった。
こんな風に、東大の受験問題を見たり考えたりするのは好きでしたが、それと点数を取ることとはまた別問題。国語は最後まで点数が取れなかったし、東大模試では一度も合格ラインに達しませんでした。そんな僕が、なぜ東大に行ったのか……。それは、次回お話します。
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