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【13歳からの論文執筆】超進学校・海城中高の1年生に課される驚異の課題とは
皆さんこんにちは!
ドラゴン桜塾塾生の西藤実咲です。
今回は初登場のゲスト、坂木駿吾さんにお話を聞いてきました。
坂木さんは東京の新大久保にある、海城中学高等学校(以下海城中高)という中高一貫校から東大に進学しました。
海城中高の2024年度の進学実績は、学年の生徒数約360人中で東大が49人、医学部が166人という、全国でも指折りのレベルです。
今回は、そんな超進学校で行われている驚異のハイレベル課題「中1からの論文執筆」について紹介していきます。
圧倒的な進学実績を生み出す秘密の一端が分かるので、ぜひ最後までお読みください!
①中1で始まる論文講座
中学1年生で論文講座が始まるとは、いったいどういうことでしょうか。
坂木さんによると、最初はそこまで「論文」といった感じではなく、社会の授業の一環のようなイメージで新聞を読むそうです。
たとえばある事件の記事を読んで、「これはどんな事件なのか」「この事件に対してどう思うか」をまとめます。
後で紹介する動画では、坂木さんが実際に中学1年生の時に使っていた新聞記事のファイルを見せてくれました。
ところが、気づくと新聞のまとめから、いつの間にか「世の中を見渡して、自分で社会課題を設定して、それに対して調査をしてみよう」という目標に変わっていたそうです。
その第一歩として、受験が終わって間もない中学1年生は、入学してすぐに2000字から3000字のレポートを書くそうです。
その授業の中で、かなり強調されるのが「引用」の仕方。引用とは、他人が書いた文章や図を、自分のレポートの中にそのまま用いることです。
引用はかなり手厚く教えられるそうで、坂木さんは先生の「Wikipediaは絶対に使うな。使ったら単位はあげないぞ」という言葉を強く覚えているそうです。
Wikipediaは匿名で誰でも編集可能のため、情報が正しくない場合があり、レポートなどに引用することは、一般に控えたほうが良いと言われています。
今でこそ同じことを聞いたことのある人も多いと思いますが、ついこの間まで小学生だった中学1年生が徹底的に叩き込まれるなんて、レベルが高いですね。
正しい引用の仕方は決まっており、特に大学の授業では口酸っぱく言われるので、それを早いうちから学べるのがとても良いなと思います。
また、平均的な学校とレベルが違うなと思わされたもう1つのポイントは、ここでいう論文が「調べ学習ではない」こと。
調べ学習は、情報を調べてまとめるものです。小学校や中学校で経験した人も多いでしょう。
これに対して海城中高では、調べた情報をもとに「今後どう対策するのか」、「自分はどう考察するか」、「AとBの意見をどう折衷しながら解決策を出していくか?」といった、メタ化の思考(物事や考え方を俯瞰的に捉え、より本質的に理解すること)を教わります。
こちらも大人になるにつれ必要とされる思考なので、かなり早いうちからのトレーニングといえますね。
②中学生で大学教授に取材!?
さて、1学期のレポートが終わっても、また2学期になるとレポートの授業があるそうです。
さらに、そこで組み込まれるのが「取材」という必須課題。
坂木さんの場合は、2学期のレポートでヘイトスピーチを題材に取り扱い、東洋大学の教授に取材に行ったそうです。
14歳の坂木さんは必死に電話でアポを取って、生まれて初めて「大学」という場所に足を踏み入れました。
中高に比べると大学はとても敷地が広いため、坂木さんは迷子になり、15分歩いても道がわからずに諦めて、近くのカフェに入って涼んだそうです(笑)
結局インフォメーションセンターに行って、無事に教授のお話を40分程度聞けたそうですが、取材の仕方や電話のマナーなどもまだわからない年齢なのに、大学教授に直接アポ取りをして話を聞くなんて、本当にレベルの高いことをしていますね。
同じ年齢の頃の私なんて、いつも通っている美容院への電話すら怖くて、親に泣きついてやってもらっていました(笑)
③大学のレポートが簡単に!
このようなことを中学生のうちからやっていたため、坂木さんが大学でレポートの書き方を教わった時、「中学生の時教わったじゃん!」と非常に簡単に感じたとのこと。
もちろん扱う内容自体は難しくなりますが、レポートの「型」を中学生の時にしっかり学んでいるので、ほとんど苦労することはなかったそうです。
小論文や英作文がその典型ですが、文章を書く時って内容以前に「枠組み」がわかっていないと、どう書けばいいのかとても迷いますよね。
それを中1から教え込まれれば、大学生になってレポートを書く時や、社会人になってから形式に沿った文章を書く時にも困らないでしょう。
また、坂木さんはこの論文の授業が文章執筆だけでなく、テストにも役立った点が2つあると言います。
1つ目は、わからないことを調べる力。
勉強などでわからないことがある時に、たくさんの情報の中からどうやって知りたいことを調べるか、意外と迷いますよね。
もちろんインターネットではすぐに知りたいことを検索できますが、情報の質は玉石混交で、真偽のほどもすべてが確かだとはいえません。
坂木さんは論文を書く上でたくさんの情報を調べて検証することによって、情報の取捨選択ができるようになり、ゴールに辿り着くまでのスピードも早くなったと言います。
そして2つ目は、事実と意見を分ける力。
レポートは「私は~だと思う」という主観ではなく、調べてわかった事実やデータに基づいて、「~であるとわかる」「~であると推定できる」という客観的な視点で書かなければいけません。
このような客観的な事実と意見をうまく分ける能力は、受験の国語や英語、社会などでも役立ったそうです。
今の共通テストには、「事実と意見を分けなさい」といった趣旨の問題や、暗にそういった趣旨を示唆している問題も出るので、まさに受験につながる力ですね。
最初は大変だったレポートも、今振り返ると「やってよかった」と思うそうです。
単純に受験科目の授業の内容を難しくしたり、カリキュラムをハイスピードで進めたりするだけでなく、このような高度な頭の使い方や情報の扱い方を早い段階で教えているのも、高い進学実績の土台となっているのでしょう。
おわりに
今回は「海城中高から東大へ!13歳からの論文執筆」ということで、初登場ゲストの坂木さんに、海城中高がどんな授業をしているのかに語っていただきました。
永田耕作が塾長を務めるYouTubeチャンネル「ドラゴン桜塾」では、実際のファイルやレポートを見せていただきながら解説していますので、ぜひこちらもご覧ください!
今回の記事は、ここまでとなります。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
ここから先は
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