5浪理3東大生が語る、受験生のスマホ活用術
10月23日に発売となった「ドラゴン桜2」7巻。
その中に「ライバルの存在を見つけて、自分が今やるべきことを認識する」というエピソードがあります。
(※詳しくは『ドラゴン桜2』7巻、53限目「帰路」をチェック!)
このシーンは非常に象徴的ですね。自分ではなく他人の存在を認知して勉強に向かう姿勢が生まれたというわけです。
では、実際に東大に合格している人達はどのようにライバルと向き合っているのでしょうか?
今回は二回に分けて、ライバルの大切さについて実際の東大生二人から話を聞いてみました。
SNSでライバルを見つけた東大生
ドラゴン桜2では、「これからはITの時代だ!」と言って桜木先生がスマホ学習を推進しています。スタディサプリにツイッター、YouTube……スマホを活用したさまざまな勉強を紹介してくれています。
そんな中で、デジタルでライバルを見つけるにはどうすればいいのでしょうか?
今回は、ドラゴン桜2の編集を手伝う東大生チーム『東龍門』の新メンバーであり、今年5浪で東大の理科3類に合格した、ツイッターで15000人以上のフォロワーがいる阿修羅さんにお話を伺いました。
「ツイッターは僕にとって、恥を知るための場所です」。
阿修羅さんはそう語ります。
「周りに難関大学を目指す人が少ないと、『お山の大将』になってしまう場合が多いです。自分より上の人がいないから、より上を目指そうという気概が生まれません。でも、ツイッターに行けば、自分なんかよりももっと上の人たちがゴロゴロいる。それを知り、『自分なんかまだまだだ』と理解するためにツイッターをやっているんです。」
阿修羅さんは広島の高校出身で、周りに東大理3を受ける人がなかなかいない空間で勉強していたそうです。ライバルがおらず、目指すべき目標がいない場所では、なかなか人間は頑張れない。だからこそ阿修羅さんは、ツイッターを利用し始めたそうです。
たしかに、ツイッターやインスタグラムには「勉強垢」と呼ばれる受験生のアカウントや、浪人生の人たちのアカウントが数多く存在しており、自分の勉強記録や成績を上げつつ交流しています。阿修羅さんのフォロワーは、そういう方がほとんどだとのことです。
昔は、自分の身の回りにライバルがいない場合、塾に行くくらいしかライバルと出会う方法はありませんでした。しかし、今はSNSによっていろんなライバルと出会うことが可能になっています。こうした交流が、受験生の勉強のモチベーションになっているということもあるのだと思います。
「恥ずかしい」というマイナスな感情を活かす
では、「ツイッターが恥を知るための場所」というのはどういう意味なのでしょうか?
「僕は自分の勉強の記録や成績をどんどんツイッター上にアップしています。解けた問題も、解けなかった問題も、いい成績も、悪い成績もです。」
たしかに阿修羅さんのアカウントや大学合格を目指すツイッターアカウントでは、模試の成績・順位や点数が写真でアップされています。
「その中で、自分の成績よりもいい成績の人や、自分が解けなかった問題を簡単に解いてしまう人に簡単に出会うことができます。逆に、自分の恥ずかしいミスなんかも他人に知ってもらうことができるわけです。そうやって『恥ずかしい』という意識を持つと、そのマイナスな感情が自分のことを強くしてくれるわけです」
ドラゴン桜2の中でも、桜木先生が「勉強は怒りだ」と語っていましたね。
たしかに、一人で勉強している中ではなかなか「恥ずかしい」「こんな成績をとった自分が嫌いだ」という意識は湧きずらいですよね。他人と比較して、「この人が解けた問題がなぜ自分は解けなかったんだ」とか「あの人はあんなにいい成績なのに自分はこんな成績だった」とか、そういう感情が生まれて始めて、勉強に対するモチベーションが生まれる……ということはあるのだと思います。
「『受験は自分との戦いだ!』とかよく言いますが、あれは個人的にはちょっと違うと思っています。もちろんそういう側面があることは否定しませんが、やはり受験というのは、そうは言っても『他人との戦い』。自分のことだけ意識していては成績なんて上がりっこないのです」
周りのことを意識して、誰かに勝とうと努力するなかで成績が上がる。偏差値の高い名門の高校では、切磋琢磨できるライバルが豊富にいるからこそ、「自分も頑張らないと!」という意識でより高みを目指すそうです。たしかに他人を意識することは学習効果がありそうですね。
「こんな人はツイッターを活用しない方がいい!」
逆に、ツイッターを使って勉強しない方がいい受験生というのはどういう人たちなんでしょうか?阿修羅さんはこう語ってくれました。
「そうですね、私は偏差値が低いところから高いところまで全部を経験した人間なので、その経験則として語るのですが、正直な話、偏差値が50以下の成績の人は見ずに勉強したほうがいいかもしれません。ツイッターをうまく利用できない場合も多いですし、そもそも勉強習慣が付いていないことがあるから、勉強習慣をつける方が先決だと思います。」
なるほど。たしかに、スマホは薬にもなれば毒にもなります。そもそも勉強する習慣がついていない学生は、スマホをうまく活用しきれないということもあるのかもしれませんね。そう考えると、勉強の進捗は紙でやるか、スタディプラスなどのそれ専用のアプリでやる方がいいかもしれませんね。
「逆に経験上、一番使った方がいいと思うのは、『リアルの学校では、周りの中で一番の成績なんだけど、なんとなく伸び切らない感じがある受験生』だと思います。リアルで一番の人でも、ツイッターで受験生の勉強を覗き見していると発見が多いです。『こうやって考えるのか!』『こんな勉強をしてるんだ!』と。それが自分の勉強にもいい波及効果をもたらして、もう一歩自分の成績を伸ばしてくれると思います。」
東大志望の学生の中には、『リアルの学校では、周りの中で一番の成績なんだけど、なんとなく伸び切らない感じがある』という人は多いと思います。そういう人はぜひ活用してみてください。
いかがでしたでしょうか?ツイッターをはじめとするSNSを活用して合格する東大生も登場している……というのは、すごく時代を象徴することのように感じますね。
スマホを勉強で活用している高校生の割合はいまや94.7%と言われています。阿修羅さんのようにツイッターをフル活用したり、教科書を電子化して勉強したりや成績のデータ管理したり、勉強時間の進捗やわからない事項の検索など、スマホを使った学習法は多岐に渡り、今やスマホを使わずに勉強している学生を探す方が困難な時代になっています。
スマホを全く使わないと考えるよりも、スマホとどう付き合っていくのかを考える方がいいのかもしれませんね。
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