東大卒プロ家庭教師が教える「勉強の教え方」の秘訣
みなさん、こんにちは!
ドラゴン桜公式noteマガジン編集長の青戸一之です。
突然ですが、みなさんは人に勉強を教えた経験はありますか?
塾や家庭教師の先生はもちろんのこと、学校で友達に「ここ教えて」と言われたり、親が子に勉強を教えたりするなど、勉強を教える機会がある人は多いと思います。
最近では、学校で生徒同士が教え合うことによる学習効果の高さが認められ、教育現場で教え合いの時間が取り入れられる事例も増えています。
『ドラゴン桜2』でも、人に勉強を教えることのメリットが語られているシーンがありますね。
私もこのマガジンの記事でたびたび「勉強を教えることでの学習効果」についてお伝えしていますが、これは本当に効果的です。
ただ、実際にやってみると、意外と難しいものだと感じることも多いでしょう。
みなさんも人に勉強を教えていて、上手く伝わらずに困った経験はありませんか?
こちらが一生懸命あれこれ教えているのになかなか理解してもらえず、教える方も教えてもらう方も時間と労力をムダに消費してしまう。そしてお互いにストレスを感じた挙句、何の成果もない。
慣れないうちは、このようなケースもあると思います。
ただ、これは無理もないことです。人に勉強を教えるというのは、実はかなり色々なテクニックを要求される行為だからです。
単に自分の知識や経験を話すだけでは上手くいきません。教え上手といわれる人だけが会得している、知られざるコツがあるのです。
そこで今回は、本日発売となった西岡さんと私の共著『家庭教師の技術』から、人に分かりやすく教えるためのテクニックを2つご紹介したいと思います。
ここを意識するだけで、教える効率が劇的に改善するはずです。
教えられる側にとって分かりやすいだけでなく、教える側もムダな説明が省けて楽になるテクニックなので、ぜひ参考にしてください。
①つまずきポイントを見極めてから説明する
勉強を教えていて辛い瞬間の一つが、こちらが一生懸命説明したのに全然伝わっていない、というものです。
頑張ってあれこれ話したのに「?」というリアクションが返ってくると、思わずガックリきてしまいますよね。
実は、教える側がたくさん説明すればするほど、勉強の効率は下がっていきます。
あれこれ言葉を尽くして説明した方が伝わりやすい気がするかもしれませんが、まったくの逆なのです。
そのため、ムダな説明を避けてスッと理解してもらうためには、1つ目のテクニック「つまずきポイントを見極めてから説明する」が重要です。
一つ例を挙げて考えてみましょう。
みなさんが中学1年生の子に、一次方程式の計算を教えているとします。
そこで、生徒が「1/2x=3」の問題で手が止まってしまいました。
みなさんならこの時、どう対処しますか?
普通なら、「xの係数で両辺を割ればいいから、3÷1/2で答えはx=6になるよね」と教えるのではないでしょうか。
もちろんこれで理解できる子なら、何の問題もありません。
ただ、もしこの説明でまだ「?」という状態だったら、みなさんは次にどう対応するでしょうか?
ここで「いや、だからね…」と、先ほどと同じ説明を繰り返してしまうと、泥沼にハマってしまう可能性があります。
本当にこの子がつまずいているポイントを見抜くことができていないからです。
このような場合、まずは一つ手前の段階に戻って「2x=6はどうやって計算する?」と確認するのが上手な対応です。
仮に「2x=6」も分からないとなると、本当に最初から方程式の計算を教えないといけないので、分数係数の計算どころの話ではないと判断できます。
反対に、もしここで「x=3」と答えられれば、方程式の基本的な計算方法は理解できていることが分かります。
この時、次に考えられるのは、分数係数の方程式の計算問題を初めて見て戸惑っているか、あるいは解き慣れていなくてやり方を忘れているケースです。
そこで、「xの係数が整数であっても分数であっても、計算のやり方は同じだから、1/2x=3の両辺を1/2で割ってみよう」と声掛けしてみましょう。
それで解くことができれば、これ以上の余計な説明はいらないでしょう。
仮にそれでも手が止まるなら、そもそも「3÷1/2」という分数の割り算を分かっていない可能性があります。
もしその場合であれば、「3÷1/2ってどう計算するか覚えてる?」と確認して、やり方を説明するのがいいでしょう。
それでも計算がたどたどしいなら、方程式ではなく分数の計算に難があると分かるので、分数の四則計算からやり直さないといけません。
この例から分かるように、まず最初にやるべきなのは「何を分かっていないがために解けないのか」という、生徒のつまずきポイントを見極めることです。
それを無視して「xの係数で両辺を割ればいいから、3÷1/2で答えはx=6になるよね」という表面的な説明をしてしまうと、根本的な問題が解決しないまま、堂々めぐりが続いてしまうことになるのです。
お医者さんから、自分の症状に全然関係ない薬をもらっても効果がないのと同じですね。
まずは「この問題を解くために必要な知識は何なのか」という点を順に整理して、生徒がどこまで理解できているのかを確認してから、必要なレベルに戻って説明するようにするといいでしょう。
②生徒に話させる
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