「地理思考」名前から発想してみよう! (第3回)
その名前を覚えようとするときに、その名前の由来まで知ってみることがとても大事です。由来・語源ともいいますが、変化の変遷までいれれば、僕はそれを縁起と呼びたいと思います。縁起とはお寺は神社に行くとよく聞く言葉です。
その神社仏閣がどのように起こり、どういう経緯で今の状態になったかを知ること。それが縁起なのですが、そういう由来と語源の変遷というストーリー的な意味も内在しているの言葉だから縁起なのです。
「地理思考」では、そんな名前の縁起に思いをはせることで、いろんな捉え方ができます。
以下の地図はネット上で見られますが、世界の国名を本来の意味で表記した地図です。
各国がなぜそう呼ばれているかは、おもしろいですし、さらに、その国に人たちのキャラクターにも色濃く反映されます。
また、これもネットで見つけたのですが、外国人の方が作った日本の各都市を英語名で意訳してみた地図です。これもむしろ僕たちがその使われている漢字の本質を読み取ることができて、いろんな思いが惹起されます。
新潟の、ニューラグーンなんて、そうか、もともとは湿地帯だったんだってわかりますし、島=アイランドが結構多いことも見てとれます。
京都はキャピタルキャピタルですし、東京は東のキャピタルです。
縁起がいい言葉が多いこともわかりますね。
そういう意味では、漢字は表意文字ですから、そこに意味が内在しているのは、すごくそれ自体に歴史やストーリー=縁起を内包しているとも言えるのです。
例えば、山手線や東海道線の駅の名称の最後の漢字を並べてみるだけで、その街の地形や形態が容易に想像できます。
上野=野 御徒町=町 秋葉原=原 神田=田
東京=京 有楽町=町 新橋=橋 浜松町=町 田町=町
……と、ほとんどの駅名で、その街の地形の状態や、かつて何に利用されていたのかがわかります。
わかりやすいのは渋谷ですね。まさに駅自体が谷の底。青山という山からやって来る地下鉄銀座線は地上3階にありますし、東西どちら口に出ても坂道をのぼっていくことになります。
また、その漢字でよく意味がわからない地名は、逆にわからないところに意味が読み取れます。
例えば、目黒や目白は、目赤、目青、目黄、という五色不動からとられた地名だとわかりますし、五色不動とさらに調べると、五行思想まで理解が深まります。
恵比寿は、そこのエビスビールの工場があったらからあとで付けられた町名です。そのエビスビール工場は、今の恵比寿ガーデンプレイスになっていますし、その中にはサッポロビールの本社もありますね。そういう風に経済と連関した名称と認識できます。
さらに話題になった新駅の名前は高輪ゲートウェイ。
その是非はともかく(僕個人は落語にも通じつ芝浜がいいと思いますが、それだと浜ですね!)、これも鉄道マニアの方が言っていましたが、駅名には時代の流行り廃りが色濃く出るもので、以前なら、「○○前」と付けられることが多かったのが、最近ではそのものずばりを付ける事例が多いのだそうです。そのマニアの方が言ってました。
もし昭和に高輪ゲートウェイという駅ができたのなら、海浜高輪になっていたのではないか?と。そういう名前の決め方まで考えを巡らすのも、現代の傾向が読み取れて、人生や仕事にも役立ちますよ。
文:角田陽一郎
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