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国語や数学の成績まで上がる!? 英語ディベートのスゴさを東大生が徹底解説!

みなさん、こんにちは!
現役東大生ライター、碓氷明日香です。 

今回は、私が高校生の時に部活動でやっていた「英語ディベート」という競技について紹介したいと思います。

みなさんは「ディベート」とは何か、ご存知でしょうか。

これは参加者同士で意見を交換するディスカッションとは異なり、ディベートは1つの論題に対して、2つのチームがそれぞれ肯定側、否定側を担当し、データや判例などのはっきりとした論拠を示してジャッジ(審判)を説得する競技です。

論理的思考力やプレゼン力がつくといわれ、近年教育の場で少しずつ取り入れられているので、聞いたことがある方もいるでしょう。

日本語で行われるものもありますが、その全てを英語で行うのが「英語ディベート」です。英語力が格段に上がるのは、これだけで想像に難くないと思います。

ですが、なんと!

私はこの英語ディベートに青春を捧げたおかげで、国語と数学、さらには他の教科まで成績を上げることができたのです!

私が東大に合格できたのは、ディベートをやっていたからと言っても過言ではありません。

そこで今回の記事では、ディベートという競技の魅力と、英語ディベートが他教科の成績にまで影響を及ぼす理由についてお伝えしたいと思います!


そもそも英語ディベートって?

冒頭で簡単に説明しましたが、いまいちピンとこない方が多いと思うので、ここで詳しく「英語ディベート」について説明したいと思います。

まず、英語ディベートには2種類あります。

パーラメンタリーディベート:その場で論題が発表され、15分のシンキングタイムを経て、すぐにスピーチを始める即興型のディベート。

アカデミックディベート:十分な準備期間が与えられ、立論とエビデンスを固めてからスピーチに臨む準備型のディベート。高校生の英語ディベート大会では、論題が大会の約10ヶ月前に発表される。

この2つのうち、私は後者のアカデミックディベートに注力していました。

当時の論題はこんな感じです。

「日本国は、残業を含めた週あたりの最長平均労働時間を、(E.U.にならい)48時間に制限すべきである。是か否か。」

日本語で議論するのも難しい内容ですが、これについて肯定の根拠と否定の根拠を、全て英語で話さなくてはならないというわけです。

アカデミックディベートは試合時間が42分間あり、1チーム4人でそれぞれ違った役割を分担し、以下のような決まった順番に則ってスピーチします。

(参考画像:「和歌山県高校生英語ディベート大会基本ルール」より) https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/500200/d00153612_d/fil/H27rule.pdf


それぞれどんな役割があるかというと、先ほどの議題を例にすれば、

コンストラクティブスピーカー:肯定側の場合は「その政策導入によって誰にどのような利点があるか」について、否定側の場合は「その政策を導入すると誰にどのような悪影響があるか」についてジャッジに伝える。
 
アタックスピーカー:相手のコンストラクティブスピーカーが言ったことに対してエビデンスを使って反論する。
 
ディフェンススピーカー:相手のアタッカーから反論された部分について論を再構築し、自分たちが正しいことをもう一度ジャッジに向かって伝える。
 
サマリースピーカー:試合の流れを簡単に要約し、肯定側と否定側の論を比べて自分たちの方が説得力があることをジャッジに伝える。

となります。

どの役割も重要で、どこか一つでも論が破綻するとジャッジに納得してもらえず、勝つことができません。

しかも、肯定側と否定側は試合直前に、各チームの代表によるジャンケンで決まります。

つまり、どちらの立場でも説得力のあるスピーチができるように準備しておかなくてはならないのです。

また、競技中は基本的にスピーチをしている人以外は声を出すことが禁止されており、チーム内での情報共有はメモ用紙を使っての筆談です。

そのため、試合中はメモ用紙が激しく飛び交う、ちょっと異様な光景が見られます。

また、ディベートは試合と試合の間で大量に糖分補給をしなければならないほど頭をフル回転させる、なかなか激しい競技でもあります。

大会の時は、紙袋いっぱいにいろんな種類のお菓子を入れて持っていき、他校の生徒にも配りながら自分たちでもたくさん食べるんです。 

朝は大量にあったはずのお菓子が帰る頃には底をついていて、カロリー摂取量に震えた記憶があります。

 

普段の活動はどんな感じ?

私が所属していた英語部は、文化部にしては先に書いたような激しい競技をメインに活動していたわけですが、その普段の活動についても少し紹介したいと思います。

活動時間のほとんどはパソコン室にこもって、エビデンス探しに使っていました。そう言うと文化部っぽいですね。

肯定側、否定側それぞれの論を他の部員と相談しながら構築したり、相手の論を想定して反論、再反論を考えたり、関連する分野の信ぴょう性の高い記事やサイト、論文をまとめたりと、やるべきことはたくさんあります。

また、スピーチの練習として部内でパーラメンタリーディベートをやったり、他校のディベート部と大会を想定した練習試合をしたり、なんてこともありました。

そもそも英語が聞き取れない、喋れないと試合にならないので、英語の基礎力アップも欠かせません。

私の学校では志の高い仲間が集まっていて、お互いに定期考査の英語の点数を競っていたのこともあり、みんな部活動時間外の英語の勉強もかなり頑張っていたと思います。

 

大会の仕組みについて

ディベートの全国大会は12月ごろに開催されます。

私たちがメインでやっていたアカデミックディベートはクリスマスのあたり、パーラメンタリーディベートはその少し前あたりです。普段はそれに向けて準備をしている、というわけですね。

競技人口があまり多くないので、基本的には都道府県大会→全国大会の流れで進みます。

アカデミックディベートの全国大会は、1チーム6試合ずつ戦い、ジャッジの票と各スピーカーに関する評価で順位がつけられるという仕組みです。

個人のスキルもチームとしての団結力も求められるので、部活の時間以外もそれぞれがひたすら上を目指して努力を重ねていました。

もう、みんなディベートが楽しくて楽しくて仕方がないという感じで(もちろん私も)、暇さえあれば、どうやったら勝てるか、どうやったら強くなれるか考えていました。

それくらい熱中できる競技で、青春を捧げるに値するものだったんです。


英語ディベートで身につく能力5選

では、ここからは実際に英語ディベートをやっていて実感した、この競技をやるメリットについて5つ紹介していきます。 

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