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「社労士さんって、何してくれるの?」そんな日々の問いを、やっと形に出来た

社労士の価値を伝えられなかった開業時

社労士という言葉は聞いたことがある、だけど仕事の内容までは知らない。
社労士になって最初の壁は、名刺交換した中小企業の経営者の多くの方からいただいた問い、「社労士さんって何してくれるの?」でした。
そんな日々の問いに「労務相談や入退社手続き、就業規則の作成など」と答えていたけど、「へぇ(それだけ?)」という反応は言葉にしなくても、興味が無いことが伝わってきた。
「〇〇社労士さん、知ってるよ。」と言われれば、違いを伝えることすらできなかった。
自分の回答にも、自分の能力にも自信が持てず、だんだんと答えることも億劫になってきた。

一方で、「三谷さんは、あかつきさんは何してくれるの?」と問われれば、自分の強みや組織の強みを素直に伝えることが出来た。
この経験から、社労士という資格に囚われすぎていた自分に気づいた。社労士法で定めらた仕事をするのではなく、社労士であることを活かして「自分は何が出来るか」が重要である。

開業から2年目の旧事務所

事業の拡大と相反して、下がり続ける幸福感

恥ずかしながら、開業から数年は売上を上げることに必死で、どんな要望にも応えようとサービスを拡充し、競合にも負けないように一回りも二回りも自分を大きく見せることに必死だった。
その結果は、確かに経験値も増え、売上は上がったし、スタッフも増えた。ただ・・・スタッフからは笑顔は消え、ギスギスした事務所の空気感、自分自身の幸福感もどんどん下がっていっているような気がしていた。
それは、誰かと比べて自分の幸せを測っていただけで、自分の物差しをもって無かったからだと思う。

ビジネススクールでの自分のやるべきことと向き合う時間

ビジネススクールで自分のやるべきこと、自分の価値を見直す機会をいただき、自分の「やりたいこと、できること、やるべきこと」がわかってからは自分の物差しで幸せを感じられるようになり、自社のサービスの見直しを進めることもできた。
この時、無理していた自分と素直に向き合い、誰かと比べるのではなく、自分らしさの本当の意味に気づけた気がする。
ビジネススクールでの学びは、経営戦略やマーケティング戦略、オペレーション戦略と言ったものだけでなく、自分自身の生きる意味を教えられた。
自分にしかできないことは何か、考えさせられた。

士業の良き文化であり課題

士業の場合は、紹介者の信用を基に「紹介」でお客様と出合う機会が多い。
紹介者からも、私のことを信用して紹介いただけることは、有難い限りです。

一方で、紹介者が自社のお客様でない場合は、ほとんどが自社のサービスを受けたこともなく、サービス内容も知らない状態での紹介となり、自社の強みのあるサービスとお客様の求めるサービスには差があった。紹介をお断りをすれば次の紹介はない、紹介をうければ相手の顔を立てないといけない、そこにずっとジレンマを感じていた。
今は、お話を伺って自社よりももっとお客様にとって最適なサービスを提供できる社労士がいれば、紹介もできるようになった。それは、自社の提供するサービスに自信が持てるようになったことの裏返しだと思う。

今まで、多くの新規のお客様に「良い社労士さんに知り合ったことがない」と言われたが、多分、人の採用と同じように企業と社労士のミスマッチが生じていることも多いのだと思う。
それは、”良い人””自社に合う社労士(サービス)”別物だから。
私の周りには、自信を持って紹介できる社労士もたくさんいますが、必ずしもご依頼者の求めるサービスを提供しているとは限りません。

社労士のサービスは、サービスを受けてから簡単に切り替えることが難しいことも要因の一つだと思う。
ネット検索をしてもホームページを作成している社労士は一部、ホームページがあっても当たり障りのない業務内容が書かれているに過ぎず、どの社労士が合うのかもわからない。
そもそも、社労士がどんなサービスを提供しているのかもわからない。だから、社労士によって提供するサービスは異なるけど、最後は金額だけで判断してしまいがち。

今、WEBマーケティングに強い社労士は、仕事がさばききれないほど依頼がくる。
一方で、WEBマーケティングのコストと労力をかけられる社労士はほんのわずか。ほとんどの社労士は、ホームページがあれば良い方。

全国4万人を超える社労士の中には、独自のサービスや真似できないほどのサービスを提供する社労士がいて、本当の意味で価値のある社労士が多くいますが、知られていない、もしくはアピールが下手だったり。良いサービスを提供できていても、必ずしも経営がうまく行っているとは言い難い。

自社の利益だけでなく、本当に企業想いの良い社労士が世の中で知られれば、企業も、その企業で働く人たちも、もっと人生が豊かになる。そんな社会が作れるといいのになぁ、と思っていた。

だったら自分が、そんな企業と社労士が出会える場を作ろう。
そんな想いで1年かけて準備したのが社労士の多様性を伝えるメディア『労務の灯台』です。
https://hataraku-design.com/

またの機会に、開業してからのリアル、社労士の魅力をどのように見つけるかなど、社労士のリアルを書いてみようと思います。