DX研修を担当する中で、DXやAIの前に「タイピング」への投資が必要と結論づけた話
私の住んでいる広島県の福山市や府中市でもDXやAIをテーマにしたセミナーが多く開催されています。私も登壇する機会が多いのですが、ここにきて「タイピング」のスキル向上に投資すべきだ。という結論にいたりました。
会計・コミュニケーション系・SNS系など様々なセミナーがありますが、やはり集客が一番良いのが「AI」をテーマにしたセミナーとのことです(主催者さんいわく)
よく聞く言葉は「パソコンが苦手なんです」
ITツールの導入や導入後の企業研修を担当していると「パソコンが苦手なんです」という言葉をよく聞きます。そんな方でもスマホを触ることには抵抗がありません。この「パソコンが苦手」という思いは何が原因なのか。
パソコンが苦手=タイピングが苦手
皆さんの仕事風景を見ていると、メールにしても書類作成にしても表計算にしても、タイピングにストレスを感じているんだろうな。と感じてしまいます。手元をずっと見ていると打ち間違いに気づけず、打つ・消す・打ち直すということも多いようです。
スマホ時代にタッチタイピングなんで出来なくても影響ない
これも確かにそうだと思います。仕事によってはスマホの入力だけで十分な場合もあります。パソコンは一応あるけどほとんど使ってない、普段はスマホかタブレット。という事業者さんもよく見かけます。立場によってはご自身でパソコン操作をほとんど必要しない場合もあるでしょう。
営業や事務のお仕事に従事しているならタイピングは必要
お客様とのメール、見積もりや請求書、提案書、パワーポイントの資料作り、補助金や助成金の書類などなど。入力を必要とする場面は無数にあります。それならタイピングの速度を少しでも向上することで自分自身の時短を実現できるのではないかと考えてしまいました(DXやAIの前にできること)
タイピングスキルに投資することで得られる効果(雑な計算)
例えば、入力を必要とする作業をタイピングスキルの向上により1日5分短縮できたとします。
月20日勤務×1日5分=100分(1時間40分=約1.67時間)
時給1,020円(2024年10月1日〜広島県の最低賃金)×1.67時間=約1,700円
これだけ時短できれば、例えばGoogle Workspaceなどのアカウント購入予算も捻出できてしまいますね。前述のような計算にあまり意味はありませんが。タイピングスキルを磨くことは長期的にも大きな効果があります。
参考:5分で入力できる文字数
日本語入力では1分間に100~200文字(変換込み)程度が平均だとすると、1分間に150文字打てると仮定して5分で750文字打てます。
WordのA4サイズに日本語入力すると、40文字×36行=1,440文字くらいでしょうか。タイピング技能検定で考えると3級から2級レベルだと思います。
近年話題になっているのを見かける「なにかと電話連絡してくる人」
今回はタイピングの話題ですので、最近よく聞く「電話連絡してくる人」についてタイピングの視点で考えてみたいと思います。
電話をかける=電話の方が早い=タイピングにストレスを感じる速度なので電話の方が早い。と思っているのかもしれないですよね。ということはタッチタイピングできるようになれば、電話よりメールやチャットのほうが早い。となるかもしれません(あくまでもタイピング視点の話です)
AIとタイピング
生成AIのセミナーを聞いていると「プロンプト」という言葉が頻繁に出てきます。実際にAIに質問や指示をして返ってくる回答を楽しむ(驚く)という場面もよくあります。
その時に最近思うのは、そもそもタイピングにストレスを感じている状態でプロンプトがどうこうというのは無理があるのではないかと…。
「これからはAIだから、みんな勉強してきてね」と言う前に、社内のパソコン基本リテラシーを向上させるために、例えばタイピング技能検定2級を取得しよう。という発想があっても良いのではないでしょうか。
タイピングソフト
もう25年くらい前になりますが、私が購入した初めてのパソコンは東芝のダイナブックです。当時は私も人差し指でキーボードをみながら打っていました。
Windows95、Pentium、メモリ16MB程度、フロッピーディスクドライブ搭載。インターネットはテレホーダイ時間に利用。という時代です。
私のタイピングスキルが向上したのは「特打」というタイピングソフトに出会ってからです。北斗の拳を題材にした「激打」には特にハマりました。
タイピングなんてどうやって練習すれば良いの?という方は「特打」から入るのがおすすめです。Macにも対応した「絶対即戦力タイピングマスター」というソフトも最近発見しました。
コストをあまりかけたくない場合は、タイピング練習サイトもあります。中には日本国憲法を入力の題材にして長文入力が鍛えられるようなサイトもありました。
私は「激打」のおかげで打つことが速くなり、そして当時流行っていたインスタントメッセンジャーサービスの「ICQ」を使って友人とチャットをしている内にさらに速くなっていった記憶があります。
パソコンの苦手意識を克服して、時短にもつながるタッチタイピング習得への投資。
DXやAIのようなキーワードに意識が向いてしまいますが、そういったツールを使いこなすには一定のタイピングスキルを持っていた方が良いと思います。運動で例えるなら「基礎体力」みたいなイメージです。
今の世の中で「は?タイピング?笑」と言われるかもしれませんし、私がセミナーで「今だからこそタイピングです!」と力説すると次回から呼ばれなくなるかもしれません…。
それでもやはり「パソコン苦手の克服にはストレスなくキーボードが打てるように練習してください」と声を大にして言いたいです。
タイピングソフトがあれば楽しく練習できますので、パソコンに苦手意識のある方はぜひ試してみてください。そんなに時間もとられませんしオススメです。