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新型コロナウイルス経済対策に対する追加要望等(5月7日時点)

個人的にはこんなにも長く感じたことがないくらいに長かったゴールデンウィークもようやく終りましたが、いかがお過ごしでしたでしょうか。

さて、今日から国会も通常の活動に戻り、自民党でも早速「経済成長戦略本部・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部 合同会議」が開催されました(なんと4時間以上の長丁場でした。)。

その会議において、僕自身も発言の機会を頂き、ゴールデンウィークの間に皆さまから頂いた声を申し上げて参りました。

時間の関係から会議の席上ではできるだけ手短に申し上げましたが、その内容についてその真意を含めて、またそれに先立って政調会にメールでお送りした意見と併せて、少し長くなりますが、以下ご説明させて頂きます。

なお、皆さまから頂いた意見は、このようにこれからも党内での議論の俎上に載せ、その中で粘り強く一つずつ課題を解決して参ります。皆さまの中でもし現在のコロナ禍において困難な課題に直面されていることがございましたら、これからも声をお寄せ頂ければ幸いです。

<<新型コロナウイルス経済対策への要望等>>

1.持続化給付金の拡充について

今の持続化給付金は極めて評判の良い制度であり、ありがたいとの声が多数寄せられています。詳細に立ち入ることなく、まずは大枠で救っていくやり方については極めて成功していると考えているし、その点全面的に感謝申し上げます。その上で、最初の制度設計では救えていなかったいくつかの点について要望させて頂きます。

(1)創業者(ベンチャー)支援について

東京オリンピック景気を見越して、多数の飲食店が昨年末からオープンしています。また、昨今の好景気の中で立ち上がったばかりのベンチャー企業の中には、昨年資本を食いつぶしながら今年になって本格的に売り上げが上がってきた会社も多数あります。
全くの実績がない会社に対して支給することはできなくても、一定の売り上げはあり、それが急減したことなどの事情が認められる事業者に対しては200万円(あるいは100万円)まではいかないまでも、幾らかの給付をする制度が作れないでしょうか。現状の100(ひゃく)か0(ぜろ)かというのは、今の制度で救われない事業者にとってはあまりに酷と言わざるを得ません。

(2)雑所得に計上した売上げについて

事業者の中には確定申告の際に、本来は事業による売上げであるにもかかわらず、雑所得として申告している例(たとえば通訳やイラストレーター等)が見受けられます。しかし、こういうケースでは、今回のコロナの影響で売り上げとしては半減以上の影響が出たとしても、雑所得として計上してしまった以上給付の対象から外れてしまっています。
そこで、雑所得として計上されている所得のうち、性質上事業による売上げと認められうるものについては制度の対象とすることができればありがたいと考えています。

2.コロナ禍における共同養育の実施について

法務省のホームページにおいて共同養育についてオンライン交流の提案が行われたことは評価したいと思います。しかし、今の内容では、それまで父母の間でどのような合意が行われていたとしても、単にオンラインで交流すれば足りるのではないかといった誤ったメッセージを与えかねません。
諸外国では、そもそも外出自粛要請は直接の面会交流を妨げるものではないことが明記され、あるいはその点が補足説明されていることを考えても、日本でも、諸外国の例に倣って、親子の面会交流は外出自粛の要請の対象にはならない、あるいは様々な方策を講じることで直接の面会交流の機会を確保すべき、それでも直接の交流が困難であるときにはオンライン交流によって代替すべきである旨をしっかりと明記すべきです。

3.家賃問題について

今般の緊急事態宣言の期間延長により、特に外食産業からは悲鳴に近い声が上がっています。そこで今家賃の負担軽減がクローズアップされていますので、その点について以下ご要望いたします。

(1)現行制度でできることの周知徹底について

そもそも民法の改正により「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される」(新611条1項)とあります。
そもそも今回のコロナの感染拡大防止のため商業施設が施設を閉鎖した場合には、借主側は当然に賃料を減額できることの周知が足りないと思われます。もちろん賃料を減額した場合には貸主側への支援を強化すべきことは論を俟ちません。

(2)外食産業への支援強化

また、当初の持続化給付金については、家賃と人件費に使うことを想定して制度設計されていたと理解していますが、多くの外食産業についてはそれでは到底足りません。上述したとおり、「持続化給付金」は当初の救済策としてはよかったと思いますが、次からはもう少し実情に応じた救済策を講じて頂きたく存じます。たとえばチェーン店のような業態はともかく、個人オーナーのお店や中小の飲食店は現在すでに存亡の危機にあります。
家賃の支援という形で進めるのが一番今の実情に則していると思われますが、持続化補助金の拡大とは別の議論として新たな支援策を講じて頂きますようお願いします。
なお、報道で一部取りざたされていますが、仮に補助の上限について家賃50万円を基準にすると、人通りの多いところに店を構えざるをえない外食店舗の多くが、まして、一定程度の広さを必要とするライブハウスについてはほぼ全てが支援としては足らずに倒産してしまいます。その点も踏まえて制度設計して頂けると助かります。

4.総理会見(5/4)における「ライブハウス」への言及について

総理は、今回のコロナの対応において、常に文化芸術は国民にとって必要なものとして保護する必要があると述べられていますし、文化の灯を消してはならないとも言及されました。その一方で、先日の記者会見において、三密を避けるため行くのを自粛すべき場所として「夜間の接待を伴う飲食店」と並べて「ライブハウス」を挙げられ、悪い意味で国民に強く印象付けられてしまいました。
しかし、クラスターが発生しているという意味ではスポーツジムもそうですし、その他の一般的な飲食店もそうです。またライブハウスのほとんど全ては、緊急事態宣言が発令される前から政府の要請に応じて営業を自粛している、その意味で大変協力的な業態です。そうであるにもかかわらず「避けるべきものの典型」として他でもない「ライブハウス」が挙げられたのは遺憾と言わざるを得ません。今のままでは、緊急事態宣言が解除された後もクラスターを避ける意味でライブハウスには人が戻らず、ライブハウス文化が壊滅的なダメージを受ける恐れがあります。
本当にそれでよいと思っていらっしゃるのでなければ、その旨、総理の真意をご説明頂くとともに、その点に配慮した補償を実施して頂きたく要請を致します。

5. 劇団の支援

今までの給付策は中小企業あるいはフリーランスへの支援でしたが、一方で、大手の劇団においては救済の内容が小さすぎて劇団の存続を確保できるものにはなっておりません。
この点、先日山下貴司先生と一緒に劇団の方々(野田秀樹さん、劇団☆新感線さんを含む。)からヒアリングを行いましたが、現時点で経営への打撃は極めて大きく、倒産に追い込まれかねず、このままでは総理がおっしゃった「文化の灯を守る」ことは不可能です。
コロナの影響が長引いていることも考えると、Go Toキャンペーンが始まるまでの間に倒産に追い込まれるところが出ないよう改めて支援の拡充を至急検討して頂きたいと考えています。

6. 医療従事者への「危険手当」について

現在、医療従事者は自らが感染していることを想定して自らの費用でホテルに宿泊するなど「自主隔離」を行っている例が多数見受けられます。
現在Web上ではそういう費用を集めようという動きが行われていますが、そもそも危険な業務に従事していることに敬意を表する意味でも、一定の基準を満たした医療従事者に対して国が一定の金額を支給する「危険手当」のような給付措置を創設すべきだと考えています。

7. 一般社団法人の信用保証協会の利用について

現行の制度では、一般社団法人は中小企業保険法の対象外となり、信用保証協会を利用した融資を受けることができません。
日本政策公庫の融資においては対象となっておりますが、現在、全国の日本政策金融公庫の窓口が混雑しており、融資のための面談がいつになるのかわからない状況が続いております。また、各金融機関の利用に関しても、ワンストップ融資枠を用いるためには信用保証協会の審査を必要とするため融資対象外と言われるため、意味がないと聞いています。
ですので、たとえば仙台のように国家戦略特区を拡大するなどにより、法制度上、一般社団法人も信用保証協会を利用できるようにして頂けないでしょうか。

8. SNSにて「個人融資」が横行している件

現在Twitter上にて生活困窮者を対象とする「個人融資」の勧誘が横行しています。
個人融資は、継続的に行われた時点で貸金業違反となるだけでなく、そもそも詐欺等様々な犯罪行為の温床にもなりかねません。これだけ困窮者が出ている状況の中ですので、個人融資の被害が生じる蓋然性は個人融資について対応をされた昨年冬の時点よりも相当程度高くなっています。
つきましては、Twitter社に協力を求め当該Tweetの削除やアカウントの凍結を行ったり、マスコミを使ってキャンペーンを張るなどして、一層対処を進めて頂きたいと考えています。

9. 雇用保険失業給付の特例措置の導入の件

雇用調整助成金の使い勝手を良くすることも重要ですが、それだけで抜本的に手続きが進むとは思えません。
先月末に国会でも一部取り上げられておりましたが、過去に東日本大震災の際の実例があるわけですから、その際に認められたような、雇用保険失業給付の特例を導入すべきです。

10. エタノールの確保

医療機関で用いるエタノールについて、もちろん国産の酒造業者のものも新たに安価で使えるようになりましたが、それ以外にも海外の認可工場以外で作られたものがあるが、認可工場でで作られていないがゆえに輸入許可が下りず、結果日本に入ってこない(他国に流れてしまっていて、国内で病院に届かず、結果的に高額な商品をネットで買わざるを得ない)という問題があると医療従事者の方から聞いています。その点、輸入の許可対象を拡大するなど改善に向けた方策を講じて頂きたいと考えています。

11. 緊急事態宣言の出口戦略について

やはり地元で良く聞かれるのはいつまで自粛を続けないといけないか、その出口戦略です。
もちろん基準を明確化することに困難もありうるところですが、基本的な数値目標(感染経路不明な割合がどれくらい、医療機関におけるキャパシティに占める重症患者数の割合など)をある程度示していただくことはできないでしょうか。

12.追加の支援策について

また、緊急事態宣言の期間が延長されることに伴って、追加の支援策が必要だという声を非常に多く頂きますし、消費税減税や特別定額給付金の拡大などの措置を改めて講じて頂きたいと思います。
その際何らかの給付的措置を講じるのであれば、今度こそマイナンバー(あるいはマイナンバーカード)を使っての支給に踏み切って頂きたいと考えています。

以上 

衆議院議員 みたに英弘

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