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【推し活】右脳派と左脳派の違い
右脳派と左脳派
人間は脳の働かせ方によって右脳派と左脳派に分類されるらしい。これは無論、脳科学の見地からの分類である。
人間の脳の研究は人道上の問題があるため脳に直接電極を差して調べるわけにもいかず、長らく難しい研究対象であった。かつては病気や事故で脳の一部が欠損した患者の観察から、脳のどの部分がどのような役割を果たしているか類推していたようだ。
今ではMRI技術の進歩によって何か作業をしたときに脳のどの部分が活性化しているかがビジュアル化されるようになり、脳に関する理解も徐々に深まってきている。
右脳派・左脳派とは、脳の働きに注目した性格診断のようなものです。右脳が活発な人は、直観力に優れており、絵を描くことやダンスなどが得意とされています。左脳が活発な人は、論理的思考力が優れており、計算や分析が得意と言われています。
上記記事によれば、右脳派と左脳派はそれぞれ次のような特徴がある。
右脳派の特長4つは、以下のとおりです。
・芸術性・想像性が高い
・空間認知能力が高い
・人の感情を察することができる
・イメージ記憶が得意
左脳派の特長4つは、以下のとおりです。
・数字に強く分析が得意
・論理的思考力が高い
・感情に左右されにくい
・数字や文字による記憶が得意
議論を単純にするため敢えて乱暴にまとめてしまえば、右脳=感情・創造、左脳=論理と分類することができるかもしれない。
もっとも右脳派とか左脳派とか呼称はしているが、これは片方の脳だけが機能をしているという意味ではない。脳は両方とも使われているのだ。
人類は言葉を獲得した動物であり、言葉を使って物事を考えコミュニケーションをおこなう。そのため、覚醒時には論理を司る左脳が優位に立って右脳が暴走しないように制御している。
もし、右脳が優位に働いてしまえば、感情を伝えるだけの基本的なコミュニケーションは可能かもしれないが、言語による高度な内容のコミュニケーションは不可能となってしまうだろう。
そして、この左脳による制御の強弱により、右脳派とか左脳派に分類されるのだ。すなわち、左脳による制御力が比較的強い人が左脳派であり、弱い人が右脳派となる。
左脳派は相対的に左脳の影響が強いため、論理を重視した思考をしがちだ。それに対して右脳派は相対的に右脳の影響が強いため、感情・創造性を重視した思考になる。
これはどちらが優れているかという問題ではなく、敢えて言えばパーソナリティの違いに過ぎない。
近頃の社会ではこのような発言をすると叩かれてしまいがちであるが、自分の経験上では左脳派は男性に多く、右脳派は女性に多く見受けられるように思う。
これはよく言われているように、人類の長い歴史の中で大部分を占める狩猟・採集社会で、男は集団で獣を追う狩りをし女は子供を育てながら集団で採集をおこなう分業をおこなってきた淘汰の結果であると思われる。
結果として男性は感情を抑え込み論理のみで考え行動することを得意に進化してきた。すなわち左脳派である。
それに対して女性は相手の感情に敏感で想像力豊かな感性とその言語化能力を獲得してきた。すなわち右脳派である。
もちろん男性にも右脳派は存在するし、女性にも左脳派は存在する。しかし、実感として男性には左脳派が多く、女性には右脳派が多い気がする。
そのため、大概の夫は妻が髪型を変えても気づかずに怒られ、女子会トークばりの飛躍した話の展開について行けず、妻が地図を読めないことに嘆くのだ。
自分は夫側の視点でしか語れないが、妻側から見れば夫の行動や言動に数々の違和感を感じていることだろう。
しかし、繰り返しになるが、右脳派と左脳派のどちらかが優れているということではけっしてない。
右脳派は創造力に優れ、左脳派は論理力に優れている。社会にはもちろん両方が必要であり、両方が存在するからこそ世の中は面白いのだ。
本気で推し活に挑めない理由
そんなことを考えたのは、最近「本気で推し活に挑めない理由」という同じ題名の記事でありながら、その理由が正反対な2つの記事を読んだのがきっかけだ。
1つは、みくまゆたんさんの記事。
もう1つは、lionさんの記事だ。
2つの記事を読んで「これはもしかして右脳派と左脳派の違いなのでは?」と閃いたのだ。
右脳派のみくまゆたんさん
まず、みくまゆたんさんであるが、「本気で推し活に挑めない理由」について記事の中で次のように語っている。
1番の理由は、自分が「推し」を作るのが怖いから。そして、自分の「好き」を認められないからかと。
(中略)
好きな人はいっぱいいる。けれど、どの方も会うのは怖い。そう思うのは、なぜか。おそらく私の場合、会ったら最後。ガチで好きになっちゃいそう。そして、その沼からもう抜け出せなくなる気がしているからかも。メンヘラの闇は深い。
「会ったら最後。ガチで好きになっちゃいそう」
みくまゆたんさんはとても情熱的な方のようだ。たぶん右脳派なのだと思う。
もっともみくまゆたんさんはライター業で実績のある方であるから、記事を書く時は左脳でコントロールしながら文章を綴っているのは間違いない。
ただ、その隣には巨大な右脳が鎮座していていろんな情報を左脳に送ってくる。巨大な右脳が暴れないように、さながら猛獣使いのように左脳が右脳をコントロールしながらエッセイを書いている、そんなみくまゆたんさんの姿が見えるようだ。
推しを作れば、右脳を解き放つことに繋がり左脳でのコントロールが利かなくなってしまう、そのことをみくまゆたんさんは恐れているのかなという気がする。
好きになりすぎて、自分が壊れるのが怖い。ならば、「安心して好きになれそうな人たち」の中から、好きな人を探せばいいのではないか。
うーん。何だかとても拗らせてしまっているようだ(失礼!)。
今の私にできること。まずは、自分の「好き」という感情が生まれたら、卵を抱えるようにそっと大事にすればいいんじゃないだろうか。
最後の結論に安心した。
みくまゆたんさんは右脳がとても強く、感受性が豊かで創造性に富んだ方なのだと思う。そこに左脳でコントロールされた文章力を備えている。
それこそがみくまゆたんさんの強みであり、記事に惹きつけられてしまう理由でなのだと自分は思っている。
左脳派のlionさん
lionさんは「本気で推し活に挑めない理由」について記事の中で次のように自己分析している。
自分は、いわゆる「ハマる」という状態になることがほとんどない。
(中略)
そういうわけで、おそらく楽しむ前に解釈とか分析みたいなものを初めてしまうのではないかと思います。
「楽しむ前に解釈とか分析みたいなものをはじめてしまう」
これは典型的な左脳派の特徴と思われる。右脳から感情が溢れ出す前に左脳のロジックで解釈をし分析してしまう。完全に左脳が優位に立っている。
そして、次のような悩みを吐露して逡巡している。
それは、推しそのものを愛でているのではなく、解釈を楽しんでいるのではないか?
解釈が楽しめるのであれば、推しは別に違う対象でもいいのではないか?
それって作品そのものを楽しんでいるの?本当に?
lionさんもだいぶ拗らせてしまっているようだ(失礼!)。
でも大丈夫!
lionさんの場合、対象を解釈して分析する行為そのものが、もはや推し活になっている気がする。
右脳派による推し活とはちょっと趣がことなるかもしれないが、lionさんの行為は十分に推し活の名に値する。左脳派による推し活も存在し得ると自分は思う。
lionさんは間違いなく左脳が強く論理的な思考を得意とする方だと思うが、かと言って右脳が活動していないわけではない。
lionさん自身が次のように語っているように、解釈に変更を加えて論考を深めていく過程において右脳からのインスピレーションが活躍しているのだ。右脳が活動しているから楽しく感じるのだ。
解釈して、考察して、新しい情報が加わって、さらに解釈に変更を加えてより強固になっていくのは確かに楽しい。
lionさんは、右脳からのインスピレーションを活かしつつも、左脳でしっかりと論理構成された文章を得意とする。
だから、いつも記事を読むたびに深く考えさせられてしまい、時にこのような記事を自分は書いてしまうのだ。
自分は右脳派?左脳派?
ここまで、右脳派と左脳派の違いについて書いてきたが、かくいう自分はどっち派なのだろうか?
その答えは明白で、このような記事を理屈を捏ね繰り回して書いている時点で左脳派に決定である。
よく妻にも「あ!また理系が出たよ」と言われる人間だ。
その意味では、lionさんの気持ちがよくわかる。
(lionさんは理系ではないかもしれないが理屈っぽいという点で共通している)
一方で、自分には欠けている右脳の気配を感じさせてくれるみくまゆたんさんの文章には、堪らなく魅力を感じてしまうのだ。
かくいう自分も最近はコンサートに足しげく通っている。これも推し活の一種かもしれない。
かつては気恥ずかしくて右脳の中に固く押し込めていた感情を、FIRA60を経て少しずつ解放しているような気分だ。
それでもコンサートに行った記事を書く自分は、その感動を論理の中に落とし込もうと今でも必死に藻掻いていることから察するに、死ぬまで左脳派人間のままでいたいんだろう。
左脳派人間は、感情を揺すぶられて不安定になった気持ちをロジックの中に落とし込んで解釈しないと安心できない習性があるのだ。
この記事では、人のことを拗らせているなんて失礼なことを書いてしまったが、クリエイターさんのことを勝手に分析して記事にしてしまう自分こそよっぽど拗らせているような気がしてきた。
#なんのはなしですか
(初めて使ってみたよ笑 使い方違ったかな?)
みくまゆたんさん、lionさん、勝手に分析して勝手な思いを書いてしまい申し訳ありません。スキをつけるだけでは足りずに記事にしてしまいました。
何しろお二人は自分の大好きなクリエイターであり推しなので、これは左脳派による推し活の一種なのだと思って笑って許していただけたら幸いです。
※脳科学は発展途上の学問です。右脳派、左脳派という括りは正確な解釈ではない可能性があります。
※この記事では「推し活」について考察しクリエイターさんについても触れていますが、記事内容はあくまでも筆者の個人的な見解です。
※この記事は、個人の見解を述べたものであり、法律的なアドバイスではありません。関連する制度等は変わる可能性があります。法的な解釈や制度の詳細に関しては、必ずご自身で所管官庁、役所、関係機関もしくは弁護士、税理士などをはじめとする専門職にご確認ください。
また本記事は、特定の商品、サービス、手法を推奨しているわけではありません。特定の個人、団体を誹謗中傷する意図もありません。
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